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今回はGedさんの来日に合わせてGedさん、ネイタルデザインのマネージャーである後藤さん、マウンテンリサーチの創設者小林さんの3者によるクロストークを行いました。どうしてモチーフが千鳥なのか? ぜひご覧ください。
Ged Wellsさんとinsaneのプロフィール
1984年にスケーターであったGed WellsがTシャツなどにイラストを描きはじめたことで、ブランドinsaneが始まった。その後、Gedはスケーターとして注目を集め、insaneも様々なUKのインディペンデントスケートショップでの取引がスタート。1988年にロンドンへ移住し、クラブ、レコードレーベル、スケーターなどサブカルチャー界の面々との交流を深め、ロンドン伝説のスケートショップ「Slam City Skate」でも取り扱いが始まり、スケーターはもちろん音楽好きからも注目を浴びる。日本では藤原ヒロシ氏が雑誌で紹介したことで一気に注目を浴びた。Gedは現在様々なプロジェクトに参加し、イギリスではinsaneのアイテムをリリースし続けている。
-今回GO OUT OnlineにてNATAL DESIGNのジャック企画があり、その目玉となるマウンテンリサーチとのコラボアイテムがリリースされます。携わってみていかがでしたか?
Ged:彼らとコラボするのはとてもエキサイティングだよ。みんなとてもフレンドリーで、本当に全てがエキサイティング! ネイタル後藤さんから教えてもらったんだけど、日本のキャンプシーンについて知ったとき、驚くほど素晴らしいと思ったんだ。こういうカルト的なカルチャーはUKにはないよ。また、そんなシーンで活躍しているネイタルデザインは、本当に素晴らしいデザイン、アメージングなプロダクトを生み出していると思う。日本の人たちがとても熱心にライフスタイルをクリエイションして、その中で生まれるデザインの可能性を愛好している。そんなポジティブな機会に参加できるなんて本当に素晴らしいことだよ。
-ネイタルデザインについてはどうやって知ったのですか?
Ged:後藤さんが10〜15年前くらいにコンタクトしてきて、彼らのショップSCATTER BRAINとのコラボプロジェクトをおこなったんだ。その時から考えればデザインや商品クオリティはずっと向上して、さらに雰囲気も良くなってる。ますます面白くなっているのが見てわかるよ。
-どうして後藤さんは彼にオファーしたんですか?
後藤:僕が中学生くらいの時にGedが手がけているinsaneは可愛いデザインですごく人気だったのを覚えていて、今オファーしたら面白いんじゃないかってことでお声がけしました。
-小林さんは知っていました?
小林:自分はスケーターでは無いのでinseneというブランド名しか聞いたことがなかったけど、Gedはいつからinseneをやっているの?
Ged:1984年だね。カレッジを卒業した後、考古学専門のイラストレーターとして働き始めて、その時にTシャツなんかにイラストを描いたのが始まりなんだ。
-今回のコラボのシンボルで、千鳥がモチーフになっていますが、これはどうしてですか?
小林:俺も後藤くんも好きなアーティスト、Phishの歌詞の話をしていたんだよ。その時に後藤くんが「Birds of a Feather」って曲が好きって言ってて、俺も好きな曲だから盛り上がったんだよね。で、元々このプロジェクトで和的なものをモチーフにしたいと考えていたから、「和」と「鳥」で「千鳥」がいいんじゃない?ってことになったんだ。そこにGedのスケーター的なアイデアも混ざったら面白いだろうというのもあったしね。
-Gedさんはリクエストを受けてどう思いましたか?
Ged:とても良いアイデアだよ。それに後藤さんは僕の仕事の仕方を理解してくれているから、いつも自由でクリエイティブな良いプロジェクトになるんだ。僕にとって、自由な発想の元でみんなを幸せにできるものを見つけることが一番大事なんだ。だから今回も千鳥を描くということで様々なアイデアを出したよ。たぶん数日間、スケッチをいくつもいくつもずっと描き続けた。
後藤:Gedにオーダーしたところ 千鳥のことをすごく勉強してくれたんですよ。最初仮でタイトルを「Birds of a Feather」ってつけて渡してたら、千鳥って英語でPloverって書くんですけど、英語にあるLovers not hatersっていう言葉をもじってPlovers not hatersってどう?って逆に提案してくれて。そっちの方がしっくり来たから、そのワードで今回進めたんです。彼はコンセプトや背景をちゃんと理解した上で描いてくれるんです。
-inasaneは90年代には大きなストリートブランドでしたよね?
