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File no. 132
《COLUMBIA /コロンビア》
さまざまな条件が重なり、日本人の自然回帰が進んでいる現在。
アウトドアレジャーは一過性のブームではなく、日本人のライフスタイルとして定着しつつある。
そこで、改めて注目しておきたいのがアウトドアブランドだ。
今回は、現在の日本人にこそオススメしたい、アメリカで最大級の規模を誇る老舗《コロンビア》の歴史と、その魅力を紹介したい。
ドイツで縫製工場を営んでいた《コロンビア》創始者のポール・ラムフロムは、家族と共に新天地アメリカに渡ることを決意。
アメリカンドリームを夢見て辿り着いた地は、オレゴン州のポートランドだった。
1938年、ラムフロムは小さな帽子問屋の権利を買い取り、オフィス近くに流れるコロンビア川にちなんで社名をコロンビアハットカンパニーと命名。
歴史的な第一歩を踏み出すこととなる。
1960代年にはさらなるビジネス拡大のため、自社で製品の生産を開始。
さらに、スキーグローブ製造会社のコロンビアマニュファクチャリングカンパニーと合弁し、現在の社名であるコロンビアスポーツウェアカンパニーを設立した。
その後も着実に業績を伸ばし、創業当初から家業を手伝っていた娘であり、前会長であるガート・ボイルが「マルチポケットフィッシングベスト」を開発。
現在、フィッシング時に当たり前に着用されているマルチポケット仕様のフィッシングベストは、他ならぬ《コロンビア》が開発したものだ。
「マルチポケットフィッシングベスト」の開発から四年後、これからビジネスが軌道に乗ろうというその最中に、創始者ポール・ラムフロムが逝去してしまう。
さらにはガート・ボイルの夫であり、ラムフロム亡き後、社長を引き継いでいたニール・ボイルまでもが1970年に急逝。
ガートの元に残されたのは三人の子供と多額の借金だけだった。
しかし、彼女は挫けることなく前進。
そして1982年に「インターチェンジシステム」を開発する。
アウタージャケットとインナージャケットをジッパーで着脱し、気候に合わせて3wayの着こなしができる「インターチェンジシステム」は、多くのアウトドアファンに支持された。
このシステムを採用した「バガブーパーカ」は、1993年には全米で100万枚の販売数を達成。
ついには米国アウトドアウエアの年間最多販売記録を打ち立てた。
その後もオリジナルの素材や機能の開発に注力し、アメリカ最大級の規模を誇るアウトドアブランドへと成長。
そして今現在も《コロンビア》は世界中の人々に愛されている。