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消費者庁がやっと、酵素飲料に対し景表法違反として措置命令。食品中の酵素はタンパク質なので、肉や魚と同じように普通に消化分解されます。飲んでも効きませんよ。https://t.co/DPyljoAnFn
—松永 和紀 (@waki1711) 2018年10月25日
SNSで話題になっている酵素ドリンク。美肌や便秘、ダイエットに効くとして注目されてきましたが、一転して「科学的根拠なし」という流れに衝撃を受けた人も多いかもしれません。果たして本当なのでしょうか? 管理栄養士の平井千里さんに詳しくお話をうかがいました。
「酵素ドリンク」に科学的根拠はありません。
すべての酵素ドリンクに当てはまるわけではありませんが、原材料にはふんだんに野菜を使っているものが多いです。野菜に含まれる食物繊維が便秘解消やダイエットの効果をもたらしていた可能性もあります。
「酵素玄米」「手作り生ジュース」など……酵素を取り入れるためにさまざまな工夫をしたという方もいるかもしれませんが、実はすべて同様に、ダイエットや健康目的としては無意味なのだとか。
そもそも酵素は多種多様にあり、それぞれ変化をさせる物質(炭水化物、タンパク質、糖質など)が決まっています。カギとカギ穴の関係と同じで、ピッタリ合わないと効力がありませんので、形が変わると使い物になりません。
酵素本体は「タンパク質」が主成分。そして「温度」や「pH」の影響を強く受けます。仮に酵素の活性が高い状態で飲用したとしても、一般の酵素ドリンクは中性ですから、酸性の強い胃酸の影響で「変形」し、活動ができなくなってしまいます。
そうなると酵素は単なるタンパク質として消化・吸収されることとなります。
せっかく摂取した酵素は、身体のなかでまったくムダになってしまうのでしょうか……?
まったくのムダというわけではありませんが、必ずしも狙った効果は得られないでしょうね。
もしカラダに効くとしたら「酵素を飲んでいるから便秘が治る」と思い込むことで本当に治ってしまうというような、いわゆる“プラセボ効果”かもしれません。
ふつうにタンパク質を摂るのであれば、高価な酵素ドリンクでなくても、肉や魚などの身近な食材でいいですし、便秘解消やダイエットが目的なら野菜などの食物繊維を摂ればいい、とアドバイスしてくれた平井さん。安易に健康食品に頼るのではなく、日々の食生活と生活習慣を見直すことこそが健康維持への近道といえそうです。