Ged:80年代からDIYでスタートして、90年代に僕らは急速に大きくなっていったよ。ただ僕にとっては良い方向にはいかなかった。ビジネスサイドにおいてね。Insaneのブランドビジョンはかなり早い段階からあって、主にスケートボードカルチャーを通して、スケートボードウエアを作り、その中に自分のアートを入れるっていうのは見えていたんだ。そして、多種多様なプロダクト、TOYとか色んな商品すべてが1つのブランドの中で展開されるような感じも。でも、1990年代には周りのほとんどの人は理解していなかったね。ほんと難しかったよ。ちょうどその頃、藤原ヒロシさんが日本の雑誌でinsaneを紹介してくれて、その存在を広めてくれたんだ。その反響はすごかったよ。その後、優秀なデザイナー、Sophieと彼女のボーイフレンドと出会って一緒にinsaneを広げていったんだ。ただその後は別々の道を歩むことになったよ。彼女はHOLMSやサイラスを立ち上げて、今はAriesってブランドを10年ほど続けて大成功しているよ!
-insaneは現在UKではどんな感じになってるんですか?
Ged:僕一人でやってて、1984年当時のようなDIYブランドだよ。アトリエを持ってて、ミシンやプリンターで何か作ったりしている。少量しか作れないから、insaneのために小さなプロジェクトをやっているよ。1人でやることによってクリエイティブなことをする時間が増えたんだ。朝起きてコーヒー飲んで、オーダーを受けたものを送ったり、自由にドローイングをしたりプロジェクトを進めたりと。
-仕事をする上で一番大切にしていることは?
Ged:自由なクリエイティブが叶う環境。新しいものを作るだけでなく、会社全体や周りのみんなと一緒に考え進めていくってこと。UKではそれを理解してくれるチームや会社を見つけるのが難しいんだ。現在、UKではアメリカのプロダクトが蔓延していて、アメリカ的な考え方や、仕事の仕方とかばかり。本当に嫌になるよ。
-insaneはインディペンデントなブランドでありたいですか?
Ged:いや、Insaneは僕のビジョンのようなもので、基本的に僕がアーティストとしてブランドを作るときに持っていた夢の形のようなものであってほしい。そして商業的な側面は必ずしも一番重要ではないんだけど、本当に面白い製品を作りたいのであれば、完璧な会社組織としてのシステムや適切なパートナーシップを見つけることが必要。日本には商業的にも成功している素晴らしいアーティストがたくさんいる。たとえばNIGOはどうやってチームを手に入れたんだろう。僕にはわからないよ。UKではそんなチャンスは滅多に無いからね。
-ところで日本で好きなブランドはありますか?
Ged:先日一緒に仕事をしたSOPH.はチームのメンバー含めて素晴らしかったよ。あとは日本のキャンプに関係するその周辺のデザインはとても興味深い。なぜなら、その中にイノベーションがあるからね。ネイタルデザインやマウンテンリサーチもそう。
-近い将来、日本での新たなプロジェクトの予定はありますか?
Ged:まだわからないけど、今回ネイタルデザインのおかげで多くの人と知り合うことができたんだ。それに、沢山可能性の高いアートプロジェクトの話もあるから、またすぐに日本に来たいよ!
-小林さんはこういうアーティストの方とのコラボレーションって過去にありましたか?
小林:初めてやったよ。いつもインスパイアされることはあっても、ガッツリ向かい合ってやるのは初めてだね。楽しい体験だったよ。また後藤くんを軸に何かできたらいいね。
後藤:ありがとうございます。ただ僕は人と人の間を取るだけでデザインしたりするわけじゃないんで。
Ged:何を言ってるんだ! 僕らは後藤の後ろを歩いているだけだから。付いていけばすごく素敵な景色の山へ連れてってくれるからね!!!
小林:その通りだね!!
ネイタルデザインによるGO OUT Onlineジャックでは、今回ご紹介したマウンテンリサーチとのコラボレーションをはじめ、様々な外遊びをテーマにしたブランドとのバラエティに富んだコラボアイテムが並ぶ、過去最大級のお祭り。
11月14日(火)のお昼12時から11月17日(金)11:59まで開催される。
今回登場するマウンテンリサーチとのコラボアイテムはこちら(以下すべて先行予約商品)。
前回のネイタルデザインのジャック企画を上回る盛り上がりを見せそうな今回。この企画でしか入手できないアイテムもあるので、ぜひチェックを!!
ネイタルデザインジャック
開催期間:2024年11月14日(火)お昼12:00〜17日(金)11:59
The post 【GO OUT Onlineジャック企画 特別座談会】Ged Wells(insane)×NATAL DESIGN×MOUNTAIN RESEARCHクロストーク first appeared on GO OUT.