食品にカビを生やしてしまった経験は誰でもあるもの。カビが生えた場所を取り除いて食べている……なんて人もいるのではないでしょうか。今回はカビが発生する条件や、食品にカビが生えた場合の正しい対処方法を紹介します。


カビとカビ毒



私たちの身の回りには様々な種類のカビが存在しています。種類によってはカマンベールチーズやかつお節など、食品の製造過程に利用されたり、自然界の環境浄化を行ったりと、なくてはならないものもあります。しかし一方で、有害なカビや、カビが作り出す毒素である「カビ毒」が人体に悪影響を与えることもあるのです。

なお、食品に発生してしまったカビを誤って食べてしまった場合、少量であれば吐き気や腹痛などの急性中毒が発生することは少ないといわれています。しかし、摂取した量によってはアレルギーの原因となったり、有害なカビやカビ毒を口にしてしまった場合には中毒になってしまいます。


カビの発生メカニズムと発生させない保存法



口にすると危険が伴うこともあるカビ。まずは発生させないことが重要です。カビは酸素、水分、温度、栄養分などの条件がそろった環境で発生します。気温が20〜30度で活発に増殖するため、6月〜10月は特に注意が必要です。また、現代では冬場もエアコンなどで室内の温度は20度以上の場合が多いため、冬場も安心はできません。

食材を保存する際には、食品ごとに保存方法に指定がある場合はそれに従い、なるべく早めに食べきることを心がけましょう。野菜や果物などは表面の水分をなるべく取って保存してください。また、食材を必要以上に買い込まないようにすることも対策のひとつです。


食品にカビが生えたら……?



餅やパンなど食品にカビが生えた場合、その部分だけを取り除いて食べるという人も少なくないかもしれません。しかし、それはNG。目に見えるカビはカビ全体の氷山の一角。いくらきれいに取り除いたつもりでも、カビから発生したカビ毒や、「菌糸」と呼ばれるカビの一部が食品に残ってしまうのです。

食品を安全においしく食べるためには、食品に適した方法で保存し、カビが生えてしまった場合には速やかに処分することを心がけましょう。

監修: 管理栄養士 尾花友理


情報提供元: トクバイニュース
記事名:「 カビが生えた食品、カビを取り除けば食べて良い?「カビ毒」に要注意