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鶏肉のパッケージに記載されている消費期限。
「1日くらいなら過ぎても大丈夫かな?」と考えそうになりますが、本当に食べても大丈夫なのでしょうか?
今回の記事では「鶏肉の消費期限」や「期限切れの鶏肉を食べたときの影響や対処法」について、管理栄養士が解説します。
鶏肉に記載されている消費期限を過ぎたときは、食べるのを避けましょう。
理由は、鶏肉に記載されている期限は劣化の早い「消費期限」であるからです。
消費期限は過ぎたら食べない方がよい期限であり、過ぎても食べられる「賞味期限」とは違います。
消費期限を過ぎた鶏肉は、食あたりや腐敗の心配があるため、食べないようにしましょう。
消費期限の過ぎた鶏肉をチェックしてみて、見た目やにおいが大丈夫な場合は「食べても大丈夫かも」と思うかもしれませんが、やはりNGです。
これは、見た目やにおいに変化がなくても、食中毒菌が増殖している場合があるからです。
腐敗菌は増殖すると見た目やにおいに変化を与えますが、食中毒菌は増殖していても見た目やにおいではわかりません。
特に鶏肉によるカンピロバクター食中毒は「ギラン・バレー症候群」という怖い合併症を起こすことがあるので、注意が必要です。
見た目やにおいで判断せず、消費期限を過ぎたら食べないようにしましょう。
ギラン・バレー症候群については、のちほど詳しく解説します。
消費期限を過ぎた鶏肉は食べない方がよいのですが、日数によって見た目がどのように変化するのか、知っておきましょう。
1~2日消費期限を過ぎた鶏肉は、見た目やにおいに変化がみられないかもしれません。
まだ食べられるかもと思うかもしれませんが、先ほど伝えたとおり、食中毒菌が増殖している恐れがあるため、食べるのは控えましょう。
3~5日消費期限が過ぎた鶏肉は、見た目やにおいに変化がみられるようになってきます。
ドリップ(鶏肉から出る赤い液体)が出てきたり、弾力がなくなったり、臭みを感じたりします。
絶対に食べないようにしましょう。
1週間消費期限が過ぎた鶏肉は、見た目やにおいの変化が明らかになってきます。
ドリップがたくさん出てきたり、色がくすんできたり。
また腐敗臭のようなにおいを感じるかもしれません。
残念ですが、廃棄するようにしましょう。
鶏肉は傷みやすい食べ物であるため、保存状態によっては消費期限より早く傷むこともあります。
傷んだときの鶏肉のサインは下記のとおりです。
・弾力がない
・粘り気が出る
・白色や灰色のようになる
・腐敗臭や酸味のあるにおいがする
このような変化がみられるときは、消費期限に関わらず鶏肉を食べるのを控えた方がよいでしょう。
消費期限を過ぎた鶏肉を食べてしまった場合は、下記の症状を起こすことがあります。
・腹痛
・下痢
・おう吐
・発熱
必ずしも症状が出るわけではなく、また症状が軽く済む場合もあります。
高齢者や子ども、妊婦、体調の優れない方は抵抗力が低く、重症化することもあるため、体調の変化に注意しましょう。
鶏肉で食中毒を引き起こす原因となるのは、主にカンピロバクターという食中毒菌です。
「ギラン・バレー症候群」は、カンピロバクターに感染したときの後遺症として知られており、重症化すると麻痺や呼吸困難などの症状を起こすことが知られています。
感染後1~2週間後ごろから手足のしびれや力の入りにくさなどが出てきて、2~4週間後が症状のピークといわれています。
通常は入院治療が必要とされ、リハビリが必要となる場合もあるため、症状を感じた場合は医療機関の受診が必要です。
ギラン・バレー症候群の予防は、カンピロバクターの感染を防ぐことが大切であるため、消費期限を過ぎた鶏肉は、やはり食べないようにしましょう。
※参照:厚生労働省検疫所「ギラン・バレー症候群について(ジカウイルス感染症の関連を含む)(ファクトシート)」
食中毒や食あたりは必ず起こるわけではありませんが、消費期限を過ぎた鶏肉を食べてしまったときは、体調に変化がないか様子をみるようにしましょう。
鶏肉が原因となるカンピロバクター食中毒は、通常2~5日後に症状があらわれます。
一般的な食中毒は、食後すぐに症状が出るものもありますが、カンピロバクターは時間が経ってから症状が出るのが特徴です。
もし、吐き気やおう吐、発熱などの症状があらわれた場合は、しっかりと水分を補給して、脱水症状を起こさないように注意し、必要に応じて医療機関の受診を検討しましょう。
※参照:厚生労働省検疫所「カンピロバクターについて (ファクトシート)」
鶏肉の消費期限を切らさないためには、消費期限をしっかりとチェックするほかに、冷凍保存する方法があります。
冷凍保存すると消費期限を2~3週間伸ばせるため、安全に鶏肉を食べきれます。
鶏肉の冷凍保存方法については、こちらの記事で詳しく解説しているため、チェックしてみてください。
⇒【鶏肉の冷凍保存方法】保存期間や下味冷凍、解凍のコツを”管理栄養士”が解説します
今回の記事では「鶏肉の消費期限」について、管理栄養士が解説しました。
消費期限は「過ぎたら食べない方がよい期限」であるため、鶏肉の消費期限は必ず守るようにしましょう。
消費期限が近づく前に冷凍保存をしたり、大量消費できるレシピで食べ切ったりと、安全に鶏肉を楽しんでくださいね!
最後に、消費期限が切れる前に鶏肉をおいしく消費できるレシピを2つ紹介します。
甘酸っぱいタレが絡んだ油淋鶏風は、ご飯が進むしっかり味のおかずです。たくさん作ってもあっという間にペロリ!
なすと鶏むねの油淋鶏風
鶏むね肉、なす、小ねぎ(あれば)、○しょうゆ、○酒、●しょうゆ、●酢、●ごま油、●砂糖、●しょうがチューブ、●にんにくチューブ、片栗粉、サラダ油
調理時間:20分
白菜があれば簡単に作れるグラタンは、作り置きに向いているのでたっぷり作ってもOK!フライパンだけで簡単に作れるため、鶏肉がたくさんあるときにぜひお試しください。
鶏肉と白菜のグラタン
鶏もも肉、白菜、塩・こしょう、バター、酒、薄力粉、○牛乳、○洋風スープの素(顆粒)、ピザ用チーズ
調理時間:25分