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“巨大な穴”が登場する本作にちなんで、それぞれが想像する本作の穴をイラストで発表。キャスト&監督がそれなりの穴を描く中で、もはや完全なるドーナツを描いたのは上白石だ。「私はドーナツが好きなので、身近なもので穴といえばドーナツ。ドーナツだったらいいなあという願望です」と胸を張ると、中川は「そういうことじゃなくて…」と苦笑いで、加藤監督も「文字でドーナツって書いてるし…。お題の趣旨を理解されている?」と天然上白石に驚いていた。
世界が注目する劇作家でもある加藤作品初参加の中川。「現実世界に突如穴が現れてという、リアルと非現実が隣り合わせにある世界観がとても好き。自分たちの日常にも訪れるかもしれないという、その切り口にワクワクしました。撮影も演劇と映像をミックスした手法で撮るということで、自分たちも想像できていなかったので楽しみでした」と異才がクリエイトした世界にゾッコンだった。
映画『ほつれる』以来となる加藤組参加の染谷は「本読みの際に加藤監督から『ズルい男だけどもある種一番普通な人間だ』と言われて、それがしっくりと来た。めちゃくちゃ喋るしセリフ量も多くて不安でした。周囲に『加藤組の作品に入っている』と伝えたら『凄く喋るでしょ』と言われた」と明かした。これに加藤監督は「確かにみんなよく喋りますね。まあ、喋るってことだけなんですけど」と人ごとのように言って笑いを誘い、中川から「加藤さんがそれを書かれたんですけどね…」とツッコまれていた。
念願の加藤作品初参加の上白石は、加藤が生み出すリアルなセリフに触れて「普段私たちが喋っているような日常会話のエッセンスをセリフに盛り込んでいて、普通に噛むとか人間的に喋る言葉をセリフにする。その“加藤さん語”を早く喋ってみたかったです。いつもよりセリフを入れるのに時間がかかりましたが、セリフを声に出すと血の通った言葉になるので、これが“加藤さんの世界の言葉か”と思った。いまだかつてない映像体験で、まだまだこの世界にいたいと思いました」と痺れていた。
そんな“加藤語”を喋る多弁なキャラが多い中で、『わたし達はおとな』以来となる加藤組の森田は「今回も私はたまたまあまり喋らない役で…。加藤さんはあまり喋らせてくれない」と残念がると、ここでも加藤監督は「そうですね、喋るのをやめました。そういう時もありますね」とクール。それでも森田は「喋らない間の演出もしてくれて、喋る人とそうではない人のライトの当たり方など、濃度の違いの演出までこだわってやってくれました」と加藤監督の演出術に脱帽していた。
斬新なスタイルでオリジナルストーリーを構築した加藤監督。「紙芝居やCG、AIも使ったりして、映像表現の中でも色々な手法を取り入れていて、色々な映像表現と舞台表現の両方をまぜこぜにしています。自分が舞台と映像の両方をやっているからこそ、その両方の表現を使いました」とハイブリットなドラマだと胸を張っていた。