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■彼が好きだったから、言いなりになっていたけど……
女性は彼のことが好きだと、どうしても彼の言うことが絶対だと思ってしまう。
「私も当時は彼の言いなりでした。彼が『君にはジーンズは似合わない』と言えばジーンズをやめ、ロングヘアが好きだといえば一生懸命髪を伸ばした。自分の好きではないことも彼が言えば合わせようと頑張っていたんです。でも2年ほど付き合ってみて、友達にも『あなたらしくない』と言われることが増えた。なにより自分が息苦しくなっていたんですよね。自分でも気づかないうちに彼に嫌われないようにと必死だったんだと思います」
ミカさん(33歳)は5年前の恋愛を振り返ってそう言う。知らず知らずのうちに、彼女は「彼の理想の女性」になろうとしていたのだ。だがふと我に返ったとき、「私は無理をしている」と感じた。
「彼は私を自分の理想にあてはめようとしているだけで、私そのものをきちんと見ているわけではないという疑問が生じたんです。だから彼の嫌いなジーンズをはき、髪もばっさり切りました。それでも彼が私を好きであるなら付き合っていこうと思って。だけど案の定、彼は去っていった。彼が好きなのは、『自分の理想とする型にはまった私』でしかなかった」
悲しいかな、こういうことは多々あるようだ。
■男はこういうもの、女はこういうものという決めつけをしないで!
恋は目の前の相手と一緒に作りあげていくもの。だからこそ、男女ともに「男はこう、女はこう」という決めつけはやめたほうが風通しがいい。
「前の彼は『女って普通、そういうことは言わないんじゃない?』という言葉をよく使っていました。『それはあなたの女性観でしょ。私に押しつけないで』とときどきケンカになって。私が上司と言い争いになったと話したら、『女のくせに』と彼が言ったんですよね。それが決定的な別れの原因になりました」(マリさん・33歳)
女だろうが男だろうが、自分が仕事上で正しいと思ったときは言い争いの1つもするはず。それを「女のくせに」と言われたら腹が立つのは当然だ。
「男の不用意なこういう発言が女性を傷つけることを、もう少し考えてくれたら別れなくて済んだのにな……と思います」(マリさん)
■個人と個人の関係を大切に
付き合っている関係なら、何を言っても大丈夫だという安心感があるかもしれない。だが、不用意なひと言が相手を傷つけているかもしれないと常に思っていたほうがいい。
「今の言葉は傷ついたと彼女が言ってくれれば、こちらも対処のしようがありますよね。僕も以前、笑いをとろうとした言葉で彼女が急に暗い表情になったことがあるんです。一般的な女性蔑視の言葉ではなかったんだけど、よく聞いたら、彼女はそのことで昔いじめられたことがあるという。何気ないひと言が相手を傷つけるのだとよくわかって反省しましたね」
タカシさん(37歳)はそう話してくれた。彼の場合、その経験がより彼女への関心を生み、常によく話し合うようになったそうだ。
不用意なひと言は男女問わず、ついつい口にしてしまいがち。だからこそ、大事な人を思うなら、相手の反応に敏感になるべきなのではないだろうか。