買取業者ごとに査定してもらうよりも、一括で査定を依頼する方が効率的と感じる方も多いでしょう。車の一括査定を利用することにはメリットとデメリットがあります。今回は車の一括査定や、よくあるトラブルについて解説します。車の一括査定を検討中の方は参考にしてください。 車の一括査定の注意点 車の一括査定とは、サイトに査定情報を登録するだけで複数の業者に一括して査定依頼ができるサービスです。多くの買取業者に相見積もりを出す場合、依頼先探しと業者とのやり取りに相応の手間や時間がかかります。また、査定を依頼する業者ごとに個人情報を送信したりアンケートを回答したりする必要もあり、それだけでも煩わしく感じてしまうものです。 一括査定の強みは、このような手間と時間を削減できることです。ただし、査定はインターネットや電話だけで完結するわけではありません。効率的に見えて実は余計な労力がかかるケースもあるため、仕組みを十分に理解したうえで利用を検討しましょう。 それでは、車の一括査定の注意点を詳しく解説します。 しつこい営業電話が来る場合がある 一括査定サイトに店舗情報を掲載すると、費用がかかります。そのため、サイトへの掲載費用の回収や営業ノルマの達成などを目的に、依頼主へしつこく営業電話をかける場合があります。 一括査定サイトの利用者は一番最初に対応してくれた買取業者に依頼する傾向があるため、昼夜問わずに電話をしてくる業者も少なくありません。また、アポイントの約束や買取が成立するまでしつこく連絡をしてくることも多く、国民生活センターや消費生活センターに苦情が寄せられる案件にもなっているので注意が必要です。 複数の買取業者と連絡を取り合うことになる 一括査定を利用すると、そのサイトと提携している複数の買取業者と連絡を取り合うことになります。車の査定は店舗や出張査定により行われるため、時間や場所決めのアポイントが必須です。また、買取りが成立した後も断りの連絡をすべての業者に入れる必要があります。 地域によっては十分な数の業者の査定を受けられない 地域によっては十分な数の業者に査定を受けられない可能性もあります。また、業者の営業活動範囲から外れていると、場合によっては出張査定に費用が発生することや買取時に車の陸送費を別途で請求されてしまうこともあるので注意しましょう。 車の一括査定でよくあるトラブル 続いて、車の一括査定でよくあるトラブルについて解説します。 契約後に査定額が下がる 契約後に査定額が下がるケースは通常の買取でも発生します。悪質なケースでは、他社よりも早く契約するために高額な査定額を提示し、契約後に「車に不具合があった」と意図的に査定額を下げてくることもあります。契約書面に二重査定についての項目があり、同意の上で契約すると後のキャンセルに高額な違約金が発生する場合もあるので契約前にしっかりと確認しておきましょう。 二重査定とは.........買取契約が成立した後に業者が再度査定を行い、瑕疵(大きな不具合や欠陥)が発見された場合に買取査定額が減額されることです。その旨が記載された契約書面の内容を読んだり説明を受けた後で契約を行うと同意した上での契約と見なされます。 焦らされて不利な契約をしてしまう 車の買取価格は社会情勢や相場に大きく影響を受けやすく、短い期間で大幅に価値が変わってしまうこともあります。買取業者によっては、そういったことを逆手にとって「今だけこの査定額で契約できます」と焦らせて不利な契約を急がせることもあるので注意が必要です。 高額なキャンセル料を請求される 一度契約してしまうと、他の買取業者で高い査定額が出てもキャンセルされないように高額なキャンセル料を請求する業者も存在します。契約書にその旨の記載がある場合は、法的にも有効となるので契約時にしっかりと確認しておく必要があります。ただし、あまりにも法外なキャンセル料となる場合は、消費者契約法に違反する可能性もあるので消費者ホットラインなどに相談するようにしましょう。 信頼性が高い一括査定サイトの選び方 信頼性が高い一括査定サイトの選び方について解説します。一括査定サイトの利用を検討中の方は、未然にトラブルを回避できるよう参考にしてください。 業者の運営会社を入念に確認する 業者の運営会社を入念に確認することは重要です。業者のホームページや他サイトなどで過去の実績やレビューなどを詳しく検索して、その業者が信用できるか判断しましょう。また、アポイント取得時の電話の応対で最低限のことしか伝えてこない業者は要注意です。あいさつや今後の流れの説明などを丁寧にしてくれるかどうかをポイントにしてください。 個人情報を他の用途で使われないか確認する 一括査定サイトでは車の情報以外に必ず個人情報の入力が必要です。その個人情報の取扱いがどのようにされるかは事前に利用条件を確認しておくといいでしょう。買取業者に個人情報がすべて渡り、いきなり自宅に訪問されたというケースも発生しています。 連絡手段をメールに限定できるか 連絡手段をメールに限定できるかどうかは重要です。それほど急ぎの連絡でもないのに仕事中や家族との時間に電話が何度もなるのは煩わしさしかありません。一括査定サイトに登録した瞬間に何社もの買取業者から電話が入るといった事態を避けるために、業者からの連絡手段をメールに限定できるサイトを選ぶこともできます。 また、メールは記録として残せるため、買取業者の説明に不備がありトラブルに発展した際に、証拠として活用できます。こまかい質問やその回答などもメールで残しておくとよいでしょう。 一括査定を受ける以外の選択肢 一括査定を受ける以外の選択肢について解説します。一括査定を利用するのが不安だと思う方は参考にしてください。 ディーラーの下取りを利用する ディーラーの下取りでは、購入する車の商談中に査定を受け、納車時に引き取ってもらえるため、自分で中古車買取業者を探して持ち込む手間を削減できます。買取業者との連絡や商談などは不要となるので煩わしさは一切ありません。ただし、査定額は買取業者よりも低くなる可能性があるため、下取り額を確認したうえで処分の方法を検討しましょう。 中古車買取業者と直接交渉する 一括査定サイトを利用せずに近隣の中古車買取業者と直接交渉する場合、複数の業者の店舗に一日でまわるという手段があります。その中で最も査定額が高くて信頼できそうな業者と売買契約を結ぶのも1つの方法です。契約を迫られても「他の買取業者に査定の予約をしている」と伝えれば無理な引き止めもされません。 事前に相場や信頼できそうな中古車買取業者を調べておくことや、相見積もりが出ればすぐに契約先を選んで売却するという気持ちで挑めば、短期間で済ませることができます。ただし、どれだけ急いでいたとしても、疑問点や不安点は契約前に解消しておくことが大切です。 廃車にする 一括査定サイトの利用や買取業者とのやり取りに煩わしさを感じるなら、廃車にすることもひとつの手段です。ただし、廃車にも費用が発生するので、査定額があまり出ないと思う車でも買取業者に相場額を確認するといいでしょう。電話で「こういった車でも買取はしてもらえますか」と確認するだけなら、個人情報を伝えなくても対応してくれる買取業者も存在します。 査定額が出る車なら詳細査定が必要という回答が出るので、そこから査定依頼を検討してみるといいでしょう。査定額が出ない車なら「廃車費用が発生する」「自動車税や自賠責保険の還付金との相殺で無料で引取ります」などの回答が出ることもあるので試されてみてはいかがでしょうか。
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