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賃貸vs.持家。これほどに、長い間議論され続けているテーマはないのでは? それぞれに言い分があり、またそれぞれにメリットがあり、どちらが正解とは言い切れない部分があるからです。そんな議論がもし夫婦間で繰り広げられたとしたら……。
とある夫婦のマイホーム購入に関するやりとりがとてもほっこりとネットで話題となったのは数か月前のことです。夫が妻との議論内容をツイートしていて、それを妻がまとめて「togetter」に投稿するという見事な共同作業でした。ここでは、後日談も盛り込みながら、必死にマイホーム購入をプレゼンする妻と、それを楽しんでいる節もある夫の様子をお届けします。
(朝起きたとたん)「夢の中で家買ったら(ローン返済が)月8万円だった! 安いでしょ!? ま、夢だけど」
「(ひっくり返って長時間爆笑)」
(朝起きたとたん)「隣家で殺人事件が起きて不細工な猫が家に居座るようになった。だから引っ越そう、夢だけど」
「(ひっくり返って長時間爆笑)」
妻の目標がマイホーム購入から引っ越しに変わったようです。実際聞いてみると、「とりあえず引っ越しの同意さえ取れたら、あとは家を決めるときに分譲でごり押しすればよいかなと思って」とのこと。めちゃくちゃ強引な妻の戦法に驚きます(笑)。
「誕生日プレゼントなにがいい? 」
「Twitter社」
「なるほど……」
「最初にTwitter社と言っておけば、それ以外はなんでも安く聞こえるでしょ? ねぇ、私、ホントは家が欲しい」
「ああ……アンカリングだったんだね……」
「家が欲しい。1億円ほしい。このままだと銀行強盗をしてしまう」
「君のそういうたぐいの意味不明な冗談は、本当に1日の疲れをいやしてくれるなぁ」
「私は本気なんだから! で、この家、いいと思ったの(物件情報差し出す)」
「(1.23億円……。さっき1億円ほしいといったのに、足りないじゃないか)」
「毎日毎日さぁ。1億円超えの物件情報ばかり見せられてたらさぁ。7000万くらいの家を見せられたら『あ、いいな』って思うでしょ」
「すごいテクニックだね」
「あー、言っちゃったなぁ。なんで今言っちゃったんだろうなぁ」
「最近気づいたんだけどさぁ、1億円出せばいい家は買えるんだよね(新たな物件情報差し出す)」
「(1.2億なんですけど…)2000万円は端数なんだね」
「パソコンのキーボードを作りたい。作るための道具がいっぱい必要になるなぁ」
「あのね、どこにそんなの置けるの? この家のどこに置くの? キーボードを作るならまず家買って!!!」
「何様なの? 」
「奥様だよ!! 」
このような会話をしているこちらのご夫婦。夫の職業はエンジニアということで、この会話の内容もちょっぴり納得できるようなできないような……。そして驚くのが、このマイホーム論争、なんと2013年から繰り広げているんです。夫と妻はどんな気持ちで5年もの間この話し合いをしているのでしょうか。
夫としては「家を購入するということはリスクを伴うことなので、積極的には検討したくない気持ちです。しかし妻があの手この手で家を買わせようとエスカレートしていく様子を見ていると、ああ、愛おしいな、ずっと見守っていたいな、という気持ちが生まれてきました」。
愛おしい……愛おしい……!!! 世の奥様方、夫から「愛おしい」と言われることってなかなかなくないですか!? この夫の「愛おしいな」発言に編集スタッフは「ずきゅん」。あふれる愛にクラクラしていたのですが、「あれ? 分譲も賃貸も実はどうでも良くて、単なるイチャイチャだったのでは……」。企画を立ててしまった身としては、夫婦の単なるイチャイチャに巻き込まれてしまったのではと若干不安になり、妻の意見も聞いてみることにしました。
「夫が人の言葉に簡単に流されず、意志が強いということはだれよりも知っているので、人生掛けて説得していくくらいの覚悟でした(笑)。なので、5年たっても諦めないどころか、まだまだこれから! という気持ちです。なんだかさっきのコメントでも”良い夫”感を出してうまくかわしていますが、いつか絶対説得してみせる! 」という妻の意見でした。
夫の「あふれる愛」も、妻は「良い夫感を出してうまくかわしている」とスルーしていました。さまようあふれる愛……。しかし、「一生かけて説得」という発言から、妻にも夫に負けない意志の強さを感じます。編集部では、長い目でこのご夫婦をウォッチしていきたいと思います!