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秋から冬にかけて旬を迎えるれんこんは、シャキシャキとした食感が楽しい野菜です。れんこんにはビタミンCをはじめさまざまな栄養素が含まれるので、ぜひ毎日の食事に取り入れたいもの。今回はれんこんの栄養と期待される効果、またれんこんの栄養素をムダなく摂れるおすすめの食べ方について、管理栄養士が解説します。
れんこんにはビタミンCや食物繊維など、さまざまな栄養素が含まれています。100gあたりの含有量は以下の通りです。
これらの栄養素の働きや期待される効果について、詳しく解説します。
れんこんに含まれる食物繊維は主に不溶性といわれるもので、便の材料となり、便秘の対策に役立ちます。
また食物繊維は腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えてくれる働きもあります。
ビタミンCはコラーゲンの生成に欠かせない栄養素です。また抗酸化作用があり、がん、老化、免疫機能低下の原因となる活性酸素を取り除く働きがあります。
1日に必要なビタミンCの量は100mgですが、れんこん100gには48mg含まれており、1日に必要な量の半分ほどを摂ることができます。
カリウムはナトリウムを排出する働きがあり、塩分を摂りすぎたときの調整に役立ちます。
塩分の摂りすぎが原因となる高血圧の予防や、むくみの対策に取り入れたい栄養素です。
カリウムは水に溶け出る性質があるため、れんこんを水にさらすときは短時間にしておくか、水にさらさずに調理するとカリウムの流出を少なくできます。
日本食品標準成分表には記載されていませんが、れんこんにはポリフェノールも含まれています。れんこんを切ったあとに変色してしまうのは、れんこんに含まれるタンニンというポリフェノールによるものです。ポリフェノールもビタミンCと同様に、抗酸化作用があります。
カリウムと同じようにポリフェノールは水溶性のため、変色防止で水にさらす場合は短時間で、または水にさらさずに調理するとポリフェノールをムダなく摂れます。
※参照:文部科学省ホームページ「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」,厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
旬の時季は水煮れんこんでなく、生のれんこんを使うのがおすすめです。水煮れんこんは生のれんこんに比べ、ビタミンCやカリウムなどの栄養素が少なくなっています。
これは、水溶性の栄養素が水煮にすることによって失われてしまうことが原因と考えられます。
日本食品標準成分表で生と茹でたものの100gあたりを比較すると、ビタミンCは生48mgと茹で18mgで30mgの差があり、カリウムは生440mgと茹で240mgで200mgの差があります。
水煮れんこんは下処理が不要で手軽に使える点はよいのですが、栄養素をしっかり摂りたい場合は生のれんこんを活用しましょう。
れんこんは他の野菜類と比べると炭水化物が多いため、カロリーが高くなっています。よく食べられる野菜類や芋類と、100gあたりのカロリーを比較してみます。
カロリーが高いイメージのあるじゃがいも(59kcal)よりもカロリーが高いため、食べすぎるとカロリーオーバーの恐れも。
極端に食べすぎなければ心配する必要はありませんが、毎日食べる場合は小皿1皿分程度にしておくと安心です。
最後に、れんこんの栄養素がムダなく摂れるおすすめのレシピをご紹介します。
水に溶け出やすいカリウムは、煮汁ごと食べられるメニューでムダなくいただきましょう。
炊き込みご飯にすれば、栄養素はもちろん、れんこんのうまみもご飯にしみ込みます。
れんこんと鶏肉の炊き込みご飯
鶏もも肉、れんこん、米、○しょうゆ、○酒、○みりん、○和風だしの素(顆粒)
調理時間:40分
れんこんを水にさらさずに使うなら、変色が気になりにくいメニューにするのがおすすめ。
ピザにすればれんこんの色味に関係なく見た目よく仕上げられますよ。
れんこんカリカリピザ
れんこん、ベーコン(スライス)、片栗粉、オリーブオイル、ピザ用チーズ、黒こしょう
調理時間:15分
鶏むね肉で作るヘルシーなハンバーグにれんこんを混ぜ込んで、メインのおかずに食物繊維をプラス。れんこんを水にさらさなくてもよいのもポイントです。
鶏むね肉とれんこんのザクザクバーグ
鶏むね肉、れんこん、○しょうがチューブ、○酒、○片栗粉、○塩・こしょう、●白だし、●みりん、片栗粉、サラダ油
調理時間:20分
れんこんは食物繊維やビタミンCなど、たっぷり摂りたい栄養素が詰まった野菜です。煮物や炒め物、スープなど、さまざまな料理に活用してくださいね。