ナチュラルクリーニング素材として人気の「クエン酸」。水回りに効果があるのは知っているけれど、いまひとつ使いこなせない……という人も多いのでは? 今回はクエン酸を使いこなすコツと、おすすめの掃除術を紹介します。


クエン酸とは?



「クエン酸」はかんきつ類などに含まれる成分で、酸味がありほぼ無臭です。水溶液のPH値は2~3の酸性で、アルカリ性の汚れやにおいを中和する作用があります。精製グレードによって食用、薬用、掃除用に分かれます。掃除には低いグレードのもので十分ですが、電気ポットの洗浄など調理器具のお手入れに使う場合には食用を使うと安心です。

クエン酸の良い点

揮発せず刺激臭がない

ナチュラルクリーニングで使用する酸性の素材には「酢」もあります。酢は、「揮発(常温で気化すること)」するため刺激臭がありますが、クエン酸は揮発しないためほとんど無臭です。また、きれいにしたい場所に揮発せず酸の成分が長く留まるため、後述する「クエン酸パック」においては効果が持続するのもメリットの1つです。

コストパフォーマンスの良さ

水垢落としやトイレの掃除に使えるクエン酸スプレーの作り方は、水200mlにクエン酸小さじ1を混ぜるだけでOK。一袋でたくさん使用することができるコスパの良さもメリットです。

クエン酸の注意点

傷口に注意

小さな傷でも、触れると酸が刺激となり、痛みを感じます。手に傷がある時や、手肌の弱い方はビニール手袋をつけて使用しましょう。

成分が残留してしまう

前述の通り、成分が掃除した場所に長くとどまるため、残留のデメリットも。掃除をした後はしっかりと水で洗い流すか、二度拭きをしないとベタついたり、白く残ったりしてしまいます。


黒い下敷きにクエン酸スプレーをして拭いた後。指で触るとベタベタして成分が残留していることがわかる

使えない掃除場所に注意

酸に弱い素材は意外と身近にあるので注意が必要です。下記の掃除場所には使用しないようにしましょう。それ以外の場所でも、気になる場合は目立たない所でテストしてから使用するようにしてください。

  • アルミや鉄: 付着すると腐食し、錆びさせてしまいます。
  • 大理石: 酸に弱いので表面が溶けてツヤがなくなることがあります。
  • タイルの目地などに使われる接着剤のセメント: クエン酸によって変色変質することがあります。

コーティング加工してある箇所はしっかり拭き取って

家電の表面、浴室の鏡、トイレの便座などコーティング加工や表面加工が施されているものは家の各所にあります。クエン酸程度の酸性であれば、加工がよく拭き取れば剥がれることはまずありませんが、万が一拭き残しが長時間残留することでコーティングが剥がれたり、変質したりする可能性があります。まずはしっかり拭き取ることが大切。心配な場合は中性洗剤が一番安心です。

クエン酸を使った掃除術

クエン酸は水垢や尿といったアルカリ性の汚れに効果があります。逆に、油汚れなど酸性の汚れには効果がありません。クエン酸の性質をいかした掃除方法を紹介します。なお、塩素系漂白剤と混ぜると有毒ガスが発生して危険です。浴室掃除の際のカビ取り剤や殺菌の他、トイレ掃除などで塩素系漂白剤を使用することがあるので、併用しないよう気を付けてください。

水回りのしつこい水垢掃除

水回りに発生する白く固くなってしまった水垢は、クエン酸なら酸性成分がじっくり留まり、効果的に落とすことができます。今回は浴室ドアにこびりついた白い水垢汚れを「クエン酸パック」を使って落とす方法を紹介します。

手順

1. 40度の湯200mlに小さじ2~3のクエン酸を溶かした「ホットクエン酸液」を作る。

2. 1にキッチンペーパーを浸して、浴槽のドアにパックをするように貼り付ける。乾燥しないよう、上からラップをして30分ほど浸透させる。



3. キッチンペーパーとラップを剥がし、ラップを小さく丸めて、クルクルと円を描くように磨く。



4. 成分をしっかり洗い流して、乾拭きをして仕上げる。


しつこい水垢もすっきりきれいに

この他にも、水栓や浴室の鏡などの水垢に、クエン酸パックが有効です。

電気ポットの水垢掃除

電気ポットやケトルは毎日使用していると、いつの間にか白い汚れやにおいがついてしまいます。クエン酸で解消しましょう。

なお、調理器具や食器に使用する場合は、食品グレードのクエン酸が安心です。取扱説明書に「クエン酸洗浄方法」など明記してある場合は、指示に従って掃除をしてください。

手順

1. ポットの満水まで水を入れ、クエン酸小さじ1を入れて菜箸でまぜて溶かし、沸騰させる。



2. 沸騰後、2~3時間置いた後、中の水を捨てる。柔らかいスポンジで内部をこすり洗いして水ですすぐ。

3. クエン酸成分を完全にすすぐために、再度水を満水まで入れて沸騰させて湯を捨てる。


水垢汚れがとれて清潔なポットに

トイレの尿汚れやにおい対策

トイレの尿汚れやにおいはアルカリ性です。クエン酸で中和すれば汚れもにおいもスッキリ取れます。トイレの汚れには、スプレーボトルに水20mlと小さじ1のクエン酸を混ぜた「クエン酸スプレー」を使って掃除しましょう。手作りのスプレーで保存料などを添加していないため、雑菌の繁殖で変質しないうちに使い切るようにしてください。使用期限の目安は1~2週間です。なお、便器の機種によっては酸性の洗剤が使えないものがあるのでご注意下さい。

手順

1. 便器の縁裏にこびりついた尿汚れにクエン酸スプレーをかけ、トイレットペーパーを湿布する。そのまま30分放置して、汚れに酸性成分を浸透させる。



2. 湿布したトイレットペーパーでゆるんだ汚れを拭き取り、縁裏はブラシで擦り落とす。水を流しながら汚れを洗い流す。



小さい鏡付きのブラシが便利! 汚れが落ちているかチェックしやすい

3. 便器や壁、床に飛び散った尿はトイレのアンモニア臭の原因になる。ウエスにクエン酸スプレーをして拭き掃除をする。

前述のように、便座などにクエン酸の成分が残るとコーテンィングが剥がれるなど素材の変質が起こる可能性があるため、全体的に雑巾で水拭きし、二度拭きをして成分を拭き取る。



無臭のクエン酸スプレーは、ボトルにお好みのアロマオイルを入れて香りづけをするなどオリジナルのスプレーを作って楽しむこともできます。水回りにシュッとひと吹きし、クエン酸掃除を楽しんでみてくださいね。


情報提供元: トクバイニュース
記事名:「 クエン酸で水回りをキレイに! クエン酸の効果と汚れを撃退する掃除術