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東スポWebが『“女優キラー”伊勢谷友介容疑者 高校までは「非モテ」だった!』なるタイトルの記事を配信していた。
早い話が、つい先日に大麻取締法違反の疑いで逮捕された俳優の伊勢谷友介容疑者(44)が、「高校時代は地味で校内でも目立たず、必ずしもモテるというタイプではなかったですよー」みたいなことを、例によって“謎の事情通”の証言をもとに書きちぎった内容である。そして、本記事下にあるヤフコメ欄をつぶさにチェックしてみると、この手の“憶測”を節操なく新聞上、あるいはネット上に撒き散らす東スポの姿勢を批判する、以下のような声が存外に多くて、驚いた。
「掌(てのひら)返したようにバッシングするマスコミが怖い」
「学生時代がどうだったとかって、どうでもよくない?」
「あまりにも信憑性がなさすぎる」
……etc.。なかには、
「東スポは今も昔も変わらず毒にも薬にもならない記事が多すぎる。読む価値がない」
「東スポをはじめほとんどのスポーツ紙は、最初から再生紙にするための新聞だ」
……などと、本気で憤っている御仁もおられた。
そりゃあ、いくら法を犯したとはいえ、高校時代までをほじくり返すのはいかがなものか……とは私も思う。もっとも多かった論調で
しかし、「どうでもよくない?」と、ついツッコミたくなる「毒にも薬にもならない記事」こそが東スポの真骨頂だと私はここで指摘しておきたい。毒になったり薬になった日には、もうその時点で東スポじゃなくなるでしょ……と。
そもそも皆さんは、一体どういった目的で東スポに目を通すのか? 東スポから日経新聞みたいに日本や世界の経済状況を察知したいのか? それとも文春や新潮やフライデーみたいなスクープを期待しているのか?
どっちも違うだろ。そういうインテリジェンスを収集したいなら、それこそ日経新聞や文春やNewsPicksとかを読んでりゃいい。東スポの醍醐味とは、キヨスクやコンビニの棚に丸めて刺さっている新聞一面のうさん臭い見出しに引き寄せられ、つい不覚にも購入してしまい、いざ熟読したら「結局は今日も、どれ一つ断定していないトバシ文句のオンパレードでした…」
と、時間のムダを自嘲する、あのなんとも言えない肩すかし感ではないのか。
そう解釈すれば、今回の「伊勢谷友介は高校時代非モテだった」説は、まだ肩すかし度の面からジャッジすれば、むしろ弱すぎ! 真偽のほどは定かじゃないが、とりあえず最低限の取材はしたっぽさがチョッピリただよっている。まったく取材もせず、記者の妄想のみで、それなりのスペースを埋め尽くした……そんな、心底から毒にも薬にもならない、「マスコミ」という概念からは程遠い「ミニコミ」的な原稿を、少なくとも私は東スポには提供していただきたい。