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「お酒が好きだけどダイエットしたい」という方にとって気になるのが、お酒のカロリーや糖質の多さではないでしょうか。
今回の記事では、管理栄養士が「お酒の定番"ビール"に含まれるカロリーと糖質」について解説します。
糖質ゼロ・糖質オフタイプのビールや、発泡酒、新ジャンル、ノンアルコールビールなど、ビールテイストのドリンクとも比較しました。
また、ダイエット中にビールを飲むときの注意点も解説するので、参考にしてみてくださいね。
ビール100mLあたりのカロリーは39kcal、糖質の量は3.1gです。
これを中ジョッキ1杯、缶ビール(レギュラー缶・ロング缶)1本、瓶ビール(中瓶)1本あたりに換算すると、以下のようになります。
缶ビールを1缶飲むと、レギュラー缶だと138kcal、糖質10.9g、ロング缶だと197kcal、糖質15.6gを摂ることになります。
中ジョッキのサイズはお店によって異なりますが、1杯あたりのカロリーはおよそ171kcal、糖質の量は13.6gほどとなるでしょう。
瓶ビールはロング缶と同じ容量であるため、カロリーは197kcal、糖質の量は15.6gです。
お酒が好きな方であれば「中ジョッキ2杯くらい軽く飲めてしまう」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、中ジョッキを2杯飲むと、お茶碗1杯(150g)分のごはんのカロリー234kcalを簡単に上回ります。
ビールはゴクゴクと飲めてしまう分、カロリーの摂りすぎにつながりやすいため気をつけましょう。
続いて、糖質ゼロ・糖質オフタイプのビール(厳密には、発泡酒・新ジャンルと呼ばれる種類のもの)の100mLあたりのカロリーと糖質の量を比べてみましょう。
糖質ゼロのビールのカロリーは28kcal、糖質オフのビールは29kcalです。
どちらのタイプも糖質が少ないため、通常のビールよりもカロリーは10kcalほど低くなります。
ダイエット中でカロリーや糖質の量が気になる、という方は糖質ゼロや糖質オフタイプのビールを活用してみるのもよいでしょう。
なお、糖質ゼロという表記は「100mLあたり糖質の量が0.5g未満のもの」に認められています。
そのため糖質ゼロのタイプの飲み物でも、実際には糖質がわずかに含まれている可能性もあります。
一方で、糖質オフという表記には一定の基準がありません。
一般的に「特定の商品(従来品)と比較して糖質を抑えたもの」を指す場合が多いようです。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,
東京都「栄養成分表示ハンドブック 食品表示基準に基づく栄養成分表示の方法等」,
キリン「ビール・発泡酒・新ジャンル」,アサヒビール「ビール・発泡酒・新ジャンル」,サッポロ「ビールテイスト」,サントリー「ビール・発泡酒・新ジャンル 商品情報」
最近では、ビールの代わりになるようなさまざまな種類のお酒・ドリンクが発売されています。
代表的なもので言えば、ノンアルコールビール・発泡酒・新ジャンル(第3のビール)でしょうか。
これら100mLあたりのカロリーと糖質の量を比較し、以下の表にまとめてみました。
それぞれのカロリーや糖質の量について、ビールとの違いとあわせてここから簡単に解説します。
日本の酒税法によると、アルコール分が1%未満であれば「ノンアルコール」と表記してよいとされています。
しかし、一般的には、アルコール分をまったく含まない「アルコール分0.00%」と表記されたものがノンアルコールビールとして広く知られています。
ノンアルコールビール100mLあたりのカロリーは5kcal、糖質の量は1.2gです。
アルコールは1gあたり約7kcalと、意外にも多くのカロリーを持つため、アルコールを含まないノンアルコールビールはビールに比べてカロリーがグッと低くなります。
ビールも発泡酒も、基本的には麦芽が原料のひとつになっています。
この麦芽の使用比率が50%未満であったり、麦芽のかわりに麦が使われていたりする発泡性のお酒が「発泡酒」です。
また、ビール作りに使ってもよい副原料(麦芽・ホップ・水以外の材料)の品目や重量割合は酒税法で細かく決められています。
そのため、規定から外れる範囲で副原料を使用した場合にも、発泡酒として扱われます。
そんな発泡酒の100mLあたりのカロリーは44kcal、糖質の量は3.6gで、ビールよりもカロリーは5kcal、糖質は0.5gほど多い値を示します。
しかし、最近ではさまざまな種類の発泡酒が販売されており、商品によってカロリーや糖質の量は大きく異なります。購入する際は栄養成分表示を参考にして選んでみてくださいね。
原料に麦芽や麦を使っていないものや、発泡酒に麦由来のスピリッツを加えたものを新ジャンル(第3のビール)と呼びます。
新ジャンル100mLあたりのカロリーは45kcal、糖質の量は3.0gです。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,キリン「ビール・発泡酒・新ジャンル」,アサヒビール「ビール・発泡酒・新ジャンル」,サッポロ「ビールテイスト」,国税庁「Q1 酒類の定義を教えてください。」
ビールは、ほかのお酒と比べてカロリーや糖質が多く含まれるのでしょうか?それとも少ないのでしょうか?
