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旬である秋の時期は、生のザクロを見かける機会も増えてきます。
ザクロには女性にうれしい効果・効能があるといいますが、具体的にどのようなものがあるのでしょうか?
また取り入れる際に気を付けることがあれば知っておきたいですよね。
今回の記事では「ザクロに期待できる効果」について管理栄養士が解説します。
ザクロは茶褐色の果皮で、中に詰まったルビー色の実を食べる果実です。
国産のものは熟すと割れ、強い酸味が特徴です。
輸入品は割れないため切ってから食べ、酸味は少なく甘みが強くなっています。
ザクロは日本では庭木として栽培されることがあるものの、商業的に栽培されているものは少なく、スーパーなどで見かけるザクロは輸入品が主流です。
また粒状の実をたくさんつけることから、子孫繁栄を象徴する縁起のよい果実ともいわれています。
最近では、ザクロを発酵させて作る「ザクロ酢」も、甘酸っぱい味わいで人気です。
ザクロはアントシアニンやタンニンなどのポリフェノールを含み、抗酸化作用の高さが注目されています。
とくに女性にうれしい効果が期待されるといわれますが、その理由を詳しく見てみましょう。
アントシアニンやタンニンなどのポリフェノールの抗酸化作用により、肌の健康を保ってくれます。
肌の老化の原因のひとつとして考えられているのが「活性酸素」の過剰な発生です。
活性酸素は私たちの身体に必要な働きをする一方で、紫外線、タバコ、ストレスなどによって過剰に産生されます。
過剰な活性酸素は細胞を傷つけ、肌の老化や動脈硬化、がんなどのさまざまな原因となります。
この活性酸素の働きを抑えたり除去したりするのが、抗酸化作用を持つポリフェノールなどの成分です。
ザクロのポリフェノールが持つ抗酸化力は、ほかの果物に比べ高いといわれています。この抗酸化力の高さがスーパーフードといわれる理由です。
肌を若々しく保つために、また健康のために積極的に取り入れましょう。
ザクロに含まれるカリウムにより、むくみ解消の効果が期待されます。
むくみの原因となるのが塩分(ナトリウム)の摂りすぎで、塩分は身体に水をため込む性質があります。
カリウムは余分なナトリウムを排出する働きがあり、ナトリウムとともに水分も身体の外に出してくれるのです。
むくみが気になるときに、ぜひザクロを取り入れてみましょう。
ザクロの甘酸っぱい味わいは、主にクエン酸によるものです。
クエン酸は続けて摂ることで疲労感の軽減に役立つとされています。
ザクロの中でも酸っぱい品種を選ぶと、クエン酸をたっぷり摂れるでしょう。
ザクロの抗酸化作用は、肌への効果だけでなく、動脈硬化を防ぐ作用も期待されています。
動脈硬化とは、血管が傷つくことで血管が硬くなる状態で、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす原因となります。
とくに血糖値やコレステロール値、血圧が高い方や、肥満や運動不足のある方は動脈硬化を起こすリスクがあるため注意が必要です。
これらの原因の解消に取り組むとともに、抗酸化作用のあるザクロなどの果物を積極的に取り入れるようにしましょう。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
2000年ごろ「ザクロにはエストロゲンという女性ホルモンが含まれる」と話題となったことがあります。
このことから、ザクロにはバストアップや妊娠への効果があるなどといわれることがありますが、結論をいうと効果は期待できません。
話題になったことから、同年、国民生活センターにより調査が行われましたが「市販のザクロ商品からエストロゲンは検出できなかった」という結果が発表されています。
残念ながら、ザクロを摂取することで女性ホルモンへのよい影響はないと考えたほうがよいでしょう。
ただし、先ほど伝えたように、ザクロは種子が多いことから子宝に恵まれるという言い伝えがあります。
縁起のよい食べ物として、旬である秋に見かけたら取り入れてみるのもよいでしょう。
さまざまな効果が期待されるザクロですが、取り入れる際の注意点はあるのでしょうか?
ザクロ酢を取り入れる場合は、飲みすぎに注意が必要です。
ザクロ酢は糖分が添加されている場合が多いため、飲みすぎると糖質を摂りすぎてしまいます。
ただし、ザクロ酢でもザクロの効果はある程度期待できます。
ザクロ酢の赤い色はアントシアニンなどのポリフェノールの成分によるものですから、抗酸化作用があると考えられます。
また、ザクロ酢に含まれるクエン酸や酢酸による疲労回復の効果も期待できるでしょう。
ザクロ酢を取り入れたい場合は1日1杯程度を目安にし、ほかの甘い飲み物は控えるようにしてくださいね。
生のザクロを食べすぎることで、下痢や腹痛などの症状を引き起こす場合があります。
極端に続けてたくさん食べるのは控えましょう。
生のザクロを食べる場合は、1日2個までが目安です。
ザクロの平均的な重さは250gで、食べられる部分(可食部)は115gほどです。
果物は1日200g程度が目安ですので、ザクロ2個弱の量となります。
ほかにも果物を食べる場合は、あわせて200gになるように調節しましょう。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,農林水産省 厚生労働省「食事バランスガイド」
今回の記事では「ザクロに期待できる効果」について管理栄養士が解説しました。
ザクロは抗酸化作用が高いといわれ、肌を若々しく保つ働きやむくみ予防などの美容への働きのほか、動脈硬化の予防など健康にもよい働きが期待されています。
ぜひ生のザクロを見かけたら、手に取ってみてくださいね。