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アリカンテは、スペイン東部のバレンシア州にあります。バレンシアとムルシアの間にある湾岸都市で、夏の気温は平均して30度前後。過ごしやすい気候であることから、観光目的で訪れる外国人がとても多いです。また、近年は外国人が多く移住していて、住人の約15%程を占めています。外国人の大半がヨーロッパとラテンアメリカ出身で、アジア人は少ないです。私が住んでいた頃は、大通りで日本語が聞こえてきたり、大学内で日本人学生に会うことは一度もありませんでした。
日本から行く場合は直行便が無いので、マドリードから国内線に乗り換えたり、電車で行くのが一般的です。長距離バスやレンタカーの手段もありますが、片道5時間ぐらいはかかります。
アリカンテの一番有名な観光スポットと言えば、この「サンタ・バルバラ城(Castillo de Santa Bárbara)」。小高い山の上にあるお城で、9世紀頃にムーア(Moor)人達によって建てられました。ムーア人とは中世時代、イベリア半島や北アフリカのイスラム教徒達で、ヨーロッパではキリスト教徒達と区別して呼んでいました。
ムーア人達は、711年から長い間スペインやポルトガルを含めたイベリア半島を征服していました。そして、彼らは、自分達の文化や伝統をイベリア半島に広めていきました。そのため、今でもスペイン国内には、イスラム風デザインの建物や遺跡がたくさん残っています。
現在のサンタ・バルバラ城には、歴史的スポットとして遺跡が展示されています。また、展望台にもなっているため、ここから町の景色や海を眺めることができます。夜になるときれいにライトアップされるため、また日中とは違った風景が広がります。
https://castillodesantabarbara.com/en
アリカンテの代表的なビーチでもある、「プラヤ・デル・ポスティゲット(Playa del Postiguet)」。市内の中心部にも近く、長く続く海岸沿いからはサンタ・バルバラ城が見えます。
市内で観光客が多く集まるところと言えば、「エクスプラナダ・デ・エスパーニャ(Explanada de Espana)」。おしゃれなタイルが敷きつめられた遊歩道で、レストランやお店が立ち並びます。
「アロス・ア・バンダ(Arroz a banda)」は、アリカンテが発祥とも言われている料理です。主にバレンシア地方の海岸沿いエリアで食べられていて、地元では「漁師のご飯」とも呼ばれています。元々は漁師さんが限られた魚介類を使ってお腹いっぱい食べれるようにと生まれたレシピなのですが、味は絶品です。日本でも同じことが言えると思いますが、漁師さんは魚介類を知り尽くしたプロなので、シンプルな調理法ながらも美味く食べる方法を知っています。
アロス・ア・バンダはバレンシア地方の「パエリア(Paella)」にも似ていますが、入れる食材や調理方法に少し違いがあります。でも、どちらも美味しいお米を使った料理なので、ぜひ本場の味を食べてみてはいかがでしょうか?
みなさんは、「トゥロン(Turrón)」を食べたことがありますか?ヨーロッパのヌガー菓子の一種で、主にスペイン、ポルトガル、イタリア等で食べられています。スペインでは、一般的にクリスマスシーズンに食べるお菓子として知られていますが、最近は季節に関係なく食べる人もいます。
私がアリカンテにいた頃、スーパーには箱入りのトゥロンが売っていました。そのため、私は時々、アパートで同居していたスペイン人のルームメイト達と一緒に買って食べてました。当時、私達がよく食べていたのは、「エル・ロボ(El Lobo)」と「1880」いうブランド。トゥロンはスーパー以外に、専門店でも買うことができます。
トゥロンは、アーモンド、ハチミツ、砂糖、卵白から作られています。よく知られているのが、トゥロン・ドゥロ(Turrón Duro)とトゥロン・ブランド(Turrón Blando)。トゥロン・ドゥロは別名「トゥロン・デ・アリカンテ(Turrón de Alicante)」、トゥロン・ブランドは別名「トゥロン・デ・ヒホナ(Turrón de Jijona)」と呼ばれています。スペイン語のDuroの意味は硬い、Blandoは柔らかいという意味です。その他にも、トゥロン・デ・ジェマ (Turron de Yema)やトゥロン・デ・チョコラテ(Turrón de chocolate)等、種類も色々あります。
トゥロンのレシピは16世紀頃から存在したと言われていますが、実際にはそれよりもっと前から食べられていたという説もあります。このトゥロンというお菓子ですが、元々はムーア人達が昔、アリカンテ県のヒホナ(Jijona:スペイン語/Xixona:バレンシア語)の町にたくさん住んでいて、彼らが食べていたお菓子の1つでした。そのような歴史があることから、今でもアリカンテエリアには、トゥロンを製造する工場や歴史が学べるミュージアムがあります。
「トゥロン博物館(Museo del Turrón)」は、アリカンテの町の中心部から約24キロ程離れたところにあります。ここでは、トゥロンの歴史や製造方法等が展示されています。
https://museodelturron.com/web/en/
私が今でも忘れられないスイーツと言えば、冬に食べたチュロスとホットチョコレート。表面がカリカリに揚げられた熱々のチュロスを、濃厚なホットチョコレートソースに付けて食べます。私が食べた日がアリカンテでは珍しく寒かったため、とっても美味しく感じたのはもちろん、食べた後は体がポカポカになりました。
今回は、スペインのアリカンテについて紹介してみました。アリカンテには、マドリードやバルセロナといった都市とはまた違う魅力があります。みなさんも、今度アリカンテの街を訪れてみませんか?訪れた際には、「アロス・ア・バンダ」と「トゥロン」を食べることを忘れないでくださいね♪
https://www.veltra.com/jp/europe/spain/?sid=1554
余暇プランナー
アメリカ合衆国・フロリダ在住の日本語講師兼フリーライター。学生の頃から旅行が好きで、国内はもちろん、海外は25か国以上の国に行きました。渡米後の最初の3年間は、現地レストランでの勤務やツアーガイドを経験。その後は日本語講師になり、多国籍の人達と接してきました。最近ハマッていることは、ペスカタリアン料理めぐり。10年以上前から、ペスカタリアンの食生活を送っています。
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