昨年、筆者が参加した「初音レーシング」の走行会が今年も開催された。 今年は昨年よりもスケールアップする走行会との情報をキャッチし、体験走行に筆者もエントリーしたので、その模様をお届けしたい。 ■今年の初音レーシングの走行会はさらにスケールアップ! 昨年取材した「初音レーシング」から今年も富士スピードウェイのレーシングコースを使用した走行会を行うとのオファーがあった。   昨年は1回の走行枠だったが、今年はなんと走行枠は2回に増え、プロレーサーによるアドバイスも受けられるとのことだ。   早速問い合わせをしたところ、走行枠は希望者多数ですぐに埋まってしまったとのことで、体験走行枠の空きがあったため、すかさず申し込みを行った。   もちろん、メインの痛車展示も実施され、さらに出展企業もスケールアップするとのこと。   楽しみでしかたない状況で当日を迎えた。   開催日は見事な快晴で、連日全国的に猛暑が続いてはいたが、富士スピードウェイの立地に助けられた。   日陰に入れば風が心地よく感じることができ、ちょっとした避暑地感覚だ。   今回出展ショップも増えており、スポーツ走行に欠かせないアイテムの販売や、旧車乗りの部品事情に寄り添った展示も行われた。 ■サーキット走行までの準備 体験走行の受付を済ませ、フリー走行向けのブリーフィング(説明)が行われた。   ブリーフィングは、コースを走るうえでのルール、走行にあたっての注意事項、危険などを知らせる旗の意味について説明が行われる。   今回、併せて初心者講習も実施された。   走行車輌の車内映像を使用し、コース上の気を付けるポイントについても分かりやすく説明を行った。   ブリーフィング後はサーキットのルールに合わせ、ライトなどへの飛散防止テーピングという準備もあるが、走行以外の時間を過ごすための準備についても紹介しよう。   走行会に多く参加されている方は、走行時間以外の勝手がわかっているため、休憩場所の設営も参考になる点が多かった。 タープ型テントを利用されている方は、予期せぬ風で動かないよう、柱に重り代わりに工具箱などの重量物を取付けて対策されていた。   走行会は朝早くから行動することが多い。仮眠をとるために一人用のテントを準備して休憩されている方もいた。 サーキットを走行にあたり、車載映像を撮る方も多くいる。   ハッチバックタイプのエッセのオーナーはボディ補強のリアピラーバーにカメラを取付けていた。 これならしっかりと固定ができ、さらに運転状況と車内からの走行シーンが撮れることもあり、ベストポジションだった。 ■プロによる富士スピードウェイ攻略法講義はまさに必見! 今回、スーパー耐久等で活躍されているプロレーサーの加藤 芳皓(カトウ ヨシヒロ)選手が講師として参加されていた。   本来ならば、体験同乗走行も企画されていたが、あいにくのマシントラブルによりそのイベントは中止となってしまった。   しかしその分、質問コーナーは濃いものとなった。   加藤選手にとって、富士スピードウェイのレーシングコースは、庭のようなものである。   各コーナーの特徴や注意点はすべて頭に入っている状態だ。   参加者からの質問に対しても、親切かつ的確に答えていた。   走行経験者なら共感できるあるあるネタなどを交え、途中笑いが起きるようなアットホームな環境でトークが行われていた。   1本目の走行後に行われた質問コーナーでは、実際に走行した際に感じたことを基にした質問が多く出ていた。   ライン取りの仕方、加減速のコツについて、レース車輌の車載映像も用いて実際のドライバー目線でどこに目標を置くべきかといった解説は伝わりやすかったはずだ。   また、質問者の乗っているマシンに合わせたアドバイスも行われ、2本目の走行時に試したドライバーは多かったはずだ。   今回のようにプロレーサーから直々に質問を行いアドバイスもらえるという機会はなかなか経験することができない貴重な体験となった。 ■本コースの体験走行を初体験 今回筆者にとってのメインイベントである体験走行の時間がやってきた。   この体験走行は先頭車に続いて2周レーシングコースを走ることができるイベントだ。   フリー走行の車輌は、完熟走行という事前確認も合わせて行う。   体験走行参加者は、乗ってきたクルマでヘルメットの着用不要、普段通りの服装(もちろんサンダルNGといった最低限のルールはある)で走行ができる。   しかも同乗走行も可能なため、一緒に来た仲間や家族を乗せて走ることも可能だ。   今回も遊びに来ていた友人やご家族を乗せて体験走行をしている方が多くいた。   ルートとしては、ピットからメインコースに入って走行する形になる。   