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多忙になると子供やプライベートの時間がなくなって不幸を感じる方に参考になるお話です。
科学的に幸福になる方法を研究している幸福学の第一人者、慶応義塾大学SDM研究科委員長の前野隆司教授に聞くシリーズです。今回は「多忙と幸せ」について伺いました。
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--女性の社会進出で、起業してやりたいことをやったり、自分らしく働いてる女性も増えていますが、結婚したら思ったように働けなくなるのではと結婚を敬遠する人もいるようです。幸福学では「多忙な方が幸せ」という研究結果がある一方で、子供が出来ると一時的に幸福度が下がるという結果も有りますね。相反しそうなこの2つの関係性はどう見て行ったらいいでしょうか?
前野:子供が生まれて幸せ度が下がるのは、多忙が原因ではなく、ストレスからくるものと考えます。初めてづくしの子育てで大抵悩むわけですが、それがストレスになって幸せ度が下がると。一方で、全員が幸せ度が下がっているわけではありません。子育てをうまくやってる人は「多忙な方が幸せ」の状態になるでしょう。ご主人とか周りの人とコミュニケーション取れていれば、そうなりやすいでしょうね。
川崎にペアレンティングホーム(注:住人同士がみんなで子育てするシェアマンション)があって、評価されているようです。幸福学においても、周りの人とつながっていると、辛い時にも不幸だと感じにくくなることがわかっています。
一方で多忙の結果、鬱になったりする人もいます。この大きな理由は「自分でマネジメント出来る限界を超えている」ことですが、こういった方は、ネットワークを作って協力していくことが同じく重要です。危険信号になる前に夫や周りの方に相談して、ためこまず解決していくことがポイントになります。ですので、忙しさは恐れる必要はないし、むしろ買ってでそうしていいです。ただし、忙しすぎてマネジメントできなくなってパンクしないよう注意が必要ということですね。
--忙しい状況を乗り越えるにはどうしたらよいでしょうか?
前野:たいてい新しいことやるわけだから、新しいアイディアや解決策を考えて行ける力、つまり創造力(クリエイティビティ)が重要ですね。ここでもポイントは幸せです。幸福な人はポジティブで全体思考が出来るから解決出来る方向に行きやすいんです。一方で、ネガティブな人は狭い視野でこだわりがちになってしまって解決が遠のきがちになります。
自分がクリエイティブになれなくても、周りに相談できる状況もクリエイティブといえますね。「ムラ社会は過干渉で嫌だ」という方もいて、それも理解できますが、それに耐えれば良い所もあるわけです。
ですので、先にご紹介したペアレンティングホームや、”コレクティブハウス”なんかは、絶対抜け出せないムラ社会ほどでない、過干渉でない繋がりを作れるのでいいと思いますよ。僕もそういった場所を作っていきたいと考えています。
Photo:March 26 –Obesity –Obesity Blog Image Preschoolers in Park By USDAgov
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