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新型コロナウィルスの影がまだじわじわと我々を脅かし続けているこのご時世では少々微妙な話題ではあるけれど、今日はカラオケについて書いてみたい。
バイオリニストの高嶋ちさ子(51)が7月7日放送の『華丸大吉&千鳥のテッパンいただきます!』(フジテレビ系)に出演。同番組内の「関係者が暴露! プライベート新事実」なる企画で、高嶋が決めた “カラオケ店での、とある独自のルール”を紹介していた。
なんでも、せっかちな性格を自称する高嶋は、カラオケで友人が歌唱中に、
「OK、OK! だいたいわかった。上手いか下手かなんて、1番を聴けばわかる。のど自慢の鐘みたいなもんよ」
……と「演奏中止」のボタンをとっとと押してしまうらしい。たとえば、大塚愛の『さくらんぼ』だと「あたし さくらんぼ〜♪」の「ぼ」で切る……のだそう。当然のこと、他の共演者たちからは「揉めないですか?」「さびしいですよ」とのお約束的な「ありえへん」リアクションが。しかし、高嶋は「いやいや、『ぼ』までで十分ですよ」と一刀両断のどこ吹く風状態……といった、まあそんなあらましである。
私も一度、見るからに姐御肌な、和田アキ子的 “女帝”が仕切るカラオケに参加したことがある。そしてその姐さんはやはり、選曲にセンスが感じられなかったり、歌唱法が普通すぎたり、逆に歌唱に自己陶酔しすぎていたり、面白くない音痴だったりしたら、「どうもありがとうございました〜!」「ハイ、次!」……と、その人が1番を歌い上げた時点で容赦なくブツッと演奏を途中でぶった切っていた。場合によっては1小節のみで中断されることもあった。
私個人としては、いつになく楽しいカラオケの場だったなぁ……との印象を受けた。そもそも私はカラオケがあまり好きじゃないのかもしれない。他人を前にして歌っていると、いつも「ボクのこんな素人の歌を最後まで聴いていただくなんて、めっそうもない…」みたいな罪悪感に私の弱めなハートは苛まれ、正直言って、素人の他人が歌う曲をフルコーラス最後まで聴くもしんどかったりする。
そういう、私の苦行タイムを、まさに高嶋曰くの「のど自慢の鐘」よろしく、ガンガンとテンポ良く回してくれる “審査員”がキレイサッパリと端折ってくださるのである。じつにありがたいルールではないか。
ところが、この高嶋エピソードを後追いした某記事のヤフコメ欄にざっと目を通せば……なんと! 意外と批判の声が多く届いているのだ。
「じゃあ、他人と行くなよ。上手い下手を披露する場ではなく、気持ちよく歌う場だと思うので」
「自分がやられたら尋常じゃないほどブチ切れそう」
「一緒に参加する人が気の毒だな」
たしかに、その気持ちもわからなくはない。が、ただでさえ最近のJ−POPは一曲が長めなのに、それをのんべんだらりと歌い合うカラオケの会より、一人の “神”がいて、その絶対的存在がお気に召されることを念頭に置きながらの、 “目標のあるカラオケ”もまた一興だと思うのだが……。しかも、 “神”の役割を担うのが「せっかちなプロの音楽家」なら、それはそれで最強なのではなかろうか?