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ハンバーグを作ろうと思ったら、うっかりパン粉を買い忘れてしまった…。とんかつを揚げようと思ったら、思いのほかパン粉が足りなかった…。そんな経験をしたことはないでしょうか?今回は、パン粉がなかったときに使える代用品を用途別にご紹介します。
ハンバーグや揚げ物料理などを作る際に使うパン粉。このパン粉が料理の中でどのような役割を持っているのかご存知ですか?
パン粉は用途によって使う意味が様々あるんです。
ハンバーグのようにこねて丸めたままの形状を保つには、混ぜ合わせる食材同士をつなぐ必要があります。パン粉はこのつなぎの役割を持っているのです。
また、パン粉には焼く時に出る肉汁を吸ってくれる効果も。これによってハンバーグ自体に旨味をしっかりとどめておきながら、ふっくらとした食感になります。
コロッケやとんかつのような揚げ物料理を作る際、パン粉は必ず使いますよね。パン粉を揚げ物で使う際の役割は、つなぎと同様に水分を内にとどめること。高温で揚げるので、本来ならパサつくのを抑えてくれる効果があります。
また、パン粉自身も水分を出すので衣をつける際に外はサクサクで、中身の状態はカラカラせずにほど良い状態を保つことができるんです。
パン粉を普段使わないと、いざ使う際に切らしていることもありますよね。でもご安心下さい。パン粉は家庭内にある、別の食材でも十分代用できるものがあります。
まずパン粉の代用品として、つなぎでも衣でも両方活用できるものを紹介します。
食材によっては下準備が必要なので、その準備方法をみていきましょう。
パン粉がない時は食パンを使って代用するのがもっとも簡単な方法です。パン粉をすり下ろし機で細かくするだけなので、家庭でもすぐに代用できますよ。
自宅にある食パンを使っておろし金ですりおろしていきます。パンが持ちづらい場合は半分に切ってからすりおろしても問題ありません。
すりおろした後の状態は、ややサクサクしていますが食パンの柔らかさも感じられます。
食パンがあまりに柔らかいと中の部分が折り曲がり、すりおろすのが大変な場合があります。そんな時は冷凍した食パンを使いましょう。冷凍状態で硬いので、パンが変形せずすりおろしやすくなります。
質感は食パンと違い、触るとひんやりしていて雪のようにふわっとした手触りです。
小麦アレルギーの方は、パン粉そのものや食パンを代用しても食べられないことがありますよね。最近は米粉を使ってできた米粉パンが手近に購入できます。アレルギー対策として、小麦が気になる方はぜひ米粉で代用してみてください。
米粉パンの手触りのように、細かくしてもしっかりとした硬さが残っています。
パン粉の代用品として実際にそれぞれの食材が代用品として活用できるのか気になりますよね。今回はコロッケを揚げて、その仕上がりでみていきます。カラッと揚がるかどうかや、揚げ色、時間などをみていき、★5段階で評価(星が多いほど高評価)していきます。
そのままパン粉を使用したものです。このパン粉で作ったものを基準に他の素材のものを評価していきます。
揚がり方はカラっとしており、揚げ色も普段目にするようなきつね色に仕上がりました。揚げ時間は3〜4分ほどです。
サクサク度:★★★★★
揚げ色のつき方 :★★★★
揚げ時間の少なさ :★★
生の食パンをすりおろしたものをパン粉に代用しました。
揚げ色や時間はパン粉と差はありません。ただ、歯応えがパン粉よりやや欠ける印象だったので、パン粉ほどサクサクにしない方がいい方は食パンで代用すると口当たりが強くならずおすすめです。
サクサク度:★★★
揚げ色のつき方 :★★★★
揚げ時間の短さ :★★
冷凍した食パンをそのまますりおろし、パン粉として使ったものです。
パン粉に比べてこちらも揚げ色や時間に差はありません。カラッと揚がっていて、衣が食パンのすりおろしより更に抑えめ。口当たりが良くなりました。
サクサク度:★★★★
揚げ色のつき方 :★★★★
揚げ時間の短さ :★★★
最近はスーパーでもよく見かける米粉。グルテンフリーという言葉もあるように、アレルギー対策を必要とする方は米粉を代用にするのがおすすめです。
食感も程よくサクサクで焼き色もしっかりつきますが、パン粉で揚げるより若干早めに油から出した方が良いでしょう。
サクサク度:★★★★
揚げ色のつき方 :★★★
揚げ時間の短さ :★★★
おからも衣として使えます。そのままではしっとりしているため、先にフライパンで炒って水分を抜いておきましょう。
おからのふんわりとした印象どおり、衣の仕上がりも比較的柔らかめ。揚げる時間はコーンフレークの次に早めなので、他のコロッケより早めに油から出すようにしましょう。
サクサク度 :★★★★
揚げ色のつき方 :★★★
揚げ時間の短さ :★★★★
朝ごはんでおなじみのコーンフレークもパン粉の代用品として使えます。
意外な使い方……と思う方もいるかもしれませんが、ザクザクとした食感がクセになるかも。
揚げる前に使用量を保存袋に入れて細かく綿棒で叩いておきましょう。パン粉よりも歯応えのあるカリッとした衣になります。なお、揚げていると次第に色が変化しますので、すぐに焼き揚げるようにしましょう。
サクサク度:★★★★★
揚げ色のつき方 :★★★★
揚げ時間の短さ :★★★★★
「高野豆腐もパン粉の代用にできるの?」と思った方もご安心ください。高野豆腐は香りにクセもなく、しっとりしたコロッケになります。
使い方は簡単。高野豆腐を水に下ろさず乾燥した状態のまますり下ろすだけです。
見た目は揚げパンのようですが。中はホクホクの具材が楽しめますよ。
サクサク度:★★★★
揚げ色のつき方 :★★★
揚げ時間の短さ :★★★
コーンフレークで揚げることにより、パン粉以上にザクザクで食感が楽しめ、しかも時短で調理できることがわかりました。ザクザクの食感が好きな方はコーンフレークをあえて使ってもいいかもしれません。
パン粉の食感に最も近づけるなら、食パンをすり下ろすのがおすすめです!
