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ジメジメと雨が降り続く梅雨の季節。しかし、ときには晴れて夏本番の陽気になることもあるので、天気予報をチェックすることが多くなるのではないでしょうか。この季節、特に気になるのが降水確率です。出かけるときに傘が必要かどうか、屋外の行事を中止すべきかどうかの判断には欠かせません。
■降水確率の意味をちゃんと答えられる人は意外に少ない!?
でも、「降水確率っていったい何のことですか?」と定義を聞かれたときに、みなさんは何と答えますか?
「明日の降水確率が50%といわれたら、明日1日のうち12時間程度は雨が降る」
「降水確率80%は50%のときよりも強い雨が降る」
「東京都で降水確率50%と予報されたとき、東京都の半分のエリアで雨が降る」
こう考える人も多いのではないでしょうか。しかし、上記の答えは、すべて不正解です。実は、気象庁による「降水確率」の定義とは、下記の通りです。
「予報区内で一定の時間内に降水量にして1mm以上の雨または雪の降る確率(%)の平均値で、0、10、20...100%で表現する(この間は四捨五入する)。降水確率30%とは、30%という予報が100回発表されたとき、その内のおよそ30回は1mm以上の降水があるという意味」
これだとちょっとわかりにくいかもしれません。もう少しかみ砕いて解説すると、
「降水確率30%とは、予報区内で気温や風向き、湿度などの要素が過去のデータと同じ場合、過去は30%の確率で雨が降った」
ということになります。つまり、降水確率はあくまで「確率」を示したもので、強さや降る範囲、時間などは関係ないのです。
なお、降水確率は四捨五入した数字を使っているので、「降水確率0%なら絶対に雨が降らない」というわけではありません。厳密にいうと降水確率5%未満なので、雨が降ることもありえるのです。もちろん、確率としてはとても小さいのですが…。
ちなみに、降水確率の「降水」としてカウントされる雨の量は「1mm以上」とされています。この1mmとはいったいどれくらいの雨の量なのかピンとこない人も多いと思います。1mm以上の雨とは傘を差さないと歩くのがつらいぐらいの雨です。ポツポツと降っている雨や霧雨など、傘を差さなくても歩けそうな雨は、1mm未満の雨ということになります。天気予報で「くもり」と予報されていても、傘がいらない程度の雨が降ることがあります。
■傘を持ち歩く目安は何%?
では、降水確率は何%以上で傘を持ち歩くのが良いのでしょうか。これは、個人的によく聞かれる質問なのですが、私自身は原則として40%以上であれば持ち歩くようにしています。ただし、厳密にいえば、降水確率の数字だけを見て傘を持ち歩くかどうかの判断をするわけではありません。大切なのは、いつ雨が降るかです。気象庁ホームページや天気予報アプリの「時系列予報」をチェックし、外出する時間帯に雨が降りそうなら傘を持ち歩くようにしています。
くもりの予報でも、傘が必要な場合はあります。先ほども説明しましたが、「雨」の予報は1mm以上の雨が降る場合です。ということは、「くもり」という予報でも霧雨やポツポツの雨が降る可能性があります。霧雨であっても、長時間外に出ていれば結構濡れてしまうので、濡れてしまうとシミになる服を着ていたり、パソコンやデジタルカメラなどの電子機器を持ち歩いたりする場合は、傘を持ち歩いたほうが安心です。特に、「くもりのち雨」のように、今後雨が降る予報の場合は、雨の降り始めが早まることもあるので、念のため傘は持ち歩いたほうがよいでしょう。
また、晴れていても突然空が暗くなり、大雨が降ることがあります。特に梅雨の末期や真夏にはこういう雨の降り方が多くなります。突然の大雨は予報が難しいため、時系列予報を見ても雨マークが出ていないことが多いです。しかし、もし天気予報の解説で「大気の状態が不安定です」というフレーズが登場したら、突然の大雨をもたらす雷雲が発生しやすい状況なので、折り畳み傘を用意しておくとよいでしょう。気象庁ホームページの「高解像度降水ナウキャスト」や天気予報アプリの「レーダー画像」などをチェックして、今いる場所やこれから向かう先に雨雲が発生しているかどうかをチェックするとより安心です。
降水確率の意味をきちんと理解し、さまざまな形式の予報を活用すれば、梅雨にありがちな急な雨に困ることも少なくなるのではないでしょうか。