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テレビのネイチャー番組で見るようなスケールの大きな空撮映像を素人でも気軽に撮影できるドローン。実際にアウトドアで撮影している人を見かけることも増えてきて、そろそろドローンデビューしたいと思っている人も多いのでは?
今回は、気になるドローンの使い方からルール・マナーといった基礎知識、さらに専門家が選ぶおすすめ4機種も紹介。これをきっかけにドローンを始めてみませんか?
ドローンの醍醐味は、なんと言ってもスケールの大きな空撮。自分がちっぽけに見えるほどのスケールで大自然の風景を撮影できる。海、山、川などのフィールドを、いつも自分が見ているのとは違う視点から見ることができるのも魅力だ。
さらに、手持ちのカメラでは撮影できないようなアングルからの撮影も、ドローンならお手の物。カヤックやサップ、クライミングなどのアクティビティも、よりダイナミックに撮影できる。
三脚ナシで気軽に自撮りを楽しんでみたり、砂浜に大きく文字を描いて上空から撮影してみたり、アイデア次第でいろいろな撮影ができる。
では、そんな映像を自分で撮ってみたいという夢を叶えるには、どんなドローンを選べばいいのか。ドローン操縦士スクールの講師を務めるほか、ドローンを使った観光PR空撮動画の制作なども行っている株式会社Dron é motion(ドローンエモーション)代表の田口 厚さんに、2万円以下、8万円前後、10万円前後、それ以上、と価格帯別におすすめの最新ドローンをセレクトしてもらった。
航空法対象外となる200g以下のトイドローンのなかでも、「最強のトイドローン」と言っても過言ではない「テロー」。重さわずか80gにして、ドローンの頭脳とも言えるフライトコントローラーがDJI製、画像処理技術がインテル製で、この価格帯では最高クラスの性能を持つ。
スマホで操作できるので取り出してすぐに遊ぶことができ、室内や風のない屋外での自撮りに向いている。デジタルの手ぶれ補正を備えているので、あまり揺れない映像を撮影できる。
8万円前後の入門機のなかでおすすめなのが、フランスのメーカー、パロットのドローン「アナフィ」。重さは320gと軽量で、折りたたむと細長い形状になりコンパクト。
4K動画の撮影が可能で、他のドローンにない特徴としてカメラを真上にも向けることができるので、たとえばクライミングシーンなどでダイナミックな映像が撮れる。ゆっくり飛ぶので、初心者にも操作しやすいのがポイント。
ドローンのトップメーカーDJIの本格的な技術を割安な価格で搭載した高コスパモデルが「マビックエア」。カメラは4Kで、プロ機にも迫る画質。折りたたむと小さくなるので、持ち運びにも便利。また、障害物を察知するビジュアルセンサーにより安全な飛行が可能。
離着陸から機体操作、カメラシャッターまで手のひらのサインを認識して操縦することもできるので、自撮りにも最適だ。
さらに本格的な撮影を目指したい人には、DJIの最新機種「マビック2」がおすすめ。スウェーデンの老舗カメラメーカーであるハッセルブラッドと共同開発したカメラを備えた「マビック2プロ」と、光学2倍ズームレンズを備えた「マビック2ズーム」の2モデルがある。
※すべて2018年9月現在。
最新技術のかたまりなので、飛ばすのが難しそうなイメージのあるドローンだが、最近は、安全に飛行するための機能や装備を何重にも搭載することで誰でも安定して飛ばせるように進化しているという。
実際にドローンを手にしたら、どのように使えばいいのか。多くのドローンに共通するセッティングから撮影までのおおまかな流れを、DJI「マビックエア」を例に紹介。
まずは、コンパクトに収納されている本体と送信機を取り出して組み立てる。送信機はスマートフォンを取り付けるタイプになっている場合が多い。
室内などの狭い場所や、障害物がある場所、人がいる場所で飛ばす場合は、安全のためにドローンにプロペラガードをつけておくことも忘れずに。
送信機、ドローン本体の順に電源を入れ、ドローンを平らな場所に置く。平らな場所に置くのは、ジャイロセンサーなどを正しく作動させるため。続いてスマートフォンのアプリ(例えばMAVIC AIRの場合は「DJI GO 4」)を立ち上げて設定を行う。
最大飛行高度や送信機の設定を確認するほか、本体のバッテリーがフルになっているかもチェックする。
離陸させる前に、まず周囲の安全を確認する。ポイントは、ドローンが飛行する場所の真下に人がいないか、また、道路や民家がないか。加えて、ドローンのプロペラ音などで迷惑をかけないよう周りに一声かけるのも忘れないようにする。安全の確認が出来たら、送信機のスティックを操作してプロペラを回し、上昇させる。
離陸したら、全てのスティックの動きに対してドローンが正常に反応するか確認しておく。
動画・静止画の撮影は、送信機で映像を確認しながら行える。ドローンを操縦しながらカメラの操作もするので、思い通りの撮影をするにはある程度の慣れが必要。機種によっては、被写体を中心にグルッと円を書くようにフライトしながら撮影するなど、プロのような撮影をプログラムを使って自動で行うこともできる。
撮影の際には、車のナンバープレートや民家の中が映らないよう、プライバシーに注意する必要がある。
ドローンはどこでも自由に飛ばせるというわけではなく、航空法を始めとしたさまざまな法律・条例を遵守する必要がある。航空法で定められている禁止事項は次の通り。
■空港周辺、人家の集中地域、150m以上の上空の飛行禁止(飛ばす場合は国土交通省への申請が必要)
■夜間の飛行禁止
■目視外での飛行の禁止
■第三者(人や建物、車など)から30m未満の距離に入る飛行の禁止
■イベント会場での飛行禁止
■危険物輸送の禁止
■物を落とすことの禁止
200g未満のドローンは航空法の規制対象外となるが、小型無人機等飛行禁止法やその他の条例の規制対象となる場合があるので注意が必要。詳しいルールや規制エリアなどについては国土交通省のウェブサイトで確認できる。
キャンプをはじめ、アウトドアでの撮影の可能性が広がるドローン。まだドローンを持っている人が少ないいまだからこそ、ドローンを取り出したときの盛り上がりも大きい。また、使い方次第でSNSでの注目度も上がること間違いなし。ドローンをアウトドア遊びの相棒にしてみてはいかがだろうか。