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口紅が服に付いてしまった! このような"うっかりシミ"を作ってしまった経験はありませんか。シミの種類を見極めて、早めの対策を取ることがシミ落としに重要です。今回は、衣類に付いてしまった口紅のシミケア方法について、ライオン株式会社のお洗濯マイスター大貫和泉さんに話を聞きました。
シミには、水と洗剤で落ちやすい「水溶性」と、ベンジンやアルコールなどの有機溶剤で落ちやすい「油溶性」の2種類があります。口紅やファンデーション、化粧クリームなどの化粧品は油溶性。ほかに、チョコレートやバター、生クリーム、植物油などの食品も含まれています。
シミは時間が経つと、落ちにくくなってしまいます。油溶性のシミには、乾いたティッシュでシミの部分をつまんで、油分を移し取りましょう。ゴシゴシとこすってしまうと、かえってシミが広がってしまう恐れがあるので気を付けてください。
家庭で洗濯できるかどうか、衣類の洗濯表示を確認しましょう。おしゃれ着に付いた口紅やファンデーションには、おしゃれ着用洗剤のアクロンを使うと前処理が簡単です。シミ部分にアクロンの原液を直接塗って、繊維に染み込ませてから普段通り洗ってください。
すぐに洗えない衣類は、"プロ技"のシミ抜きを実践してみましょう。ポイントは、シミを周囲から内側に向けてたたいて落とすこと。
シミ抜き用タオルに、シミが付いている面を下にして当てて置いてください。
かたく折りたたんだハンカチに、ベンジンや消毒用のアルコールなどの溶剤をつけて、シミが付いている衣類の裏側をたたきます。コツはシミの裏側を周囲から内側に向けてたたくこと。シミの汚れがタオルに移っていくので、タオルが汚れたら位置をずらしてタオルのきれいな面がシミに接するようにし続けながら、シミが落ちるまで繰り返します。
落ちなかった場合、水溶性のシミ抜き手順を試してみましょう。かたく折りたたんだハンカチに、水で薄めた洗剤液をつけてシミの裏側を周囲から内側に向けてたたきます。同様にシミが落ちるまで、タオルの位置をずらしながらシミたたきを繰り返してください。汚れが落ちたら、別のハンカチに水をつけて、たたいて洗剤液を落としましょう。輪ジミを防ぐために水をつけたハンカチで、シミの周りをぼかしてください。
シミ抜きをした衣類は、自然乾燥をさせてください。注意したいのが、アイロンやドライヤーなどを使わないこと。熱をかけてしまうと、シミの成分が衣類に残っていた際に変質してしまって落ちにくくなってしまう可能性があります。
シミの種類と特徴を知って、落ち着いた対処をしたいもの。おしゃれもお出かけも、もっと楽しみたいですね。
写真提供: ライオン株式会社