定番のお酒100mLあたりと比較したものが以下の表です。
カロリーに注目してみると、ビールはほかのお酒よりも低カロリーだと言えるでしょう。
梅酒(100mLあたり161kcal)やウイスキー(100mLあたり223kcal)と比較すると、ビールのカロリーは100kcal以上低くなります。
これはアルコール度数の差が要因のひとつだと考えられます。
一方で、ビールの糖質はほかのお酒よりもやや高いと言えるでしょう。
ビールや日本酒などの蒸留酒は、ウイスキーや焼酎などの蒸留酒よりも糖質が高い傾向にあります。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
ビールはほかのお酒と比べれば低カロリーですが、飲みすぎには注意が必要です。
「太りたくないけどビールを飲みたい」というときには、以下の3つのポイントに気をつけてみましょう。
ビールを飲みすぎると、その分摂取カロリーが増え、体脂肪の蓄積につながりやすくなります。
また、アルコールの影響で肝臓をはじめ、身体に負担がかかってしまうおそれも。
ダイエット中に限らず、飲酒は適量を楽しむのがおすすめです。
お酒の適正量は、男性の場合1日平均して純アルコール量20g程度、女性であればその半分程度とされています。
これをビールに当てはめてみると、1日平均して中ビン1本(500mL)程度(女性の場合、250mL程度)です。
「今より減らす」ことを意識して、適量に近づくように量を調整したり、飲酒の頻度を抑えたりできるとよいですね。
週に2回以上の休肝日をとるようにしましょう。ノンアルコールビールを活用するのもおすすめです。
お酒を飲むときは、同じ量の水や炭酸水を合間にはさむとよいでしょう。
ビールを飲むペースを抑え、無理なくビールの量を減らしやすくなります。
また、アルコールには利尿作用があるため、脱水症状の予防にもつながります。
ダイエット中にビールを飲むときは、水と一緒に、ゆっくりとしたペースで味わうようにしましょう。
ビールに含まれるアルコールには食欲増進の作用があるといわれています。
ビールの量だけでなく、おつまみの食べすぎにも注意が必要です。
たとえば大皿で盛り付けられている料理の場合、食べる分だけあらかじめ自分のお皿に取り分けておくと量を把握しやすくなります。
また、ダイエット中であれば、揚げ物は避けるのがよいでしょう。
揚げ物を焼き物や蒸し物、炒め物などに変えるだけでもカロリーダウンにつながります。
刺身や焼き魚、冷や奴、枝豆、グリーンサラダなど、シンプルな調理法の料理を選ぶと比較的カロリーを抑えられるでしょう。
今回の記事では、管理栄養士が「お酒の定番"ビール"に含まれるカロリーと糖質」について解説しました。
ダイエット中でも、お酒の席や、家での晩酌でビールを飲む機会があるかもしれません。
そんなときは量や頻度に気をつけながら、おつまみも工夫して選べると安心です。
ビールよりも低カロリー、低糖質なノンアルコールビールや糖質ゼロ・糖質オフビールを取り入れるのもおすすめですよ。
ダイエット中でも、上手にビールと付き合っていきましょう。