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巷では体幹トレーニングがブーム。しかし、体幹とはどこを指しているのでしょう? 「体幹とは胸郭から骨盤までの腹腔」という人もいれば「体幹とは四肢と頭を除いたすべて」という人もいます。じつは体幹とは、目的によって指している場所が違っていたのです。
解剖学的にいえば、体幹とは上肢と下肢と頭を除いた部分となります。骨格でいえば、胸郭と脊柱と骨盤の一部ということです。背中には肩甲骨がありますが、これは上肢を司る骨なので除外されます。
運動学で考えると、頚椎は除外するのが妥当。首は可動域が大きいので、頚椎まわりは独自メニューで鍛える必要があるでしょう。その意味では、体幹とは首から下の脊柱と胸郭と骨盤…と定義となります。
一方で、いま流行している体幹トレーニングは、理学療法士が腰痛改善のために行ったものが発端。腹腔にあるゆるんだ筋肉を固めて安定させることで、痛みを取り除こうとしたのが体幹トレーニングにつながりました。
すなわち、ベースとして腰痛対策としての体幹トレーニングがあるなかで、それがアスリートや一般にも広がっていったのが今の状況。このため、体幹とは目的によって指している場所が違ってしまったのです。
そもそも腹腔という部分は、インナーマッスルもアウターマッスルも多く存在しています。それだけに、うまく使えないと怪我やパフォーマンス低下につながってしまうこともあるのです。
そのため体幹を固める腰痛対策のトレーニングがアスリートの間で積極的に行われることになり、それがやがて一般にまで広まったというわけ。とはいえ、現在の体幹トレーニングは、固めるだけでなく連動性などを重視するのがトレンドです。その意味では、体幹とは首から下の脊柱と胸郭と骨盤と理解しておくとよいでしょう。
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