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File no. 144
《NANGA/ナンガ》
街中から山中まで、日本の冬にはダウンジャケットが欠かせない。
極寒冷地仕様のスペシャルなモノから、アウターの下に着られるパッカブルのインナータイプまで、ありとあらゆるニーズに対応したダウンウエアが登場している昨今。
ユーザーとしては選び甲斐があり、とてもありがたいけれど、逆に何を選んでいいのか迷子になってしまうことも……。
ということで、今回は寝袋を筆頭にダウン製品で名を馳せる、日本が世界に誇るブランド《ナンガ》の歴史と、その魅力をご紹介。
ぜひ、ダウンジャケット選びの参考にしてほしい。
《ナンガ》の前身である『横田縫製』は1941年、真綿布団の生産地の1つである滋賀県米原市にて、布団の加工工場としてその歴史をスタートさせた。
伝統的な真綿布団を手掛ける工場として安定して操業を続けていたが、次第に時代の波に翻弄され始める。
1980年代に入ると、大手布団メーカーの多くが生産拠点を海外に移し始めたのだ。
その影響を受ける形で国内の下請け仕事が徐々に減少、苦境に立たされることに。
しかし、1988年に国内大手アウトドアブランドから寝袋の縫製依頼を受注することで、その危機を脱する。
これが後に世界に名を馳せる《ナンガ》の寝袋の第一歩である。
1990年代に入ると、国内大手アウトドアブランドの寝袋加工をほぼ独占的に請け負うまでに成長。
しかし、バブル崩壊後、再び危機に直面する。
大手アウトドアブランドが国内の生産拠点を海外へと移管したため売上が激減してしまったのだ。
しかし、国内に生産拠点がなくなったことがきっかけで、新しい仕事が舞い込んでくる。
それは、寝袋の縫製修理だった。
国内に生産拠点がなくなったことにより、国内で修理をする場所がなくなり、リペアを望むユーザーが工場に修理を直接持ち込むようになった。
工場は来る日も来る日も寝袋修理に追われたが、この経験が後の《ナンガ》製品永久保証サービスのきっかけとなる。
1995年には、社名を『株式会社ナンガ』に変更。
同時にオリジナルブランド《ナンガ》を設立。
寝袋分野において確固とした地位を確立する。
2002年には、長年培ってきた羽毛の選定・洗毛・管理のノウハウ、縫製技術を活かしたブランド初となるダウンジャケットを開発。
翌2003年には、初代「オーロラダウンジャケット」として販売し、話題を集めた。
以降、日本を代表するダウン(寝袋)メーカーであり、ダウン製品(ウエア)のブランドとして、今日も着実に進化を続けている。
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