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■『ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮』:デンマーク王室を揺るがす魅惑のマッツ
マッツの色気にデンマーク王室が揺るがされていく……と言っても過言ではないほどに彼の魅力が詰まった本作。18世紀後半のデンマーク王室を舞台に、王の唯一の理解者、そして王妃の心すら虜にし、事実上の摂政として成り上がっていく従医の人生を描いているのだ。
2012年公開の本作でマッツが演じる従医・ストルーエンセの色気は、まるで少女漫画や歴史恋愛小説の世界から出てきたような濃厚さ。政略結婚で悲劇に見舞われる10代の王妃の前に現れるマッツの美しさは、同性から見ても強烈なものがある。
18世紀の優雅な衣装に身を包み、栗毛色のポニーテールをなびかせながら王室を翻弄していく彼の演技を見ているうちに、自分もマッツの虜になってしまうような気持ちに陥る本作。ぜひ本作を通して、劇中の王妃の気持ちを疑似体験してみてほしい。
■『偽りなき者』:無実を訴え続ける等身大の男性役――魂の叫びにうち震える
続いては2013年公開の映画『偽りなき者』だ。本作でマッツが演じるのは、真面目な幼稚園の教師ルーカス。彼は友人の娘であり園児のクララに好意を持たれていたが、彼女の贈り物を拒んだことで、彼女が両親に「性的虐待を受けた」とあらぬ告げ口をしてしまう。
デンマークで加速する性的虐待への恐れを鮮烈に描いた本作。子どものちょっとした冗談で、歯止めの効かない破滅に導かれてしまう教師を、マッツが熱演しているのである。
その男前度を活かした役が多いなかで、本作では等身大の一般男性を演じているマッツ。本作のインタビューでは「あまりにも不当な話なので、読んでいて誰か殴ったり、何かを殴ったりしたくなったね」と語った通り、理不尽な偏見に晒される苛烈な内容は必見だ。
■『ポーラー 狙われた暗殺者』:まるで“マッツの満漢全席”なアイドル映画!
最後に紹介するのは、2019年に動画配信サービスの大手、Netflixが配信したオリジナル映画である『ポーラー 狙われた暗殺者』だ。
引退し退職金と年金を受け取る予定だった凄腕暗殺者ダンカンは、かつての雇い主に命を狙われてしまう。その理由は「やっぱり払うの、もったいないので支払い先を消してしまおう」という理不尽なものだった。果たしてダンカンは生き延びることができるのか――というのがあらすじ。
コミック原作の本作は、白髪の激渋眼帯マッツが、女性を抱き、銃を撃ち、セクシーに怪我をし、復讐に闘志を燃やすという、“こんなマッツが見たかった!”というポップでハイテンポな仕上がり。マッツ初心者にもうってつけな、マッツお得パックとも言える快作だ。