じゃがいもを加熱する方法は多々あれど、じゃがバターや粉ふきいもなどほくほく食感を楽しむメニューは蒸して調理するのがおすすめ。この記事では、蒸し器を使った基本のじゃがいもの蒸し方をはじめ、より手軽なフライパンや電子レンジで蒸す方法をご紹介します。

じゃがいもを蒸すときに知っておきたい4つのポイント

まずは、じゃがいもを蒸す際のポイントを解説します。これらのポイントを押さえれば、ほくほく食感のおいしいじゃがいもに仕上げることができますよ。

ポイント1:水から蒸すことで形が崩れるのを防げる

じゃがいもを蒸す際は、お湯ではなく水を使って蒸しましょう。最初から高温で蒸すと外側に火が通りすぎてしまい、じゃがいもに含まれる成分「ペクチン」が分解されて形が崩れる原因になります。ペクチンはじゃがいもの細胞同士をつなぎ合わせる接着剤の役割を果たしており、80度以上の温度になると分解しやすくなります。そのため、水から徐々に温度を上げてゆっくり火を通すことで、形が崩れにくくなるのです。

ポイント2:鮮度の高いじゃがいもを使うと形が崩れにくい

じゃがいもに含まれるペクチンは、成熟することでも分解が進んでしまいます。そのため、じゃがいもの形を活かした料理を作るなら、新じゃがなどの新鮮なじゃがいもを使用するとよいでしょう。

ポイント3:皮つきのまま丸ごと蒸すと、ほくほく感がアップする

じゃがいもは皮つきのまま丸ごと蒸すと、じゃがいも内の水分が逃げにくくなるため、ほくほくとした食感がアップします。皮も楽にむけるので、じゃがバターなどを作るときにはカットせず丸ごと蒸しましょう。

ポイント4:栄養を効率的に摂るなら電子レンジ調理もおすすめ

電子レンジで調理すると、蒸した場合よりもじゃがいもに含まれるビタミンB群やビタミンCの残存率が高くなります。そのため栄養を無駄なくとりたいときは、電子レンジでの調理がおすすめです。また、調理時間の大幅な時短にもつながります。

ただし、じゃがいものほくほく感は蒸したときよりも少し落ちてしまうので、食感を重視する料理では電子レンジの使用は避けるのが無難でしょう。

※参照:渕上 倫子「野菜・果実のペクチン質に関する調理科学的研究」,中村優・内野昌孝・佐藤広顕・高野克己「ジャガイモの煮崩れに対する内在ポリガラクチュロナーゼの影響」,小島彩子・尾関彩・中西朋子・佐藤陽子・千葉剛・阿部皓一・梅垣敬三「食品中ビタミンの調理損耗に関するレビュー(その2)」

じゃがいもの蒸し方

続いて、じゃがいもの蒸し方を解説します。蒸し器、フライパン、電子レンジを使用した場合の手順を紹介しますので、目的に合わせてうまく使い分けてくださいね。

蒸し器を使って蒸す場合

蒸し器は高温の水蒸気を利用して外側からじっくりと火を通すことができ、温度も急激には上がらないため形が崩れにくいのが特徴です。じゃがいもの水分も残りやすいためほくほくとした食感になりますが、他の調理方法よりも時間がかかります。

手順

1. じゃがいもを洗い、泥を落とす

2. 蒸し上がった後に皮をむく場合は、あらかじめ十字に切り込みを入れておく

3. 蒸し器の下段に水を張り、上段にじゃがいもを並べて強火にかける。蒸気が上がってきたら弱火にし、30~40分ほど蒸す

加熱時間は目安なので、竹串がすっと通るくらいのやわらかさになるまで蒸しましょう

4. じゃがいもを取り出し、キッチンペーパーや清潔な布巾を使って熱いうちに皮をむく。芽がある場合はスプーン等で取り除く

フライパンで蒸す場合

蒸し器がなくても、フライパンとクッキングシートがあれば簡単にじゃがいもを蒸すことができます。フライパンで蒸す場合、蒸し器で調理するよりも蒸し時間は短縮できますが、水が蒸発しやすいため適宜水を足す必要があります。

手順

1. じゃがいもを洗い、泥を落とす。蒸し上がった後に皮をむく場合は、あらかじめ十字に切り込みを入れておく

2. 深めのフライパンにクッキングシートを敷き、じゃがいもを並べる。フライパンとクッキングシートの間に水を1~2cmほど入れ、ふたをして中火にかける。沸騰してきたら弱火にし、20~30分ほど加熱する。途中で水がなくなったら足す

加熱時間は目安なので、竹串がすっと通るくらいのやわらかさになるまで蒸しましょう

3. じゃがいもを取り出し、キッチンペーパーや清潔な布巾を使って熱いうちに皮をむく。芽がある場合はスプーンで取り除く

電子レンジで加熱する場合

もっとも手軽で短時間で火が通るのは、電子レンジで加熱する方法です。電子レンジで調理すれば、水に溶けやすいビタミンB群やビタミンCを効率よく摂取できるメリットもあります。

しかし、電子レンジは加熱ムラが出やすいので一度に多くのじゃがいもを調理するのには向いていません。また、じゃがいものほくほく感も他の調理方法より劣ってしまうため、食感を重視したい料理の場合には向かないでしょう。炒め物などで軽く火を通しておきたいときなどは、レンジ加熱を活用すると便利です。

やり方はとっても簡単。濡らしたキッチンペーパーでじゃがいもを包み、さらにラップでふんわりと包んでから600Wの電子レンジで3~4分ほど加熱します。加熱後はそのまま3分ほど置いて蒸らしましょう。

電子レンジを使った加熱方法は以下の記事で詳しく解説しています。

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シーンに合わせて調理器具を使い分け、じゃがいも料理を楽しもう

じゃがいもの食感を優先したいときは蒸し器やフライパンで蒸し、時短したいときは電子レンジ加熱するなど、シーンに合わせて調理器具を使い分けてみてください。ほくほくとした食感の蒸しじゃがいもは、家庭料理の幅をぐっと広げてくれますよ。

情報提供元: トクバイニュース
記事名:「 電子レンジでも代用OK!ほくほく食感が楽しめるじゃがいもの蒸し方