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オーストリアのほぼ中心に位置する 「ザルツブルク(Salzburg)」は、中世やバロック様式の建物が建ち並ぶ美しい街並みが残る都市。 古くから周囲で産出される塩の取引により繁栄してきたことから、「塩の城」という意味を持つ都市名がつけられたといわれています。
東西で二分するようにザルツァッハ川が流れるザルツブルクは 右岸の新市街 と 左岸の旧市街 で大別でき、観光スポットの多くが集中しているのは旧市街です。特に、 「モーツァルトの生家」があるゲトライデガッセの通り沿い は、隙間なくお店が並んでいることも相まって一際賑わっています。歴史的にも大きな役割を担ってきたことが評価され、新市街と旧市街の両方が1996年にユネスコの世界遺産に登録されました。
ザルツブルクへのアクセスは、ミュンヘンとウィーンのどちらかを経由するのが一般的 です。鉄道を利用する場合、ミュンヘンからは1時間半から2時間程度、ウィーンからは約2時間25分が目安となります。街の西にはザルツブルク空港があるため、飛行機を乗り継いで直接向かうのも良いでしょう。空港から街の中心部へはバスが結ばれており、20分程度でアクセスできます。
ザルツブルクのランドマーク的な存在である 「ホーエンザルツブルク城(Festung Hohensalzburg)」は、街を見下ろせるメンヒスベルクの丘の上に建つ城塞 。旧市街の中心部から丘の頂上までは歩いて約40分かかりますが、10分ごとに運行されているケーブルカーを使えば1分で到着します。
ホーエンザルツブルク城が築かれ始めたのは、1077年の神聖ローマ皇帝とローマ教皇の叙任権闘争の最中。その後も歴代の領主によって絶えず増改築が繰り返され、1500年頃の集中的な建設工事により現在の姿が完成したとされています。
観光のハイライトとなるのは、 3階にあるゴシック様式の豪華な内装が施された3つの部屋 と、 パノラマツアーで訪れる塔 でしょう。特に塔の展望台から眺めはザルツブルク内でも随一なので、ぜひ写真に残しておきましょう。
https://www.salzburg-burgen.at/en/hohensalzburg-castle/
ザルツブルクは映画『サウンド・オブ・ミュージック』の舞台としても有名で、「ノンベルク修道院(Stift Nonnberg)」はロケ地の一つ。ホーエンザルツブルク城の東側、崖の中腹あたりにあるため 登り坂が苦手な方は城から歩いていくのがおすすめ です。
旧市街の外れに位置するノンベルク修道院はドイツ語圏で最も古い修道院で、内部は非公開となっています。しかし、 実際に映画の撮影で使われたのは修道院の外観と墓地であり、付属の教会も含めたこれらの場所の見学は可能 です。小ぢんまりとした教会ですが、キリストの受難が描かれた主祭壇はとても豪華で見応えがあります。
少しアクセスがややこしいですが、静かに『サウンド・オブ・ミュージック』の世界観に触れられるので、ファンの方はぜひ訪れてみてください。
https://www.salzburg.info/en/sights/churches-cemeteries/stift-nonnberg
旧市街には教会がいくつかありますが、ヨーロッパ有数の美しさを誇る「ザルツブルク大聖堂(Dom zu Salzburg)」は必ず訪れてほしいスポット。 モーツァルトが洗礼を受け、同じくザルツブルク出身の著名な指揮者カラヤンの葬儀が行われた場所 でもあるので、音楽ファンは必見ですよ。
創建は774年と古く、長い歴史の中で焼失や増改築が繰り返されバロック様式の現在の姿となったのは17世紀。 白を基調とした内装は荘厳 の一言に尽き、 巨大な丸天井から光が降りそそぐ主祭壇 は神聖な雰囲気も漂います。また、 内部にある5つのパイプオルガンのうち南東にあるものに注目。 モーツァルトは主にこの場所のオルガンを演奏していたとされ、当時と同じように演奏できるよう復元されているので、ぜひモーツァルト時代の楽器の姿を確認してみてください。
https://www.salzburg.info/en/sights/churches-cemeteries/salzburger-cathedral
新市街にある「ミラベル宮殿(Schloss Mirabell)」は、『サウンド・オブ・ミュージック』の撮影場所として特に有名な大人気スポット。 現在は市庁舎として使われ、庭園と内部の一部の部屋が無料で見学できます。
元々宮殿は1606年当時の大司教ヴォルト・ディートリヒが愛人サロメ・アルトのために建てたものでした。しかし1818年の火災により大部分が焼失し、唯一残ったのが見どころでもある 「大理石の間」 です。大理石の間では、かつてモーツァルトが演奏を行ったことから現在も定期的に演奏会が開かれています。
『サウンド・オブ・ミュージック』のファンは、 庭園にある「ペガサスの泉」 も必見です。劇中でマリアと子どもたちが「ドレミの歌」を歌っていた場所なので、ホーエンザルツブルク城を望む庭園の眺めとともにチェックしてみてください。
https://www.salzburg.info/en/sights/top10/mirabell-palace-gardens
ザルツブルクが世界に誇る音楽家モーツァルトは、旧市街にある現在「モーツァルトの生家(Mozarts Geburtshaus)」と呼ばれる黄色い建物の4階で生まれました。 新市街にあるのは「モーツァルトの家」という、17歳の時に引っ越してきた時の建物なので、間違えないよう注意しましょう。
生家は現在 2階~4階を博物館として内部を公開 しており、 モーツァルトの人柄や人生を学べるスポット となっています。「出生の部屋」からスタートする展示スペースに並べられているのは、幼少期に使っていたバイオリンをはじめ、自筆の楽譜、肖像画など、どれも貴重な品々ばかり。世界中からクラシックファンが訪れる人気の博物館です。
https://mozarteum.at/en/home#info
ザルツブルクでは、クラシック音楽のコンサートが年中至るところで行われています。城や宮殿といった観光名所で開かれるコンサートに参加すれば、より一層その魅力が目と耳の両方から伝わってくるでしょう。
ぜひザルツブルクに一度足を運んで、観光スポット巡りや音楽鑑賞を楽しんでみてください。
出典・参考
余暇プランナー
1987年生まれの和歌山県在住のフリーライター、C.Wakisakaと申します。季節の風景・歴史・スイーツが好きで、カメラを持ってよくおでかけしています。関西を中心に一人旅や家族で日帰り旅行をするのが大抵ですが、時には夜行バスを使っての東京への弾丸日帰り旅行も。海外旅行はマカオ・パリ・南ドイツ周遊の経験があり、特にドラクエの雰囲気やメルヘンらしさを感じられるドイツを愛しています。「行ってみたい!」と思える情報を発信できればと思っています。
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