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名古屋駅にある商業施設「KITTE」で開催されたWOOD DESIGN EXPERIENCE。
吹き抜けになった開放的なアトリウムに、杉材で作られた展示空間が出現しました。 日本では、戦後に植えられた木材の樹齢が高くなり、伐採・利用に適した時期を迎えているそう。
イベントでは、そんな木材の利活用方法と、次世代へ向けた森林づくりを提案しています。
展示空間に使われているのも、日本各地の木材。
「都市のビルに里山がやってくる」をテーマにした空間は、木の香りが漂いどこかホッとできるような雰囲気でした。 展示にはレンタル製品を使い、イベント終了後には公共施設の家具として再利用することで、ゴミを出さない展示のスタイルを提案しています。
会場には、木を使ったさまざまな製品が、分野ごとに展示されていました。
「Education」には、スギやヒノキでできたおもちゃが。なめらかな質感で、子どもにも安心して遊んでもらえそうです。
「Shop &Eat」では、木製のワイングラスやストローなど、食に関するアイテムが並びます。
木製の食器は、自然に優しいだけでなく食卓をおしゃれに演出してくれそうです。
中でも筆者が驚いたのは、木製の冷凍ご飯用保存容器。
木でできているのに、冷凍も電子レンジも対応しています。ヒノキのもつ調湿機能で、冷凍ご飯をふっくらと温めてくれるそう。
「Office」で展示されたのは、オフィス向けの家具や小物。
システム手帳やマスクケースは、国産スギ材を曲がるように特殊加工して作られたそう。まるで革のように滑らかな質感からは、日本の木材加工技術の高さがうかがえます。
さらに、スギの皮から作られたインクと、木製つけペンのセットも。
インクは、製材の時に捨てられていた樹皮をアップサイクルしたものです。ギフトとして贈っても、喜ばれそうなアイテムですね。
さらに、木製のドラムやギターなども展示されていました。
こちらはすべて、石川県の県木である「能登ヒバ」と呼ばれる木で作られています。 木材の幅広い用途と、木の魅力を改めて知ることができる展示でした。
文具や食器など、生活に取り入れやすいアイテムも多く、木材を身近に感じる機会にもなりそうです。
会場には、ところどころに少花粉スギの苗木が置かれていました。
少花粉スギは、一般的な品種の1%以下の花粉しか出ないそうです。いま、森林に生えているスギの木を伐採して木材として利用し、新たに少花粉スギの苗木を植えることで、花粉症対策につながることが期待されています。
成長や形質も従来の品質に劣らず、森林整備や木材としての利用にも問題ないと言われています。
生産技術も確立しており、スギの苗木の5割は少花粉スギになっているのだとか。 少花粉スギがたくさん植樹されれば、将来は花粉症に悩む人が減るかもしれません。そのためには、今あるスギの木を積極的に利用・消費することが大切なのですね。
続きは後編に続きます。
The post 木の可能性を再発見「WOOD DESIGN EXPERIENCE」【前編】 first appeared on PiasoN-ピアソン-.