京都大学のほど近く、吉田山に建つ吉田神社は古くから厄除け開運の神社として広く信仰されています。また、全国から50万人もの参拝客が押し寄せる節分祭は、京都でもトップクラスの人気を誇る節分行事です。

吉田神社のすごさはそれだけではありません。この神社をお参りすれば、全国のあらゆる神社を参拝したのと同じくらいのご利益が授かるといわれるとんでもないパワースポットなのです。

今回は、吉田神社の見どころとともに吉田山にある素敵なカフェもご紹介します。

吉田神社の由緒

吉田神社の創建は、貞観(じょうがん)元年(859年)です。平安京の守護神として神楽岡(かぐらおか)と呼ばれていた吉田山に建てられました。

歴史

貞観元年に中納言 藤原山蔭(やまかげ)が、 奈良の春日大社4柱の神を勧請(かんじょう:呼び寄せること)して吉田山にお祀りしたのが吉田神社の始まり とされています。

吉田神社は藤原氏の守り神として山蔭が創建しましたが、吉田山は京都御所から見ると鬼門(きもん:東北の位置)にあたることから、 都の守護をするという役目 も持っていました。

本宮とご祭神

本宮は、4柱のご祭神をそれぞれお祀りしている4つの社からなっています。本宮に向かって右から

  • 第一殿:建御賀豆命(たけみかづちのみこと)
  • 第二殿:伊波比主命(いはいぬしのみこと)
  • 第三殿:天之子八根命(あめのこやねのみこと)
  • 第四殿:比売神(ひめがみ)

がお祀りされています。

建御賀豆命と伊波比主命は、さまざまな災難から逃れて幸福を勝ち取る厄除け・開運の神様です。天之子八根命は思慮深い学問の神様で、比売神とあわせて夫婦神であることから、縁結び・夫婦和合のご神徳(しんとく:ご利益)もあります。

神楽岡と呼ばれる所以

吉田山はいにしえより神々が集まり、神楽を奏でて舞い踊った聖地であったそうです。そこから神楽岡(神々が集う岡)と呼ばれるようになりました。山全体が聖地である吉田神社は、多くの摂社や末社が吉田山に建てられているとても規模の大きい神社です。

吉田神社の見どころ

吉田神社の境内はとても広く、すべての摂社・末社をお参りするには2時間近くかかります。また、吉田山のあちこちにお社があるので、参拝はちょっとしたハイキングのようです。歩きやすい靴と動きやすくて調節しやすい服装、そして水分補給や休憩を取りながらお参りしてくださいね。

大元宮には全国の神様が集まっている?

本宮の次にお参りしたいのは、斎場所大元宮(さいじょうしょだいげんぐう)です。吉田神道の総本社とされている社で、 八角形という珍しい社殿 となっています。

ご祭神は、天神地祇八百萬神(あまつかみくにつかみやおよろづのかみ)です。宇宙の根源の神である虚無大元尊神(そらなきおおもとみことかみ)から生まれた八百万の神(全国のあらゆる神々)がお祀りされていますので、 大元宮にお参りすることで、全国すべての神社をお参りしただけのご神徳がある というのです。

規模が大きすぎて想像がつきませんが、とにかくすごいパワーのあるお社。ただ残念ながら通常は内部の拝観はできません。大元宮の本殿や周囲の神社にお参りできるのは、正月三が日と毎月1日だけです。

お菓子の神様・菓祖神社(かそじんじゃ)

菓祖神社の建立は比較的最近で、昭和32年(1957年)のことです。ご祭神は果物の祖とされる橘(たちばな)を日本に持ち帰ったと伝わる 田道間守命(たぢまもりのみこと) と、日本で初めてお饅頭を作ったとされる 林常因命(はやしじょういんのみこと) です。

神社の周囲にある石造りの玉垣には、京都を代表する菓子の名店の名前がずらっと並んでいます。無性にお菓子が食べたくなるかもしれませんよ。

山蔭神社(やまかげじんじゃ)

吉田神社を創建した藤原山蔭がご祭神となっているのが山蔭神社です。山蔭は日本で初めてあらゆる食べ物を調理し調味した人物といわれ、古来より 「包丁の神・料理飲食の祖神」 として飲食業界から広く信仰されています。

毎年例祭が行われる5月8日には、手を使わずに包丁と菜箸だけで魚を捌くという 「生間流(いかまりゅう)式包丁」の奉納 が行われます。

四季を通じて楽しめる・竹中稲荷社

本宮から最も離れたところにある竹中稲荷社。吉田神社の末社ではありながら広い境内を持ち、舞殿や稲荷神をお祀りする社なども多いのが特徴です。

竹中稲荷社からは大文字を見ることができ、 8月16日の大文字送り火鑑賞の穴場スポット になっています。また、 春の桜、初夏の青紅葉、秋の紅葉 も美しいので、人込みを避けてゆっくりと景色を楽しむにはおすすめの場所です。

