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根強い人気の担々麺(タンタンメン/坦々麺)。そのカップ麺商品を、食べ比べて決定した「2023最新版ベスト5」をカウントダウンで発表!
公開:2019年1月21日 情報更新:2023年2月28日
そもそも担々麺は、元々は中国四川省発祥の激辛でおなじみの四川料理の一つ。辛みを利かせた挽肉やザーサイ、チンゲン菜などをのせた麺料理で、当初は往来で天秤で担いで販売されていたことから、汁なし担々麺が主流だったという。
日本での担々麺の歴史は、1958年に来日した料理人・陳健民が東京に開いた「四川飯店」が発祥と言われている。日本人向けにラーメン状のスープ料理にアレンジしたのが日本に次第に広まっていき、1980年代頃には一般的な中国料理店でもキラーコンテンツとしてその名を広めていった。
なので、日本での担々麺にはこれといったルールはない。あえていうなら、挽肉やザーサイ、チンゲン菜などをラー油に絡めた具材としてのせて、ラーメンスープに芝麻醤(中国の練りゴマ調味料)で濃厚なゴマの旨味で仕上げたあたりが共通している程度だ。他にもいわゆる花椒(ホアジャオ)特有のシビれる辛さも人気である。
それでは、2023年時点でうまかったカップ担々麺の最新ベスト5をカウントダウン形式で紹介していきたい。
ポークの旨みと味噌のコク、豆板醤やガーリック、ジンジャーなどを利かせ、練り胡麻をたっぷり加えた辛くない方向性の『タテ型 飲み干す一杯 担担麺』。
かやくはごま、チンゲン菜、鶏・豚味付肉そぼろ、ねぎ、唐辛子。油揚げ麺を採用していることからもわかるとおり、実にスタミナ感のみなぎった一杯だ。ただ、食べやすいけれど複雑系を求める人には物足りないかも。
『日清麺職人 担々麺』は、ごまの香りとほど良い辛味が特徴だ。かやくはごま、肉ミンチ、ネギ。「ごちそうノンフライ麺」は、全粒粉ノンフライ中細ストレート麺を採用している。
オレンジというよりも赤いスープのみを飲むと、それほど塩味は利いていないが、細身でスープによく絡むことところはいい。
少し物足りなさを感じてしまうが、同時に肉ミンチを口に入れたときは、旨味たっぷりのおいしさに。
「正麺」は調理中に茹でる工程を入れて生麺感覚を出すことに成功し、インスタント袋麺として一世を風靡したが、カップ麺の方はさすがに茹でることはできないので“生麺ゆでてもうまいまま製法”(特許)ということになっている。ただそのノンフライ麺によるツルツルさはやはり出色の出来であり、生麺感覚は確かに素晴らしい。
『マルちゃん正麺 カップ うま辛担担麺』のスープは味噌ベースで、ごまの香ばしさをしっかり感じることができるが、塩味は控えめ。プリプリのおいしい麺だが、正麺らしさがアダとなり、スープが絡みにくいので味が薄く感じてしまう。
ラー油オレンジが鮮やかで、けっこう辛め。かやくは味付挽肉、チンゲン菜とシンプル。リニューアルでいりごまが不在となった。
芝麻醤(中華の練りごま調味料)の旨味と花椒(ホアジャオ)のシビ辛だが、唐辛子感の方が強めだ。挽肉とチンゲン菜の生々しさは秀逸。
勢いのあるセブンプレミアムのカップ麺の一つで、こだわりラーメン店の代名詞とも言うべき「飯田商店」の、静岡・沼津店限定メニューを再現したセブン&アイ『セブンプレミアム 飯田商店 担々麺』。
麺はノンフライ。かやくは味付挽肉とネギ。醤油ベースの鶏系スープというのがさすがのこだわりだ。製造は東洋水産が担当している。
その特徴は、むせかえるほどの花椒(ホアジャオ)! 麺をすすると口の中に広がるのけぞりそうな電気ショック。これはもう刺激的の極みで、最後までむせずに食べるのが難しいほど。
担々麺は芝麻醤も大切だけれど、やっぱり花椒という人なら、これ一択だ。そしてシビ辛の向こうにあるのが、ごまとチキンが生み出す無化調的な素朴な旨味。おいしいけど、注意して食べなければならない一品。
世界が唸る東京・大塚の星付きの名店「鳴龍」の担担麺をカップ麺で忠実に再現したというセブン&アイ『セブンプレミアム 鳴龍 担担麺』。近年人気が過熱しているセブンプレミアムのカップ麺シリーズの一つだ。
担々麺のおいしさの鍵を握る中国香辛料・芝麻醤(チーマージャン)が別添えで付いており、"投入して混ぜずにそのまま食べる"ことが推奨されている。麺はノンフライで、かやくは味付け肉そぼろ、ごま、ネギ。製造は日清食品が担当している。
実際に食べようとすると、立ち上るごまとその他のややこしい風味がもはや異国情緒。芝麻醤をかき混ぜることなく一口食べると、実に本格的な中国料理、飯店系の味がした。麺がやや細で、スープと肉そぼろが生み出す旨味を、力一杯に口内に運び込んでくる。
一体全体、このパンチ力と深みを凝縮した複雑な味わいは何なのだろうかと調べると、鶏、豚や昆布、牡蠣の旨みが凝縮された醤油ベースに、黒酢・りんご酢の酸味、辣油の辛味、胡麻の甘味を加えているのだという。
なるほど、だからこんなにもややこしいおいしさが生まれているのか。まさに本気の担々麺(担担麺)ぶりにノックアウトされてしまった。