続いてパン粉をハンバーグのつなぎとして活用する際、他にどのような素材で代用できるのかみていきます。つなぎの役割としてチェックするのは、ハンバーグのくずれやすさやジューシーさです。こちらも★5を最大にして評価していくので、チェックしてみてください。
通常のパン粉をハンバーグのつなぎに使った場合です。
皆さんが想像するハンバーグの弾力やジューシーさがありました。歯応えもあるので、柔らかすぎずちょうどよい食感のハンバーグになります。
くずれにくさ:★★★★★
ジューシーさ:★★★★
ここからは、パン粉を基準にして他の素材を使った際のつなぎとしての代用になっているか検証していきます。
食パンをすりおろしたものをパン粉の代用品として使いました。
肉同士の結着もあり、くずれることはありません。生の食パンのふんわりとした柔らかさがハンバーグにも感じられました。
くずれにくさ:★★★★
ジューシーさ:★★★
冷凍した食パンをすり下ろしてつなぎにしてみました。
冷凍食パンをすりおろした際にあったふんわり加減が、ハンバーグのつなぎにした際も現れていました。ジューシーというよりもふっくらとした印象です。食パンを代用して作ったハンバーグよりも、弾力によって高さが出ていました。
くずれにくさ:★★★
ジューシーさ:★★★
米粉を代用として使ったハンバーグは、しっとりしてやや柔らかい食感でした。ハンバーグのタネの結着もよく、崩れないので食べやすい仕上がりになっています。
くずれにくさ:★★★★
ジューシーさ:★★
麩もパン粉として代用できるものの一つです。麩を使う場合には先に細かくする工程があるので、準備しておきましょう。
・麩を袋に入れて麺棒でたたき、細かくする
あらかじめつなぎとして使用する分量の麩を保存袋など、密閉可能な袋に入れます。その後、綿棒で全体を叩いて細かくなるまで続けます。
完全に粉になりきる前の、少し麩の破片の形がわかる程度のところでストップしておきましょう。
これでつなぎとして活用可能です。
麩をつなぎに使ったハンバーグは見た目からふっくらしているのが伝わってきます。麩はパン粉より吸水効果が高いので、ハンバーグの中に水分をしっかり閉じ込めてくれますよ。よりジューシーに食べたい方におすすめの代用品です。
くずれにくさ:★★★★
ジューシーさ:★★★★★
おからを代用することでアレルギー対策にもなります。おからは衣の代用と違ってハンバーグのつなぎに使用する際は、乾燥の必要がないのでそのまま使いましょう。
ジューシーさはそこまで感じませんでしたが、焼いてもまとまっておりくずれにくさという点では合格です。混ぜている時から、柔らかい手応えがありお子さんが食べる際におすすめ。
くずれにくさ:★★★
ジューシーさ:★★
小麦粉はハンバーグの形を整えた後に、外側を軽く手でまぶすようにして使いましょう。パン粉の役割は水分を外に逃さないこと。小麦粉を表面にまぶすことで同じ働きをしてくれます。
こちらは表面は焼き上がりにしっとりとした食感になりました。
くずれにくさ:★★
ジューシーさ:★★★
薄力粉同様の理由で、片栗粉も代用品として使えます。片栗粉はとろみがでるので、食べる際にハンバーグとしてのまとまりがよい印象です。
くずれにくさ:★★★
ジューシーさ:★★
つなぎの役割で塩をいれるのは、あまりやらない代用かもしれませんね。どうして塩がパン粉の役割になるのかというと、塩が肉のタンパク質を分解して粘り気を出すから。そして加熱することで、分解されたタンパク質が固まるので結果つなぎのような役割として作用すことになります。
こちらは他のつなぎに比べると少し崩れやすさはあり。ただ、しっかりとした弾力を楽しめます。入れすぎると塩っ辛くなるので、味を整える程度にしておきましょう。
くずれにくさ:★★
ジューシーさ:★★
実は白ごはんもつなぎに使えます。はがまに残ったご飯を手でほぐしてから使いましょう。なお、炊きたてのご飯は肉ダネの脂を溶かしてしまいます。ある程度冷ましてから使うのがおすすめです。
白米の柔らかさが相まって、ハンバーグとしての柔らかみが更に加速しました。若干結着が甘いところがありましたが、家庭の中で1番身近な材料として白米はすぐ使えると思うので、もっちりした柔らかさを楽しんでください。
もしごはんつぶの食感が気になる方は、つなぎとして使う前にすりつぶしておくと気になりませんよ。
くずれにくさ:★★
ジューシーさ:★★★
しっかり整型すればつなぎは不要かも?と思いたち、つなぎなしのバージョンでも作ってみました。
こちらは焼く際にはあまり問題はなかったですが、口に入れた際にバラバラする印象。やはり結着させる素材は何か取り入れた方がよさそうです。
くずれにくさ:★
ジューシーさ:★★★
最終結果はこちらのとおり。最もくずれにくく、さらにジューシーになる代用品はお麩でした。ただ、どこの家庭にも常備しているわけではないと思います。自宅にあるものの中で最もくずれにくいものを選んでみてくださいね。
パン粉にはつなぎや衣などの用途によって、他の食材でも十分に代用できると知っていただけたのではないでしょうか?新たな食感を試すなど、今まで食べたことのない代用品でもぜひ料理を作ってみてください。