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食欲がなくなる、身体がとにかくだるい……などのつらい夏バテ。
夏バテを治す、または予防するには、どのような食事が良いのでしょうか?
今回の記事では、「夏バテ対策に役立つ食事」「コンビニで手に入るおすすめのメニュー」について、管理栄養士が解説します。
夏バテには食事の対策が重要です。
食事がおろそかになってしまうと、栄養不足から夏バテを悪化させてしまうこともあります。
そもそも夏バテの原因は、自律神経の乱れといわれています。
暑さや、冷房による身体の冷えなどにより自律神経が乱れ、疲労感、倦怠感、眠れない、胃腸の不調を引き起こすと考えられています。
夏バテにならない、または悪化させないためにも、食事のコツを知っておきましょう。
いわゆる「夏バテに効く」という食べ物は残念ながらありません。
バランスの良い食事を心がけ、食欲がないときでも食べやすくする工夫がポイントとなります。
また夏に不足しがちな栄養補給をし、身体の回復に必要な栄養素をしっかり摂れるように配慮しましょう。
夏は食事が偏り「主食だけ」になりがちですが、意識してたんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品など)を取り入れてみてください。
・主食…身体の回復のためのエネルギー源となる
・たんぱく質…不足することで体力や免疫機能の低下につながる
それぞれを過不足なく摂ることで、夏バテ予防または改善に役立ちます。
たとえばそうめんやうどんなどを冷たく食べる場合は、ツナ缶、サラダチキン、豚しゃぶ、ゆで卵、納豆などと組み合わせると良いでしょう。
食欲が低下しているときは、食欲増進を助けてくれる食べ物を取り入れてみましょう。
梅干しやレモンなどの酸味があるもの、カレーや唐辛子などの香辛料、にんにくやしょうがなどの香味野菜などがおすすめです。
とくに梅干しやレモンには、疲労回復効果が期待されているクエン酸も含まれ、夏にぴったりです。
食事量を多くとれない場合は、少量でも栄養を摂りやすいものを選びましょう。
たとえば、以下のような似た食べ物でも、右側に記載した食べ物のほうが栄養豊富です。
・うどん→蕎麦
・そうめん→冷やし中華
・おにぎり→いなり寿司
・食パン→サンドイッチ
・ゼリー→プリン
・ジュース→牛乳
・アイス→ヨーグルト
このように1品でさまざまな栄養素が摂れるものだと、効率的に栄養補給ができます。
もちろん、うどんやそうめんなど左側にあげた食べ物が悪いわけではありませんので、あくまで選び方の一例として参考にしてください。
ビタミンB群は栄養素の代謝をサポートする働きがあり、食事が偏ることで不足しやすくなります。
・ビタミンB1…豚肉、うなぎ、蕎麦、枝豆、大豆製品など
・ビタミンB2…レバー、海苔、きのこ類、アーモンドなど
・ビタミンB6…にんにく、まぐろ、かつお、蕎麦など
とくにビタミB1は、極端に不足すると倦怠感の症状がある脚気を引き起こすことがあります。
主食ばかりに偏った食事や、糖質を含むお酒の飲みすぎると不足することがあるため、とくに夏は意識して取り入れましょう。
夏バテは水分不足も原因のひとつになるといわれています。
私たちに必要な水分は、実は食事から半分ほどとっています。
これが食欲不振により食事量が減ると、水分も不足する原因に。
また、夏は汗によっても水分が失われるため、意識して補給する必要があります。
水分不足は熱中症のリスクにもつながるため、こまめに補給しましょう。
冷たすぎる飲み物や食べ物は、胃腸を冷やして調子を崩す原因となります。
食欲がないからといって、冷たい飲み物やアイス、ゼリーばかり食べていたり、冷たいジュースやお酒をがぶ飲みしていると、夏バテを悪化させてしまうこともあります。
もし食べたい場合は空腹時を避け、胃腸の刺激が少ない食後にし、とりすぎに注意しましょう。
※参照:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
