「しゃぶしゃぶは牛肉派？ 豚肉派？」論争に決着！？ 牛肉に固執するのは関西人だけだった？

 

都道府県を自動判別する「日本初」の地域ポータルサイト『Jタウンネット』が、またヤッてくださった！ 持ち前のスキルを活かし『しゃぶしゃぶといえば、牛肉？ 豚肉？』なる、ぜひ前々から決着を付けたかった “素朴な疑問”に対するアンケート調査を、都道府県別で2019年6月23日〜2020年6月29日にかけて行っていた（総得票数は1,004票）。はたして、その結果は……？

 

全体の数字は「牛肉」が56.2％、「豚肉」が43.8％と、牛肉派がやや優勢な様子。ただ、各都道府県の結果を「牛肉派が優勢」「豚肉派が優勢」の二つに塗り分けてみると、日本全国、 “一部の地域”以外は双方とも数字が拮抗しており、北海道・東北・関東・四国・九州では「豚肉」が過半数超え。都道府県別だと、北海道（64.3％）・岩手（100％）・秋田（75％）・群馬（83.3％）・東京（54.5％）・長野（57.1％）・島根（100％）・山口（100％）・高知（100％）・大分（100％）・鹿児島（100％）・沖縄（100％）の12地域（※括弧内は豚肉派の割合）が「豚肉派」となっている。

 

さて、「しゃぶしゃぶは牛肉以外はありえへん！」と強く「牛肉派」を主張する “一部の地域”とは、もうおわかりだろう。近畿と中部、それに中国の3地方である。とくに、近畿地方にいたっては「牛肉」が88％！ 中部地方も「牛肉」が78％……と「豚肉派」を圧倒している。

 

しゃぶしゃぶの起源は諸説あるが、現在に近いかたちの鍋料理となったのは1947年、京都祇園四条の老舗料亭『十二段家』が「牛肉の水炊き」とのメニュー名で “提供”したのがはじまりと言われている。あと、鳥取市にも「牛肉のすすぎ鍋」とのメニュー名で提供されている “しゃぶしゃぶ”があるらしい。

 

ルーツをつくった京都府が所在するから「近畿は牛肉派が強い」のかもしれない。近畿地方（と隣接しているからか、近畿の文化の影響を受けやすい中国地方）には神戸牛や三田牛や近江牛……ほかの、美味しい牛肉に産地がたくさんあるし。中部地方も、あの松阪牛を擁している。そんなこと言ってしまえば東北地方だって前沢牛ほか、さまざまな牛肉の有名産地はあるんだけど……？

 

私がまだ大阪から東京へと上京して2〜3年とまもないころ、もう30年ほど前のことであった。私は当時、懇意にしていた女性の実家に招かれ、晩ご飯をご馳走してもらうことになった。

 

「今日はしゃぶしゃぶだよ」

 

「そうなの！？ うれしい！ そんなご馳走、こっち（東京に）来てから食ったことないよ！ むっちゃ楽しみ〜！！」

 

「独り暮らしなんだし栄養つけなきゃ…だよね〜」

 

……と、彼女の家に向かう途中、そんな甘酸っぱい会話が盛り上がる。

 

ところが！ 彼女宅で用意されていたのは、なんと！！「豚肉のしゃぶしゃぶ」だったのだ。そのときは正直、嫌がらせでもされているのかと思った。裏でお父さんが「なぬう〜っ？ 娘が男を家に連れてくるだ〜！？ そんなヤツには豚でも食わせとけ！」と……。しかし、今から振り返れば、彼女の一家からすれば「豚肉のしゃぶしゃぶ」は、MAXな “おもてなし”だったんだろう。ちなみに、私が「お！ しゃぶしゃぶに豚も案外イケるやん…」と、はじめて気づいたのもこの日。おそらく、最高級の豚肉を、私なんぞのためにわざわざ用意してくださったに違いない……。