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さつまいもを食べたとき、おならが出るのが気になる方は多いのではないでしょうか。人前では出来るだけおならを防ぎたい、と考えるのは自然なことだと思います。今回は管理栄養士の筆者が、さつまいもを食べるとおならが出る理由や、防ぐ方法はあるのかを解説します。
さつまいもを食べるとおならが出やすくなるのは、さつまいもに含まれる食物繊維が関係している考えられています。
食物繊維は、腸の中で分解されるときと、腸内細菌に代謝される過程でガスが発生します。これがおならのもととなります。とくにさつまいもは消化されにくく、消化するために腸のぜん動運動の量が多くなり、そのこともガスが発生しやすくなる原因と考えられます(※)。
これらの作用によって、さつまいもを食べるとおならが出る回数が増えるように感じる方が多いというワケです。
さつまいも以外にも、豆類やこんにゃく、ごぼうなども食物繊維を多く含むため、同じようにおならが出やすくなる食べ物です。
先ほどのおならが出る理由から考えると、さつまいもを食べて食物繊維を摂るかぎり、おならを確実に防ぐことは難しいでしょう。
でも「おならを気にせずさつまいもを楽しみたい」という方のために、おならを防げる可能性のある方法をいくつかご紹介します。
「さつまいもは皮ごと食べると、ヤラピンの効果でおならを防いでくれる」といわれることがありますが、これはあまり効果が期待できなさそうです。
さつまいもの皮付近にはヤラピンという成分が含まれており、皮ごと食べるとヤラピンをたくさんとることができます。ヤラピンには便をやわらかくする効果が期待されているものの、「便をやわらかくする=おならのもとを防いで(減らして)くれる」とは考えにくいです。
また皮付近には食物繊維が多く含まれるため、これもおならのもとになってしまいます。
このため、さつまいもを皮ごと食べるとおならを防いでくれるという情報は、あまり信じすぎない方がよいかもしれません。
とはいえ、皮まで食べることで、便秘改善効果が期待できるヤラピンや食物繊維をたっぷりとることができます。おならは防げないとしても、せっかくなら皮まで食べて栄養をしっかりとりたいものですね。
さつまいもをよく噛んで食べることで、おならを少しは防げるかもしれません。よく噛むことで唾液が分泌され、唾液に含まれる消化酵素が消化を助けてくれます。
また、早食いすると空気を一緒に飲み込んでしまうので、これもおならのもととなってしまいます。さつまいもを食べるとおならがたくさん出る……という方は、よく噛んでゆっくり食べることを意識してみてくださいね。
さつまいもをたくさん食べるほど、食物繊維の摂取量が増えます。消化器官への負担も大きくなり、ぜん動運動の回数も増えるため、結果的におならが発生しやすくなってしまいます。
さつまいもは甘くておいしいのでついたくさん食べたくなりますが、おならが気になる場面の前には食べすぎないことを心がけるといいでしょう。
さつまいもを食べたときに出るおならは、においのもととなるアンモニアがほとんど含まれないため、臭くないといわれています。もしおならが出てしまっても、臭くないのなら少しは安心ですね。
もし臭いと感じるときは、腸内環境が乱れて悪玉菌が増えているのかもしれません。肉などのたんぱく質や脂質の摂りすぎ、不規則な生活、ストレス、便秘などによって腸内環境は乱れやすくなるので、注意しましょう。
さつまいもは便秘を改善し、腸内環境をよくしてくれる効果が期待できる食べ物なので、おならの臭いが気になるときにはむしろ積極的に食べてみてくださいね。
さつまいもを食べておならが出るのは、腸が元気に動いている証拠でもあります。旬のおいしいさつまいもには栄養もたっぷり詰まっているので、おならを怖がりすぎずに楽しんでくださいね。