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日々の買い物や「ポイ活」で貯めたポイントで投資ができることを知っていますか。ポイントを運用するということは、つまり元手0円で投資が始められるわけです。ファイナンシャルプランナーの石倉博子さんが、そんなポイント投資について詳しく解説してくれました。
最初に、ポイント投資の資金であるポイントを効率的に貯めることができる「ポイ活」についておさらいをしておきましょう。ポイ活とは、ポイントを貯める活動のこと。日々の買い物でポイントカードを作ってポイントを貯めることは、多くの人がすでに実践していることでしょう。たくさん買い物をすれば、当然ポイントもたくさん貯まりますが、もっと効率よくポイントを貯めるための活動が「ポイ活」です。近年、ポイ活という言葉が注目されるようになり、ポイ活をする人が増えています。
ポイントサイトとは、利用者がそのサイトを経由してネットショッピングなどを利用すると、購入金額の数パーセント程度のポイントが付与され、金品などと交換できるインターネットサービスです。
例えば、ポイントサイトを経由して「楽天市場」で買い物をすると、「楽天スーパーポイント」だけでなく、ポイントサイト独自のポイントももらえます。そのポイントは「Tポイント」や「楽天スーパーポイント」などに交換できるので、ポイントの二重取りができるというわけです。また、ポイントサイトではネットショッピングだけでなく、アンケートに回答したり、動画を見たり、オンラインゲームを利用したりするだけでもポイントがもらえます。お金を使わずにポイントが貯められるのも利点です。
貯めたポイントは日々の買い物の資金に充てるなどして使うことが多いと思いますが、ポイントをもうひと活躍させるために、ポイントで投資を始めてみてはいかがでしょうか。
株式会社NTTドコモが発行している「dポイント」を運用ポイントに交換すると、設定した投資信託の基準価額に連動して運用ポイントが毎日変動します。つまり、ポイントが日々増えたり減ったりするわけですが、アクティブコースやバランスコースなどから自身の意思でコースを選べ、追加や引き出しを自由に行えるため、気軽に投資をしてみたいという人におすすめです。
楽天株式会社が発行している「楽天スーパーポイント」は、運用体験と実際の積み立て投資の2種類があります。
運用体験は「楽天スーパーポイント」を使って運用ができるサービス。投資信託に連動して、ポイント数が毎日変動します。口座開設などは不要で、選ぶコースは「アクティブ」と「バランス」の2つからのみ。増えたポイントはそのまま「通常ポイント」として「楽天市場」などでのショッピングに使えます。
一方、投資体験は、実際に口座を開設してポイント投資をします。すでに「楽天証券」に口座を持っている人はすぐに始められます。投資信託の買付代金の一部、あるいは全部に楽天スーパーポイントを利用でき、楽天証券で取り扱っているほぼすべての投資信託が対象となっています。
おすすめはポイントを利用した毎月の積立投資です。ポイント利用設定で、毎月の利用上限ポイントを任意に設定したり、その月に所有するすべての利用可能ポイントを使うなどの設定をしておけば、自動でポイントを使って積立投資をしてくれます。
投資は利益が出れば課税されます。ポイント投資の場合も例外ではありませんが、ポイントの扱いによって課税の方法は変わってきます。
前述のdポイントのように、ポイントのまま増える場合は、ポイントを獲得したと見なされ、一時所得として扱われる場合が多いようです。一時所得は特別控除額50万円を引いた金額のさらに1/2にあたる金額が他の所得と合算され、総合課税として課税されます。実際は課税される金額ほどのポイント増になるケースは少ないと思われますので、実質非課税と言えるかもしれません。
一方、楽天ポイントの積立投資のように、買い付けにポイントを利用する場合、ポイントを楽天が買い取って投資信託の約定代金としているため、実際は現金(日本円)で投資していることになります。この場合は、通常の金融商品を購入した場合の税金の扱いと一緒です。つまり、特定口座の「源泉徴収あり」を選べば、確定申告をする必要がない代わりにあらかじめ税金が差し引かれて入金されます。また特定口座の「源泉徴収なし」や一般口座を選べば、確定申告が必要となります。ただし、年収が2,000万円以下で、かつ株や投資信託、副業などによる利益が20万円以下の人は確定申告をしなくてもいいので、税金を払う必要はありません。また、「NISA」を利用すれば非課税となります。
「ポイント投資」と言っても投資には違いないので、利益が出ることも、損失を出すこともあります。しかし、すべてポイントだけで投資をした場合は、元手がかかっていないので、たとえ0円になったとしても損失は出ていないと言えるでしょう。そう考えると、積極的に攻める投資に挑戦できるのはないかと思います。「投資は怖いので貯金しかしていない」という人は、ポイント投資から始めてみるといいかもしれませんね。