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炊きたてのご飯は美味しいですが、羽釜を洗ったりセットして待つのは面倒。少し多めに炊いて冷凍保存する方も多いのではないでしょうか?でも、どのくらいの量を保存すればいいのか、上手な解凍はどうすればいいのかについてはあまり情報がありません。今回は炊きたてごはんを再現すべく上手な冷凍保存・解凍方法を管理栄養士に解説したいただきます!
炊きたてのごはんは、ふっくらやわらかくて美味しいですよね。逆に冷めてしまったごはんはなんだかパサついてしまって美味しくない…と感じる方も多いのではないでしょうか?
炊きたてのごはんが美味しいのは、米の中にあるデンプンが水分を含んで膨張し、消化しやすい糊のような状態になっているからです。ここから冷めていくと、水分がどんどん抜けてぱさつき、ごはんが固くなってしまいます。
こうなってしまうと、炊きたての状態に戻すことはできないため、ごはんを美味しく保存するには、デンプンに水分が保たれている状態で冷凍保存することが重要です。この美味しさをキープするにはどうしたらよいか、理想の冷凍保存にたどり着くために検証してみました。
実際に様々な冷凍方法を試した結果、冷凍保存をするときのポイントが複数あることがわかりました。ポイントごとにどんなことに気をつければよいかを解説していきます。
まず、炊いたごはんを冷凍保存するとき、何を使って保存すれば良いのでしょうか?一番手軽な方法はラップで包む方法です。ラップで包めば、冷凍庫の場所を取らずに保存することができます。ラップしたものをジッパー付き保存袋などに入れて保存すれば、空気に触れるのを防ぐことでさらに日持ちさせることが出来ます。また、男性や食べ盛りの子どもなど人によってごはんの量を変えたいときにもラップで保存するのがいいでしょう。ただし、やわらかいまま重ねて保存するとごはんがつぶれてしまうこともあります。重ねてスペースを確保したい場合は最初に凍らせるようにしましょう。
現在、100円ショップや調理器具メーカーからプラスチック製で1膳ずつ保存が出来るごはん専用の保存容器が販売されています。物によっては少し場所を取るかもしれませんが、重ねてもつぶれる心配がなく、加熱ムラを防ぐ構造になっているものもありとても便利です。温めてそのまま食卓に出せるのも嬉しいですよね。
保存する際は、炊きたての状態で保存しましょう。ご飯を美味しく保存するには、お米に含まれるデンプンが水分を含んでいる状態で保存することが大切です。時間が経ってからだとごはんが固くなった状態で保存することになってしまいます。ただし、熱いまま冷凍庫に入れてしまうと、冷凍庫内の温度が下がって他の食品の劣化につながってしまうこともあるので、ラップで包んだ上で粗熱をとってから保存するようにしましょう。
保存するときの量は、お茶碗1杯分程度が適切です。小分けにするのは面倒かもしれませんが、冷凍の時間を短くし、加熱する際のムラをなくすメリットがあります。ひとつの容器に量を多く保存してしまうと、冷凍のスピードがゆるやかになり、劣化の原因にもつながります。小分けしたごはんは、できる限り平たくして熱伝導の良い金属トレイに乗せれば冷凍するまでの時間をさらに短縮できるでしょう。
冷凍保存用にごはんを炊く場合は、しっかり浸水しておくことが大切です。お米に水分をしっかり吸わせて、ふっくらもちもちの状態を作りましょう。固めに炊くか、やわらかめに炊くかは個人の好みの問題ですが、解凍したご飯を試食したところ、少し固めに炊いた冷凍ごはんのほうが美味しく感じました。やわらかく炊いたごはんは解凍したときに水っぽくなるため要注意です。
解凍するときは、電子レンジで解凍しましょう。このとき、解凍ボタンではなく、あたため機能で加熱をしてください。解凍ボタンはあくまで「解凍」するための機能なので、食べる状態のごはんの加熱には合っていません。加熱時間は600Wで3分前後が目安です。もし、電子レンジに冷凍ごはんのあたため機能があれば、そちらを使うとより美味しく解凍することができます。
電子レンジは食品を均一に温めるのが苦手なため、加熱途中でほぐしたり、上下を変えるとムラなく加熱することが出来ます。自然解凍はせず、冷凍状態のまま、加熱しましょう。自然解凍してしまうと、先に水分が抜けてしまい、デンプンは固い状態のままになってしまいます。保存容器なら、空気穴の部分のみ開けて加熱しましょう。ラップで包んだ場合は、一度器に移してから温めると美味しく解凍することができます。
以上のことから、おすすめのごはんの冷凍保存・解凍方法はこちらの通りです!
炊く前にしっかりと浸水させて、少し固めに炊く。
炊きたての状態で、専用の保存容器に入れる。(なければラップで包む)
一度に沢山入れずに、お茶碗1杯分の量で小分けにして保存する。
冷凍状態のまま、保存容器で解凍する。または、電子レンジの冷凍ごはんのあたため機能を使って加熱する。
お米の硬さなど、好みによって変わる部分もありますが、ぜひ参考にしてみてください。
保存容器や、ラップで包んだ後にジッパー付き保存袋で保存した冷凍ごはんの賞味期限は長くて1か月と考えてください。これは、ごはんに含まれる水分量が保たれる目安の期間です。表面にカビが生えてしまったり、黄色に変色してしまっている場合は腐り始めている証拠です。冷凍といっても、菌が死滅するわけではありません。なるべく早く食べ切るように心がけましょう。保存した日を忘れないように、日付がわかるようにメモしておくのもおすすめです。
今回は、冷凍ごはんを保存するための方法と美味しく食べるためのコツをまとめさせていただきました。ごはんは毎日食卓に並ぶものですが、毎回の食事で炊くのは大変ですよね。今回の記事を参考に、日々の食卓作りに活かしてもらえたらとても嬉しいです。日本人はごはんが大好きなので、お米にまつわる便利なグッズや家電もたくさんあるので、選ぶときにチェックしてみるのもおすすめですよ。
記事監修:管理栄養士 宮﨑奈津季