そのほかの摂社・末社

ここまで紹介した以外の吉田神社の摂社・末社は以下のとおりです。

若宮社(摂社)

天之子八根命と比売命の御子・天忍雲根命(あめのおしくもねのみこと)がお祀りされています。水徳の神としてのご神徳があります。

神楽岡社(摂社)

ご祭神は、大雷神(おおいかづちのかみ)・大山祇神(おおやまづみのかみ)・高龗神(たかおかみのかみ)です。雷除け・水を司る三柱の神です。

神龍社(末社)

大元宮の創始者で吉田神道を大成した吉田兼倶:卜部兼倶(うらべかねとも)がご祭神です。

天満宮社(末社)

菅原道真をお祀りしている学業成就の神様です。

三社社(末社)

海の神である多紀理毘売命(たぎりひめのみこと)・狭依毘売命(さよりひめのみこと)・多岐津毘売命(たきつひめのみこと)と、山の神である金山毘古命(かなやまひこのみこと)・金山毘売命(かなやまひめのみこと)そして学問の神の菅原神(すがわらのかみ)をお祀りしています。

今宮社(末社)

大己貴命(おおなむちのかみ)・大雷神・建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)がご祭神で、古くから木瓜大明神(ぼけだいみょうじん)と呼ばれる 吉田町の産土神(うぶすながみ:その土地を守る神様) です。

京都屈指の人気!吉田神社の節分祭

吉田神社が一年で最も賑わうのは、2月の節分祭。その日は参道に露店が並び、京都のみならず全国からの参拝者で境内が埋まります。

節分祭の日程

節分祭は、節分を挟んで3日間にわたり催行されます。

2月2日

  • 節分前日祭
  • 疫神祭
  • 追儺式(ついなしき):鬼やらい神事

2月3日

  • 節分当日祭
  • 火炉祭(かろさい)

2月4日

  • 節分後日祭

3日間通して大元宮内院特別参拝

節分前日の追儺式:鬼やらい とは、 鬼を追い払い、人々の不幸を取り除き、降伏と平和を願う行事 です。黄金で四つ目の仮面をかぶり、矛と盾を持った方相氏(ほうそうし:鬼を払うための神様)が、赤・青・黄の鬼たちを追い払います。勇壮でありながら時に滑稽でもある楽しい行事です。

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豪華賞品が当たる抽選会!

節分祭の人気のすごさには、協賛会社の協力による抽選券付厄除け福豆の影響もあります。当選する商品には、なんと車や旅行券10万円分という豪華なものまで!

運が良ければ、大きな福がいただけるかもしれません。

節分祭期間中の吉田神社は大変混雑しますので、時間と気持ちに余裕をもってご参拝くださいね。

吉田神社の基本情報

  • 住所:京都市左京区吉田神楽岡町30
  • 社務所受付時間:9:00~17:00
  • 境内拝観自由
  • アクセス:最寄り駅 京阪本線「出町柳」駅 徒歩約20分/バス最寄り駅「京大正門前」

https://www.yoshidajinja.com/index.html

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参拝後はおしゃれなカフェでホッと一息

森を眺めながらゆっくりと過ごせる、とっておきのステキなカフェを紹介します。吉田山山頂にあるレトロな雰囲気の隠れ家的カフェは、地元でも人気の癒しスポットです。吉田神社参拝のお帰りにはぜひ立ち寄ってみてください。

茂庵

茂庵(もあん)は、大正時代に建てられた京都市の登録有形文化財です。カフェまでは徒歩のみとなりますが、ルートが少しわかりにくいので、公式サイトで確認していただいた方が良いでしょう。

周りの樹々を眺めながら、ゆったりとお茶を飲んだり本を読んだりしている方もいる、とても大人で素敵な空間がです。

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  • 営業時間:12:00~17:00(ラストオーダー16:30)
  • 定休日:月・火(祝日の場合は営業)

カフェは予約優先となっています。お出かけの予定が決まっている場合は、公式サイトから予約することをおすすめします。

https://www.mo-an.com/

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出典・参考

  • 京都府神社庁「吉田神社」
  • 京都の寺社505を歩く 槙野修著 山折哲雄監修 PHP研究所 2007年
  • 京都散策 お寺・神社編 ユニオン文庫 2005年

藤花

余暇プランナー

京都の歴史や文化、町並みをこよなく愛する副業ライターです。 普段は夫と共に弁当宅配店を運営し、お勤めの方にランチをお届けしています。 趣味は読書、映画鑑賞、御朱印集めです。 京都在住と歴史(特に幕末・新選組)好きという強みを生かして、ひと味違った京都の表情や素敵なスポットの情報をお届けしたいと思っています。 ちなみに京都検定2級取得済み、難関の1級はまだまだ先になりそうです。

【京都】最強のパワースポット!吉田神社の由緒や見どころを徹底解剖

情報提供元: YOKKA
記事名:「 【京都】最強のパワースポット!吉田神社の由緒や見どころを徹底解剖