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File no. 051
《MAMMUT / マムート》
たとえ《マムート》という名は知らなくとも、かわいらしくもあり、力強くもあるブランドの象徴 ”マンモスマーク”を見ればわかる人は多いのではないだろうか。
街やアウトドアフィールドでよく目にする”あの”マンモスマークのブランドには、驚くほど長い歴史がある。
その歴史を知れば、かわいらしいロゴマークの見え方が少し変わってくるかもしれない。
《マムート》は、1862年 創業、155年の歴史を持つスイス発祥のアルパイン・クライミング用品製造ブランドだ。
もともとは農業用などのロープを製造するメーカーだったが、その業界においての経験を積み重ね、徐々に登山用ロープの開発へと事業を拡大させる。
1943年に「マムート」という名の登山用ロープを発表。
1964年にはシングルロープ「マムートダイナミック」が、国際登山組織である「UIAA(国際山岳連盟)」の認定を初めて受けた。
登山用ロープの開発において優秀な結果を残し、ロープ製造以外の分野へもさらに事業を拡大。
1968年には、スイス軍からの依頼を受け「バリーボックス VS 68」を開発。
このアバランチトランシーバは、雪崩に巻き込まれた人々の生存率を大幅に向上させ、10 万台以上を販売するヒット作となった。
その後はアパレル事業にも参入し、1978年にブランド初となるゴアテックスを搭載したジャケットとパンツを発表。
1981年にはアパレルと寝袋からなる「マムートコレクション」を登場させた。
3年後の1984年になるとアパレル、カラビナ、ハーネスを含む総合的なコレクションも誕生。
その後も、同国スイスのバックパック専門メーカー《フュルスト》、老舗登山靴メーカー《ライケル》社を買収するなど、総合アウトドアメーカーとしての地位を確立し、さらなる製品クオリティの進化を追求し続けている。
同ブランドのダイナミックな展開・成功を可能としたのは製品開発のプロセス。
山の最前線で活躍する登山家や山岳ガイドが求めるプロダクトを生み出すだけではなく、彼らが過酷な山岳環境で実際に使用したものを元に開発を行っている。
それは、アルパイン・クライミングでもトレッキングでも、バックカントリースキーでも変わらない。
最高のテクノロジー、優れた機能性、ヨーロッパらしい洗練されたデザイン性で、山岳アルプス、ヨーロッパや日本において、多くのトップクライマーと山岳ガイドたちから絶大な信頼を集めている。
ヨーロッパ特有の洗練デザインと最高峰の機能性、本誌読者の大好物ではないだろうか。