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脂肪細胞はエネルギーを貯め込む悪者のイメージがありますが、じつは自ら脂肪を燃焼させる脂肪細胞も存在します。それが褐色脂肪細胞です。ただし、褐色脂肪細胞の量は個人差があって、努力で増やすことはできません。しかし、同じように脂肪燃焼で熱を作るベージュ脂肪細胞は増やすことのができるのです。
東京大や東北大の研究グループは、寒冷刺激が持続すると脂肪を燃焼させて熱を産生するベージュ脂肪細胞が増えるメカニズムを解明しました。肥満や生活習慣病に対する新規治療法の開発に応用できるものと期待されます。
脂肪細胞には、エネルギーを脂肪として貯める白色脂肪細胞と脂肪の燃焼によって熱を産生する褐色脂肪細胞があります。恒温動物は寒い環境に適応するため、急激に温度が低下すると褐色脂肪細胞で脂肪が燃焼され、熱が産生される仕組みを持っているのです。
ただし、生まれながらに備わっている褐色脂肪細胞はその量を増やすことはできません。一方で、近年はベージュ脂肪細胞と呼ばれる脂肪を燃焼させて熱を産生する細胞の存在が明らかにされています。
褐色脂肪細胞が熱を作り出す筋肉が少ない新生児に多く存在するのに比べ、ベージュ脂肪細胞は寒さに適応するめに新たに作られるもの。今回の研究では、一週間ほどの一定の寒冷刺激によって、脂肪を燃焼し熱を産生するベージュ脂肪細胞を新たに作り出すメカニズムが発表されたわけです。
具体的には、寒冷刺激を受けるとアドレナリン作用によって特定の酵素変化して、脂肪燃焼と熱産生に関わる遺伝子に働きかけて、ベージュ化を誘導。寒冷環境に慢性的に適応する仕組みがあることがわかりました。
これまで、脂肪を燃焼するベージュ脂肪細胞は、有酸素運動よりも筋トレによって増えることが指摘されています。寒冷刺激によっても、脂肪を燃焼するベージュ細胞が同様に増えることが具体的に明らかになったわけです。
研究プレスリリース
http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/pressrelease/2018/20180419release_rcast_ja.html
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