夏バテ対策の食事はコンビニでも調達できます。おすすめの組み合わせや食べ物を紹介します。
蕎麦だけでは不足するたんぱく質は、納豆をプラスして補ってみましょう。
また蕎麦と納豆はどちらもビタミンB群を含み、栄養素の代謝をサポートしてくれます。
酸味のある酢飯は食欲がない時期でも食べやすく、油揚げでたんぱく質も補えます。
いなり寿司だけでは不足するビタミンやミネラル補給には、手軽な野菜ジュースが役立ちます。
もちろん野菜ジュースでなく、野菜スープやサラダでもOKです。
夏の定番である冷やし中華は、さまざまな具材が載った栄養たっぷりのメニュー。
しょうゆだれだと酸味がありさっぱり食べやすく、食欲がないときにもぴったりです。
おつまみのイメージのある枝豆ですが、実は栄養豊富で夏バテしているときにもぴったり。
野菜の中でもビタミンB1が豊富で、糖質の代謝をサポートしてくれます。
コンビニでは食べきりサイズの少量パックが販売されていることもあります。
コンビニメニューにプラスしたり、おつまみや間食にしたりしたいときにおすすめです。
最近コンビニに充実してきているカットフルーツも、夏バテ時におすすめできる食べ物です。
甘酸っぱい味わいで食欲がないときでも食べやすく、ビタミンやミネラルを効率良く補給できます。
とくにおすすめはパイナップル。クエン酸を含み、疲れた身体を回復させてくれる働きが期待されます。
一度なってしまうとなかなか抜け出せない夏バテ。
つらい夏バテを起こさないためにも、以下のポイントに注意して予防しましょう。
また、現在夏バテに苦しんでいる方も、悪化させないためにも大事なことですので、参考にしてくださいね。
暑さにより体力を奪われる時期は、1日3食欠かさずに食べ、しっかりエネルギーチャージをしましょう。
朝ご飯を食べる習慣がない方や食欲がない方でも、果物やヨーグルトなど、口にしやすいものでOK。何かしら食べるよう心がけてくださいね。
冷房の設定温度を低くしすぎるのはNGです。
身体が冷えてしまったり、外気との温度差ができてしまったりするため、自律神経を乱す原因となります。
環境省が推奨する理想的な室温は28℃となっています。
これは冷房の設定温度ではなく、室温の目安です。
もしオフィスなどで調整が難しいときは、身体を冷やさないようカーディガンやレッグウォーマーなどで対策をしましょう。
睡眠を十分にとり、暑さで疲れた身体をしっかり休めてあげましょう。
夏は寝苦しさから、気付かないうちに睡眠の質が下がり、睡眠不足の状態になることもあります。
冷房をうまく利用し、快適な環境で眠れるようにしてみましょう。
※参照:環境省「COOL CHOICE」
今回の記事では、「夏バテ対策に役立つ食事」「コンビニで手に入るおすすめのメニュー」について、管理栄養士が解説しました。
夏バテかも?と思ったら、早めの対策で悪化を防ぐことが可能です。
即効性のある食べ物はありませんが、暑さに対抗できるようしっかりと栄養をつけることが大切です。
食べられるものの中から栄養のあるものを選び、夏を元気に乗り切りましょう。
最後に、夏バテしているときでも食べやすく、栄養補給にもなるレシピをご紹介します。
カリッと焼いた中華麺にアツアツのあんかけが絡む焼きそば。豚肉でビタミンB1も補給できます。
豚肉と小松菜のあんかけ焼きそば
豚バラ肉(薄切り)、小松菜、中華麺(焼きそば用)、片栗粉、サラダ油、ごま油、○鶏ガラスープの素(顆粒)、○しょうゆ、○酒、○オイスターソース、○砂糖、○しょうがチューブ
調理時間:20分
食欲がないときでも食べやすいカレー。火を使わずにレンジで簡単に調理できる、スピードメニューです。
電子レンジキーマカレー
合いびき肉、玉ねぎ、温かいご飯、カレールウ、○ケチャップ、○中濃ソース、○酒、○はちみつ、○洋風スープの素(顆粒)、○しょうがチューブ、○にんにくチューブ、○カレー粉
調理時間:20分
あっさりと食べやすいカツオのたたきは、ビタミンB6が豊富。香味だれで食べやすい味付けです。
カツオと水菜のサラダ香味だれ
カツオのたたき、水菜、○長ねぎ、○しょうが、○にんにく、○しょうゆ、○酢、○砂糖、○ごま油
調理時間:10分