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現在では、和食に使用されることもあるオクラですが、その原産地はエジプトやエチオピアなどのアフリカ北東部だと考えられています。なんでも、エジプトでは紀元前から栽培されていたのだとか。
江戸時代末期には、アメリカを経由して日本に入ってきたとされるオクラですが、その独特なぬめりから、一般家庭の食卓にまで普及するようになったのは1970年代になってからだと言われています。それまでは花を観賞するのが主で、食べるようになったのは比較的最近のことなのですね。
オクラはトロロアオイという植物の一種とされています。トロロアオイの根からは、和紙作りに用いられるネリという粘液が抽出できることから別名をネリといい、トロロアオイに似た黄色い花を咲かせるオクラは、アメリカからやってきたネリということで「アメリカネリ」という和名が付けられました。
しかし定着したのは、英語名に由来するオクラ。ちなみに、このオクラという言葉は、西アフリカの現地語が語源というのが定説となっているそうですが、どの国の言語が元になっているのかは、分かっていないそうです。
■「イクラ」:ロシア語で魚卵のこと
一粒ずつにほぐされたサケやマスの卵を表すイクラが、もともとロシア語ということは、ご存じの方も多いかもしれません。ロシア語でイクラは、「魚卵」や「小さく粒々したもの」という意味の言葉です。
1960年ごろまでイクラは、「はらこ」や「ばらこ」、「はららご」などと呼ばれていたようで、それがなぜ、ロシア語のイクラに取って代わられたのか、詳しいところは分かっていません。日露戦争で日本軍の捕虜となったロシア人が伝えたという説や、漁業に関する情報交換のなかで広まったという説がありますが、とにかくロシアの食文化の影響を受けて、サケやマスの卵をイクラと呼ぶようになったのは、間違いないことのようです。
■「ポン酢」:オランダ語から転じて…
オランダ語の「ポンス」が語源とされているのがポン酢。なんでも、オランダではかんきつ類の果汁を使ったカクテルのことをポンスと呼び、食前酒として親しまれていたそうです。
これが江戸時代、長崎の出島から日本国内に伝わる際に、かんきつ類の果汁という意味で使われる言葉となり、それに伴い「ポン酢」という字が当てられるようになったのだとか。
意外な外来語をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。当たり前のように使っている言葉にも、外国との隠れたつながりがあるものです。他にも、外国の言語をルーツに持つ言葉がないか、探してみるのも楽しいかもしれませんね。