組み合わせ次第であらゆる環境に対応可能な、画期的レイヤリングシステム。
アウトドアウエアのレイヤリングから着想を得て開発されたアメリカ軍の戦闘服システムECWCS(エクワックス)。極端な寒冷地でも対応できるよう、レベル1〜レベル7まで段階的にアイテムが用意されており、それらの組み合わせにより、あらゆる環境に対応できるようになっている。
今回は、この7段階のアイテムを、レベル1のベースレイヤーから順を追ってご紹介していく。
ECWCSの背景やポイントについてはこちらの記事をチェック!
LEVEL 1 身体にもっとも近いベースレイヤー。
レベル1は基本的にほとんどの状況で着用することになるベースレイヤー。化繊の吸汗速乾生地を採用し、汗をかいても体をドライに保つのはアウトドアウェアの考え方とまったく一緒。薄くて軽いシルクウェイトタイプから少し厚手のものまで、いくつかの種類がある。
LEVEL 2 保温性を高めるセカンドレイヤー。
氷点下になる環境で着用を推奨されているセカンドレイヤー。保温性が高いだけでなく、通気性や吸汗性にも優れるポーラーテック社 のパワーグリッドが採用されており、レベル1やレベル3と組み合わせるだけでなく、単体でベースレイヤーとして使うこともある。
LEVEL 3 万能で耐久性に優れるフリース。
アウトドアウエアの世界では化繊インサレーションの台頭により、 主流ではなくなってきたフリースだが、軍用品としては未だ健在。やはりタフで扱いやすい点が重宝するのだろう。擦り切れやすい袖が補強されていたり、ワッペンベースが備わるのも軍用品ならでは。
LEVEL 4〜6は、次ページをチェック!
LEVEL 4 薄くて軽いウインドシェル。
気温が氷点下を下回らない、比較的暖かい気候の際に着用が推奨されているレベル4。いわゆるウインドシェルの類だが、ポケットやワッペンベースの配置は軍用品ならでは。また生地もアウトドア用のものに比べると、やや厚手で堅牢性の高いものが使われている。
LEVEL 5 快適性に優れるソフトシェル。
第二世代までアウターはゴアテックスのハードシェルのみだったが、2007年に登場した第三世代では撥水加工を施したソフトシェルがレベル5として登場。悪天候時以外の寒冷下では、ゴアテックスのレベル6ではなく、こちらの着用が推奨されるようになった。
LEVEL 6 ゴアテックス採用のハードシェル。
1985年の登場以来、ECWCSを象徴するアイテムとなっているのが、このゴアテックスパーカ。ウッドランド迷彩のものは古いモデルだが、これが真っ先に思い浮かぶというヒトは多いだろう。最初期のモデルはマーモット社のレインシェルがデザインの元になっている。
次ページでは、最強の防寒性を誇るLEVEL 7をご紹介。
LEVEL 7 高い防寒性を誇る最終レイヤー。
第三世代で登場したプリマロフトを採用するアウターウエアがレベル7。レベル1、2、3、5と重ねて着用することで、-46°Cまで対応が可能だ。
開発はプリマロフトをいち早く採用したワイルドシングス社の主導で行われ、海兵隊向けの通称ハッピースーツは特に有名。
この他にも、特殊部隊用にさらに先鋭的なPCUというシステムも開発されている。こちらについては、次回の記事でご紹介するので、乞うご期待!
- Edit/Takatoshi Akutagawa(Thunderbird Design)
- Photo/Hiroyuki Yamada Styling/Takahiro Nakajima
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情報提供元: GO OUT