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スタミナ料理の定番食材であるニラ。
実はスタミナがつく以外にも、免疫機能の維持や高血圧の予防に関わるさまざまな栄養が豊富なことを知っていましたか?
今回の記事では「ニラの栄養」について、管理栄養士が解説します。
また、知らないと損する、おすすめの食べ方も知っておきましょう!
ニラはアリシンをはじめ、ビタミンAやビタミンC、カリウムなどが含まれ、スタミナアップや健康づくりに関わる栄養が豊富な野菜です。
特にカリウムが豊富で、小ねぎの約1.6倍、キャベツの約2.6倍、ピーマンの約2.7倍の量です。
ニラの可食部100gあたりの栄養成分値を見てみましょう。
ニラ100gとは約1束分の量です。
18kcalと低カロリーですが、さまざまな栄養素を摂れます。
期待される効果・効能は下記のとおりです。
これらについて、さらに詳しく解説します。
ニラは免疫機能の維持に欠かせないビタミンAとビタミンCを含みます。
どちらも抗酸化作用があり、免疫機能低下の原因のひとつとなる活性酸素を除去する働きがあります。
またビタミンAが不足することで、粘膜が乾燥して感染症にかかりやすくなることが知られています。
元気な毎日を過ごしたい方には、ニラがぴったりでしょう。
ニラにスタミナアップというイメージがあるのは「アリシン」という成分が含まれているからです。
ビタミンB1は、極端に不足すると疲労感や倦怠感を生む原因となることが知られていますが、アリシンはこのビタミンB1の吸収を助けてくれるのです。
またアリシンは、ニラ特有の香り成分でもあります。
食欲を高めてくれエネルギーチャージに役立つことからも、スタミナアップにつながるでしょう。
ニラはカリウムを含み、高血圧やむくみの予防に役立ちます。
カリウムは余分なナトリウムを排出する働きがあるため、高血圧やむくみの原因となるナトリウム(塩分)の摂りすぎを調整してくれます。
血圧が気になる方や、むくみがちな方は、カリウム豊富なニラをぜひ取り入れてみましょう。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
ニラは栄養豊富であることをお伝えしましたが、ムダなく摂るためにはどのような食べ方がよいのでしょうか?
ニラに含まれるアリシンは、根元に豊富であることが知られています。
根元をざっくり切り落としている方は、ぜひ最小限にしてみてください。
アリシンは細胞が壊れることで発生する成分のため、アリシンを効率的に摂りたい場合は、細かく刻む方がおすすめです。
またアリシンは加熱により分解されてしまうため、生の方がムダなく摂れます。
生のニラを使ったニラだれや、和え物、また加熱料理に使う際はサッと火を通すようにするなどの工夫をするとよいでしょう。
ニラの栄養をムダなく、そして栄養価がアップするおすすめのメニューを3つご紹介します。
スタミナのつくレバーとニラを組み合わせた定番のメニューです。
レバーはビタミンAや鉄が豊富で、ニラの栄養を強化してくれます。
ニラの卵とじに豚肉を加えた豚ニラ玉は、スタミナ満点で栄養もたっぷり摂れます。
豚肉に含まれるビタミンB1の吸収をアリシンが助け、また豚肉と卵でタンパク質や鉄も強化できます。
生のニラをたっぷり食べたいときは、作り置きできるニラだれがおすすめです。
肉や魚にかけて食べるだけでなく、冷ややっこやゆで卵にかけるのも相性がよいですよ。
作り置きして、手軽にニラを取り入れましょう。
ニラを取り入れる際に出てきやすい疑問について、詳しくお伝えしていきます。
ニラは適量であれば、毎日食べても問題ありません。
注意したいのは食べすぎで、以下の2つが心配されます。
・アリシンの摂りすぎで胃腸の刺激になる
・食物繊維の摂りすぎでお腹の調子を崩す
特に生のニラは刺激が強く、消化にも悪いため、続けてたくさん食べないようにしましょう。
ニラの目安量は、特に決まった量があるわけではありませんが、1日70gほどを目安にするとよいでしょう。
70gとは、約2/3束の量です。
これは、バランスのよい食べ方がわかる「食事バランスガイド」の副菜1皿分の量を参考にしています。
ニラばかりたくさん食べていると、ほかの野菜が不足することもあるため、毎日食べる場合は1皿分程度が安心です。
ただし、生のニラを毎日のように70g食べると刺激になる可能性もあるため、加熱して食べるようにするか、体調を見ながら食べる量を調整するようにしましょう。
ニラは生で食べるのをおすすめしましたが、加熱してもすべての栄養素がなくなってしまうわけではありません。
加熱して食べると消化によいことと、カサが減るためたっぷり食べられることが魅力です。
生でも加熱でも、どちらも上手に取り入れましょう。
ニラは冷凍することで、アリシンが減ってしまう可能性があります。
アリシンの効能を期待したい場合は、なるべく生のニラを取り入れる方がよいでしょう。
しかし、そのほかの栄養素については、心配しすぎる必要はありません。
冷凍しておくと使いたいときにサッと使え、長く保存できるのもメリットです。
上手に冷凍保存を活用しましょう。
今回の記事では「ニラの栄養」について、管理栄養士が解説しました。
ニラはアリシン、ビタミンA、ビタミンC、カリウムなどの栄養が豊富です。
健康づくりをしたい方は、ぜひニラを活用しましょう。
和え物、炒め物、スープなど、さまざまなメニューでニラを楽しんでくださいね。
最後に、ニラの栄養をたっぷり摂れるレシピを紹介します。
ビタミンB1が豊富な豚肉と、野菜もたっぷりとれるレシピです。
ニラを最後に加える際は、サッと火を通すようにしましょう。
豚ニラもやしのスタミナ炒め
豚こま切れ肉、もやし、にら、○しょうゆ、○酒、○にんにくチューブ、○片栗粉、●鶏ガラスープの素、●しょうゆ、●砂糖、●こしょう、サラダ油
調理時間:10分
ポン酢で作る簡単なニラだれと、あっさりした鱈の相性はバツグンです。
ニラだれはたっぷり作って冷ややっこなどにかけるのもおすすめです。
やみつきニラだれの鱈ソテー
生たら切り身、にら、塩・こしょう、薄力粉、●ポン酢、●しょうゆ、●にんにくチューブ、●ごま油、●いりごま、サラダ油、水菜(あれば)、ミニトマト(あれば)
調理時間:15分
焼きうどんにニラを入れると、スタミナメニューに変身!
食欲がないときでも食べやすいレシピです。
ひき肉とにらのスタミナ焼きうどん
豚ひき肉、ニラ、うどん(茹で)、○しょうゆ、○酒、○オイスターソース、○砂糖、○鶏ガラスープの素、○豆板醤、○にんにくチューブ、ごま油
調理時間:10分