スーパーGTのようなレーシングカーの車載映像で見た景色が、同じ視点で実際に見えることに感動を覚える。   レース映像やスタンドから見るコースはそこまで幅が広くないと思っていたが、実際に運転すると道幅は驚く程の広さだ。   コカ・コーラコーナーは視覚的に広く感じるためか、実際に走ると思っているよりも速度が乗っていることに途中で気がついた。   場所によっては遠心力でクルマはアウト側に引っ張られていく。   本当のレーシングスピードで走ったときにどうなってしまうのだろうか?と気になっている間にアッという間に2周は終了してしまった。   いつかはフリー走行も経験してみたいと思う大変すばらしい経験となった。   きっと、同様の思いになった参加者も多いことだろう。   ■個性豊かな参加車輌たち   ここからは、筆者の琴線に触れた、ちょっとマニアックな車輌の紹介。   今回の参加車輌、ギャラリー車輌のなかでひときわ目立っていたのが、このいわゆる顔面スワップといわれているカスタムを施した、フロントフェイスが変わった3台のV35型スカイラインたちだ。 オーナーにお話を伺ったところ驚きの関係性が判明した。   最初V35型スカイラインクーペにV37型スカイライン(セダン)のフロントフェイスを移植したことがスタートとのことだ。   その際に、不要となったV35型スカイラインクーペのフロントフェイスをV35型スカイラインセダンに移植したとのことだった。 V35型スカイラインはセダンとクーペでデザインが大幅に異なる。   同型でもボディ形状の違いから移植するのは困難なところ。この循環型フロントフェイスはある意味SDGsに当てはまるのではないだろうか?(笑)   そしてもう一台は、Y51型フーガのフロントフェイスを移植していた。   オーナーとしてはまだ完成形ではないとのことだったが、ボンネットを加工してボンネットピンを利用した装着に強いこだわりを感じた。   やはりクルマ好きが集まるイベントだけに、ギャラリーと体験走行で参加していた車輌も今やレアな存在のマシンが集まっていた。 いっぽうこちらは、RS13型180SXにM312S型ブーンX4だ。   なかなかフルノーマルの状態を維持している個体が少ない最終型180SXも現在ではレアな存在となっている。   さらに元々がレアといえるのがブーンX4だ。   出るタイミングが違えば…と思ってしまうが、ダイハツにはまた元気印のクルマを出してもらいたいと切に願っている。 そして、S13型シルビア、RS13型180SX、GG型インプレッサの並びは、フリー走行と体験走行にエントリーされたグループだ。   この並び、10年ほど前の走行会ではよく目にした並びだ。   シルビアはフリー走行参加車のため、走行前にテーピングや空気圧調整を体験走行に参加する仲間とおしゃべりしながら準備されていた。   体験走行の枠があるのは、見学に来た仲間も見るだけでなく走る楽しみも共有できるチャンスとなる。 フリー走行にエントリーしていたEK9型シビックと両隣のBMWは関西からの遠征組だ。   驚くことにシビックは女性オーナーで、富士スピードウェイの走行は初めてとのこと。   そのため、手前のBMW M2の師匠が1本目は先導して走り方をレクチャーしていたそうだ。   普段は関西エリアのサーキットをM2と一緒に走行して楽しまれているという。   走行会がお盆休みのタイミングもあり、普段とは違うサーキットを楽しむことも可能なのだ。   協賛ショップのホンモノドラッグマシン展示も行われた。 今回多くの協賛ショップが出店していたが、そのなかで「BLACK LINE」がSC300(3代目ソアラ)ベースのドラッグマシンを展示していた。   普段見る機会がないドラッグマシンを間近に見て、このマシンに搭載されたタービンの大きさなどに多くの人が足を止めていた。   閉会時、エンジン始動とレーシングパフォーマンスが行われ迫力あるエンジンサウンドを耳にすることができた。   ■まとめ   もし、フリー走行に興味がある方は、まずは体験走行を経験されることをオススメする。   今回筆者が体験走行をしたことでサーキットの雰囲気を経験することができた。   フリー走行のようなレーシングスピードで走る前に、ぜひ体験走行を経験してもらいたいと思う。   走行時間以外にも楽しめる催しや出展があり、大変楽しい一日となった。   気になった方は、是非体験走行またはフリー走行のエントリーを。   運営の「初音レーシング」関係者の皆さん、ありがとうございました。   次回も期待しております! [ライター・画像 / お杉] ...続きを読む
情報提供元: 旧車王ヒストリア
記事名:「 ヒトもクルマもオーバーヒート寸前!? 真夏の初音レーシング走行会潜入レポート