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元水泳選手という意外な前職で鍛えた肉体美とキレのあるアクション、そして溢れかえる男らしさと強さで、瞬く間に肉体派スターの仲間入りを果たしたジェイソン・ステイサム。今回は彼の出演作をプレイバック。
■『トランスポーター』[2002年]:無敵の強さを誇る運び屋を演じたステイサムの出世作!
肉体派アクション俳優としてのイメージが強いステイサムは、意外とデビュー当時は割とアクションの比重は低かった。そんなステイサムだが、2001年の『ザ・ワン』、そして翌年公開の本作でアクション俳優として一気にスターダムを駆け上がっていったのである。
トレードマークのスーツを着込み、愛車のBMWでどんなものでも運ぶ凄腕の運び屋フランク・マーティン(ジェイソン・ステイサム)。「時間厳守」「依頼者の名前は聞かない」「依頼品は開けない」がモットーだったが、依頼品が誘拐された少女であることと、極悪人身売買組織の存在に気がついた彼は、組織の壊滅を決心する…というのがストーリー。
手に汗握るカーアクション、そして幾人もの悪漢を華麗な体術でなぎ倒していくステイサムの、破格のアクションが受けシリーズ化された本作。比較的無口で喋るときはクールに決める――本作はそんな“ステイサム流”を確立した一作と言っていいだろう。
■『セルラー』[2005年]:誘拐被害者からの電話を受けた青年が巻き込まれる救出劇
2005年公開のクライムサスペンス『セルラー』。誘拐されてしまった女性が、消えかけそうな電話だけを命綱に、必死に危機を脱しようとする様をスリリングに描いた本作で、ステイサムは悪役を演じているのだ。
科学教師のジェシカは、突如家に押し入ってきた男たちに誘拐・監禁されてしまう。なんとか監禁部屋の電話を発信した彼女は、偶然その電話に出た青年ライアンを唯一の希望に、犯人一味からの決死の脱出を試みる…というのがあらすじ。
ステイサムが演じるのは、誘拐グループのリーダー・イーサン。いつもの無敵感は封印しているものの、「誘拐犯がステイサム」という、科学教師のお姉さんが立ち向かって良い相手じゃない圧倒的な迫力で主人公に迫ってくる。また、割と繊細な表情を見せるステイサムの演技も必見の一作だ。
■『ハミングバード』[2013年]:ホームレス生活を送る孤独な男の復讐劇に男泣き…
アクション一辺倒かと思われがちだが、ステイサムは随所で味わい深い演技を見せる俳優でもある。そんな彼の肉体は力強くも、心は弱り切っている苦み走った演技が楽しめるのが、2013年公開のスリラー映画『ハミングバード』だ。
かつてイラクで特殊部隊の兵士として戦っていたジョゼフ・スミス(ジェイソン・ステイサム)。しかしとある理由で民間人を殺害してしまい、以後逃亡者として、偶然出会った少女イザベルとどん底のホームレス生活を送っていた。その後、裏社会で徐々にのし上がっていくが、離れ離れになったイザベルが売春婦にされたうえ、無残に殺されたことを知り、彼は怒りに燃え復讐を決意する…というのがあらすじ。
いつもの頼り甲斐は抑えめに、人生をミスり、愛と優しさに飢え、あてもなく逃げ続けてきたステイサム=ジョゼフが、自分に優しくしてくれた人たちのために、その身を犠牲にして立ち上がる様は男泣き必至。束の間の幸せを胸に孤独な現代社会に戻っていくラストは、今を生きる我々の心にジン…と染み込む名シーンだ。