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ロワール川とシェール川に挟まれたトゥールは、パリのモンパルナス駅から約1時間半でアクセスできる街です。徒歩で回れるくらい街自体はあまり大きくないものの、ルイ11世の時代にフランスの首都となっていた歴史があり、15世紀の面影が残る旧市街は散策にピッタリ。 「サン・ガシアン大聖堂」や「トゥール城」などの歴史的な建造物もあり、フランスの歴史を肌で感じられる 街です。
また、現在のトゥールはロワール川流域に点在する古城観光の起点として多くの観光客で賑わう街でもあります。特に、 定期的に行われるガイド付きのミニバスツアーは、1日に複数の城を訪れられるので効率が良く、城についても詳しく説明してもらえる人気のツアー です。
観光においては古城巡りがメインになるかと思いますが、余裕があれば木組みの家が軒を連ねる旧市街の散策も楽しんでみてください。
https://www.veltra.com/jp/europe/france/ctg/7909:7909/?sid=1554
ディズニー映画の実写版『美女と野獣』に登場する城のモデルとなったのが、シャンボール城(Château de Chambord)です。1519年に王であるフランソワ1世の命によりソローニュの湿地帯の中心に建造されはじめ、完成したのはルイ14世の治世に入った17世紀。現在では 32kmの外周壁の中に菜園やブドウ園、自然公園も内包した、バリと同等の約5,460haの敷地面積を誇るロワール川流域最大規模の古城 です。
シャンボール城はイタリア建築の影響を受けており、独特なルネサンス様式で建てられています。なかでも、 天守中央に掛けられている二重らせん階段は、天才博学者レオナルド・ダ・ヴィンチの発想を取り入れたユニークなスポット 。二人の人間が向かい合った階段を同時に使うと、窓の隙間からお互いの姿は見えるのに一度もすれ違わないことに驚かされる不思議な階段です。階段を上った先の屋上テラスからは精巧かつ繊細な装飾や数々の塔が間近に見学でき、広大な敷地も見渡せます。
シュノンソー城(Château de Chenonceau)は、その美しい佇まいからロワール川流域の古城の中でも高い人気を誇ります。 ロワール川の支流であるシェール川に橋をかけるように白い城館が建てられており、羽休め中の白鳥に例えられるほど優美な佇まいを見せてくれます。
シュノンソー城は6人の女性が城主を務めた珍しい城です。城の歴史を語る上では、2番目の城主ディアーヌ・ド・ポワティエと3番目の城主となるカトリーヌ・ド・メディシスの話が欠かせません。時の王アンリ2世はシュノンソー城を愛人のディアーヌに贈ったのですが、アンリ2世の死を機に正妻のカトリーヌが強引に追い出したのです。 美しい佇まいとは裏腹に、シュノンソー城は女の戦いの舞台 だったのです。
ディアーヌとカトリーヌの名は、城を囲む2つの庭園にもつけられています。城内に展示されている素晴らしいコレクションを鑑賞した後はぜひ2つの庭園にも訪れて、その雰囲気の違いを比べてみてください。
https://www.chenonceau.com/en/
アンボワーズ城(Château Royal d'Amboise)は、ロワール川を見下ろせる高台に建てられた古城。元々アンボワーズの地は紀元前の時代から要塞が築かれていましたが、15世紀末にシャルル7世の手に渡ったことで歴代の王に愛される王家の居城として増改築が繰り返されてきました。
長い歴史の中で現在の姿の起原となったのは、15世紀のシャルル8世による大改築です。イタリアから画家や建築家、造園家などが呼び寄せられ、要塞だった城は豪華な宮殿に変えられていきました。 現在では、ルネサンス様式で建てられた城とゴシック様式の家具調度品、イタリア様式の庭園が楽しめます。 また、肖像画や家具を当時そのままに フランス最後の国王ルイ・フィリップの寝室 も必見ポイントです。
また、城壁に建てられた サン・テュベール礼拝堂 も訪れてみてください。ロワール渓谷特有の石に施された豪華な装飾と美しいステンドグラスの窓のほかに、この地で亡くなった レオナルド・ダ・ヴィンチの墓 が見学できます。
https://www.chateau-amboise.com/en/
アンボワーズ城と一緒に訪れたいのが、側に建っているクロ・リュセ城(Château du Clos Lucé)です。赤茶色と白のレンガのコントラストが印象的な城で、 かつてレオナルド・ダ・ヴィンチが1519年に亡くなるまでの約3年を過ごしていた ことで知られています。
画家や建築家、発明家など、様々な分野において天才的に秀でていたダ・ヴィンチ。現在のクロ・リュセ城では、 ダ・ヴィンチの仕事部屋 やアンボワーズ城と繋がっていた 地下道 などが見学でき、彼の暮らしぶりが伺えます。窓からアンボワーズ城が見える ダ・ヴィンチが息を引き取った寝室 も必見です。敷地はレオナルド・ダ・ヴィンチ・パークとして整備されており、 彼のスケッチを元に再現された大砲やプロペラ機などが野外体験できる ようになっています。
老若男女問わずダ・ヴィンチに詳しくない方でも楽しめる観光スポットです。
ユッセ城(Château d'Ussé)は、ロワール川と支流のアンドル川のほとりに建つ優美な古城。建造当初は要塞でしたが、15世紀から16世紀にかけての増改築により ゴシック様式やルネサンス様式などが入り交じる白亜の美しい城 となり、多くの人々を魅了し続けています。
背後に森が広がっているユッセ城は、 17世紀のフランスの童話作家シャルル・ペローが『眠れる森の美女』のインスピレーションを得た城 でもあります。そのため、城内の一部は物語の世界観を蝋人形で再現した展示が見学でき、ロワール流域の古城の中でもファンタジー色が強いと言えるでしょう。それ以外にも、 東洋の雰囲気が漂う警備室 や ヴェルサイユ宮殿の庭園を造影したル・ノートルによるフランス式庭園 など、絵のように美しい光景に出会えます。
https://www.chateaudusse.fr/?lang=en
ロワール川流域に点在する古城巡りは、パリからも日帰りで周るツアーも出ていますが、より多くの城をじっくりと見学するならトゥールを宿泊拠点にするのがおすすめです。公共交通機関でアクセスしにくい場所もトゥール発着のツアーで対応できます。
ぜひこの記事を参考に、ロワール川流域の古城巡りを楽しんでみてください。
出典・参考
余暇プランナー
1987年生まれの和歌山県在住のフリーライター、C.Wakisakaと申します。季節の風景・歴史・スイーツが好きで、カメラを持ってよくおでかけしています。関西を中心に一人旅や家族で日帰り旅行をするのが大抵ですが、時には夜行バスを使っての東京への弾丸日帰り旅行も。海外旅行はマカオ・パリ・南ドイツ周遊の経験があり、特にドラクエの雰囲気やメルヘンらしさを感じられるドイツを愛しています。「行ってみたい!」と思える情報を発信できればと思っています。
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