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ダイハツは7月にダイハツ・タントで初めて新世代のクルマづくり「DNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」を採用しましたが、新型ロッキーはその第二弾商品であり、コンパクトカーとしては初のDNGAモデルとなります。
ダイハツの小型SUVといえば、初代ロッキー(1990年)以来、テリオス(1997年)、ビーゴ(2006年)と受け継がれてきたものの、ビーゴが2016年に販売終了となってからは、その系譜が途絶えていました。では、なぜこのタイミングでダイハツはコンパクトSUVを新たに投入することにしたのでしょうか?
その理由はもちろん、SUVの市場が活況なことにあります。近年、登録乗用車の販売台数は横ばいですが、そんな中でもSUVが占める割合は年々増加しており、2010年は7%だったのが2018年には21%と急拡大しているのです。
コンパクトカーのユーザーにおいても、SUVの購入意向は増加しています。調査によると、コンパクトカーのユーザーのうち、SUVを購入したいと考えるのは2016年に10%だったのが、2019年には16%に増えています。
一方で、今までSUVを所有していたことのあるユーザーは、不満も抱えていました。主な不満は、以下の通りです。
・車両価格:20%
・低燃費:15%
・荷室の大きさ:12%
・視界の良さ:12%
そこでダイハツは考えました。「コンパクトなサイズ」「かっこいいデザイン」「広い荷室」を備えたSUVを待ち望んでいるユーザーの数は少なくないはずだ、と。そうして新型ロッキーの開発がスタートしたというわけです。
新型ロッキーのコンセプトは、レジャーにも日常生活にも使いやすい、5ナンバーサイズのコンパクトSUVです。
その第一のこだわりは「広さ」です。全長は3,995mmと4mを切っていて、全幅は1,695mmの5ナンバーサイズとしながら、前後のカップルディスタンスは900mmと広い室内空間を実現しています。
そして荷室はリヤデフをボディに直付けすることで低床化を実現し、積載量369Lと大容量を確保しています。また、2段式のデッキボードを採用することで様々な使い方にも対応します。
続いてのこだわりは「デザイン」です。最上級グレードは17インチの大径タイヤを履き、ラギッドなエクステリアがとても力強い印象です。
インテリアではメーターに注目です。LEDのデジタル速度計と7インチ液晶ディスプレイをシームレスに表示することで、フルスクリーンのような先進感を表現しています。内外装ともに、新型ロッキーはコンパクトカーとは思えないほどの存在感を漂わせていると言えるでしょう。
そして、「安全」と「先進」に関わる装備が充実しているのも新型ロッキーの自慢です。
「安全」をサポートしてくれるスマートアシストは、新型タントで採用されていた全車速追従機能付きアダプティブクルーズコントロールとスマートパノラマパーキングアシスト(音声とモニターで駐車をガイドしつつ、ステアリング操作をサポート)を新型ロッキーでも踏襲。さらに、BSM(ブラインドスポットモニター)とRCTA(リヤクロストラフィックアラート)が新たに設定されました。
BSMは、死角になる左右後方の車両を検知するとドアミラー内のインジケーターが点灯。その状態でウインカーを操作すると、インジケーターが点滅するとともにブザー音でドライバーに警告してくれます。
RCTAは、後退時の安全確認を補助してくれる機能です。例えば前向きに駐車している際、後方を横切る車両を検知するとミラー内のインジケーター点滅&ブザー音で注意喚起を行います。
「先進」に関する装備の代表例は、「ダイハツコネクト」の初採用です。クルマとスマートフォンをつないで、以下のようなサービスが提供されます。
・事故や故障時にコールセンターに繋がり、位置情報や車両状況に基づいて迅速に対応。
・ドライバーの状況を家族等にメールで送信。
・駐車位置情報やガソリン残量などクルマの状況をスマホで確認。
・車検や点検時期をお知らせ。
・車内でWi-Fiを利用可能(条件あり)。
また、メーカーオプションで設定される9インチのディスプレイオーディオもスマホとの連携が可能で、アップルカープレイに対応するスマホアプリをディスプレイ上で表示・操作することができます。
気になる走行性能に関しても、新型ロッキーは期待できそうです。新型ロッキーは最初に述べたとおり、DNGA新プラットフォームを採用しています。DNGAの特徴は、軽量高剛性ボディです。骨格構造のスムーズ化や合理化を実現し、部材の構造断点をなくすとともに、ハイテン材を活用しています。
そして、サスペンションもジオメトリーが見直され、取り付け位置からブッシュ特性、バネレート、ショックアブソーバーの減衰力などが最適化されました。
新型ロッキーは、2WDだけでなく4WDもリヤサスにトーショーンビーム式を採用しています。4WDのリヤサスで一般的なリジッドアクスル式に対して、スタビリティと乗り心地に優れています。また、荷室の低床化も、このトーションビーム式のリヤサスが大きく貢献しています。
パワートレーンは、1LターボエンジンとCVTの組み合わせのみが用意されています。CVTはスプリットギヤを組み込んで伝達効率向上と変速比幅拡大を実現した、ダイハツ自慢の「D-CVT」と呼ばれるものを新型タントに続いて採用しています。
悪天候時や悪路走行時に頼りになる4WDも新開発です。「ダイナミックトルクコントロール4WD」という名称で、電子制御式カップリング機構を用いており、走行状況に応じて前後にトルク配分を行うのですが、その制御が実に緻密。
通常はFF、低μ路では4WDで走行しますが、発進時や登坂時はリヤへのトルク配分を増大し、発進性を向上させるのです。
カラーバリエーションが豊富なのも新型ロッキーの特徴です。ダイハツ初の乗用車の名前を冠した新色「コンパーノレッド」をはじめとする全8色を用意するほか、コンパーノレッドとシャイニングホワイトパール、ブライトするバーメタリックはルーフをブラックに塗ったツートーンタイプも設定されます。
全カラバリは記事末の画像一覧をチェック。
なお、新型ロッキーは4グレードで展開され、それぞれ2WDと4WDを選択することが可能です。
【主要諸元】
ダイハツ・ロッキー G・2WD
全長×全幅×全高:3,995×1,695×1,620mm
ホイールベース:2,525mm
車両重量:980[1,050]kg
エンジン種類:直列3気筒DOHCターボ
総排気量:996cc
最高出力:98ps(72kW)/6,000rpm
最大トルク:140Nm(14.3kgm)/2,400-4,000rpm
トランスミッション:CVT
タイヤサイズ:195/60R17
燃費(JC08モード):22.8[21.2]km/L
※[ ]内は4WD
また、新型ロッキーはOEMとして、トヨタからも「ライズ」として発売されます。両車はフロントマスクやグレード展開が異なります。
(長野達郎)
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