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(2)「音」と「掃除」について
(3)自分の家族との相性
まずは(1)。この「ライフスタイル」の部分を「性格」だとか「フィーリング」だとか「価値観」だとかの、ぼんやりとした掴みどころのないワードで “お茶を濁す”恋愛および結婚指南は、星の数ほど実在する。しかし、「ライフスタイル」というもう少々限定的で輪郭が(やや)ハッキリとした概念を持ってきているところに、キメ細やかな思慮を感じ取ることができる。そう! 「性格」「フィーリング」「価値観」……それに「趣味」などのズレはわりとどうでもいい。大切なのは「仕事とプライベートを総合したうえでの生活習慣」なのだ。
ただ、昨今では「ライフスタイルが合うかどうか」について(きちんと)言及している婚活系マニュアルもぼちぼちと散見されるようになってきた。が、(2)の「音」と「掃除」は、この手のメディアが使用するワードとしては相当に目新しい。
とくに「音」。少なくとも私にとっては、完全にノーマークな項目であった。けれど、こうあらためて特定されたら、たしかに案外重要なのではないか……と、気付かされた。たとえば、不眠症の傾向がある人にとって、パートナーが夜中にトイレに行ったり夜ふかししているときに立てる無神経な騒音は、めっぽうストレスになるらしい。実際、私も何度か「うるさい!」と、叱られたことがある。そういった日々の何気ない所作にどこまでデリケートを貫けるかは、なるほど長い結婚生活においてはチェックすべき「ポイント」なのかもしれない。
「掃除」も、「やりたいほうがやればいいじゃん」と軽視されがちだが、これはとどのつまりが「不潔への耐性」の度合いを暗に示唆しているのではないか? 潔癖症の人は、絶対に清掃・整理整頓にガサツな人とは “同居”できないし、逆もまた然り。ここは、結婚前に必ずシカトせずに向き合わねばならない先天的(=おたがいが簡単に修正できない)要素だと、私も考える。
最後の「自分の家族との相性」。これに関しては、比較的しっかりとしたメディアには、すでにけっこうな頻度で書かれている。だからといって「あえて外す」必要はまったくない。気を衒(てら)うばかりが能じゃない。どんなに “定番”であれ、指摘すべきことは確実に指摘しながら、なおかつ従来のメディアが書き漏らしている “斜め目線”の洞察を混在させてこそ、真の「いいマニュアル」が完成するのである。
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