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身長と体重の関係だけでは、肥満かどうかを見抜くことはできません。太って見える柔道選手と、中肉中背の一般人がいるとします。一見すると柔道選手が肥満に見えますが、体脂肪率はそれぞれ20%と30%ということは往々にしてあるもの。体脂肪率30%以上でも太って見えない隠れ肥満に注意しましょう。
ぽっこりお腹など一見して肥満であることが明らかな場合は問題ありませんが、身長と体重の関係が適正範囲内であると、それが肥満であるとはなかなか判別できません。いわゆる隠れ肥満です。
隠れ肥満とは、外見上は太って見えないのに体脂肪率が30%以上である状態をいいます。もっとも多い隠れ肥満は、運動不足によって筋肉が少なく、骨密度も低いにもかかわらず、体重が適正範囲内を維持しているケースです。
とはいえ、脂肪分がまだ皮下脂肪として蓄えられているいつはまだ健全。それが皮下脂肪だけでは蓄積しきれずに、次第に内臓のまわりに溜まるようになると要注意です。さらに、心臓や肝臓に脂肪が付着すると黄信号になります。
体脂肪率30%以上でも太って見えない隠れ肥満で、内臓脂肪が増えるとなぜ危険なのでしょう? 内臓脂肪は遊離脂肪酸となって、腹腔内の血管を通って肝臓に取り込まれます。内臓脂肪が増えると遊離脂肪酸も多くなるのです。
すると、血液中の脂肪分が多くなり、高脂血症をもたらします。高脂血症は脂肪感をもたらし、高血圧と相まって心臓病や脳卒中を引き起こすのです。
また、ないぞうしぼうから出される脂肪が増えすぎると、肝臓でのインスリンの取り込みが悪化。血液中に流れ込むインスリンが多くなって高インスリン症になります。すると、高血圧や糖代謝の悪化をもたらし、それが心臓病や脳卒中、糖尿病などの生活習慣病の原因となるのでした。
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