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ここ数年のマインドフルネス瞑想ブームのおかげで、毎月のように新しい研究が発表されていますが、サイコロジーサイエンス誌に出た論文は、瞑想で決断力が高まる理由に触れていて面白いです。
この研究が注目したのは、俗に言う「損の上塗り」現象について。つまらない映画なのに最後まで観ちゃったり、どう考えても合わない相手と別れられなかったり、下がる一方の株を手放せなかったりなど、ハタから見ると「なんでもっと早く止めないの?」と思うことを、ついつい続けてしまう心理のことです。
研究者いわく、
ほとんどの人は、最初に間違った選択をしたせいで、悪い結果になったことを認めたがりません。初期投資がムダになったことで、みじめな気分を味わいたくないんです。
そして皮肉にも、このタイプの心理は、初期投資の分を取り戻すかチャラにしようとして、さらなるムダと損を生む原因となるのです。
とのこと。実にありがちですね。購入した食べ物や飲み物に、健康に良くない人工甘味料が入っていたことに後で気づいたものの「せっかくだから・・」と飲み続けたり、参加したセミナーが完全に初心者向きで知っていることばかりの内容でも、「何かあるはずだ」と、席をたたずに最後まで聞いてみたり、日常的に起きていたりしませんか?
ところが、論文の実験によると、1日わずか15分のマインドフルネス瞑想で、この「損の上塗り」現象が大きく減ったそうなんです。
短時間のマインドフルネス瞑想は、現在の情報に集中することで、より合理的な決断をうながすことがわかりました。(中略)
この効果は、2段階のプロセスによって起こります。まず、瞑想は過去や未来に対する意識を減らしてくれます。この心理効果が、ネガティブな感情を抑える方向に働きます。ネガティブな感情が少なくなると、理性的な決断力が高まるのです。
とのこと。とにかく「現在」に集中することでストレスが減り、それが決断力のアップにつながるんだ、と。
この効果は、身近な「晩ご飯に何を食べた方がいいか?」とか、「デートでどこに行くのが正解?」など、日常のささいな決断においても発揮されますが、もっと大きなイベント、例えば結婚や起業、大事な経営判断(契約交渉とか、ビジネスパートナーと今後続けていくかなど、重大な課題やスピードが必要な場面)でも成功に導いてくれるそうです。1日15分でこれだけの効果があるなら、試してみない手はないですね。
Photo:5 Questions to Make a Decision By InaFrenzy
Licensed material used with permission by PaleolithicMan
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