12月22日公開の記事【「代々木をアイドルの聖地に!」 元実演販売士からアイドルプロデューサーへ転身した男が抱く野望とは?】では、実演販売士からアイドルプロデューサーに転身したヒエさんが抱く野望と代々木という街でアイドル活動する思いについてお伝えした。そして今回はそこから一歩踏み込んで、ヒエさんが代々木アイドルシーンに投下した「代々木プロジェクト」第二弾アイドルグループにスポットを当てていこう。

代々木プロジェクトから誕生した最初のアイドルユニットは、テンプラこと「Tender Planet」。その弟分にあたる代々木プロジェクト2期生のオーディションは、前回の取材日(12月10日)に行われていた。普段とは打って変わって、真剣な眼差しでオーディションのステージを見つめるヒエさんの写真が掲載されていたのは記憶に新しい。そう、2期生にとって自分が選ばれた運命の日から、まだ2カ月しか経っていないのだ。正式デビューは再来月の4月でグループ名もまだ公表されていないが、すでに熱心なファンに向けて挨拶がわりのステージは経験済みで、今回の取材日(2月11日)に行われたのが2回目となるステージを踏んだ。

最初に2期生の特徴は? という記者からの問いかけに対し、ヒエさんの口から発せられたのは「日本一大きなアイドルです!」。頭の中に「?」が渦巻く記者へ、ヒエさんは次のように説明した。

スタイリッシュで可愛いくて、歌が上手な子ばっかりじゃないですか、アイドルって。で、やっぱり差別化って必要だと思って。特に僕ら弱小なので、正攻法で戦っても勝てないなと。そこで変化球じゃないけど、なんか個性があるほうがいいでしょ。そんなふうに考えている時に、オーディションに現れたのが「ぐーにー」というデカい男の子でした。
普通のアイドルオーディションだったら、普通落とされるじゃないですか。でも彼を見た瞬間、コレだ! と思ったんです。それに本人もすごいポジティブで、痩せようと思っていないんですよ。「お? このまま行くよ!」って感じで、ありのままの自分を見せるみたいな。
いま、世の中はLGBTをはじめとして偏見をなくそうという風潮にあるじゃないですか。ぐーにーは、痩せてなきゃいけないアイドル界に一石を投じる起爆剤のような存在なんです。

そんな前情報を仕入れたところで、ぐーにーさん本人が登場。これまで取材を受けた経験がないという彼に、オーディションに応募した理由などを聞いてみた。

いまアイドルとかダンスボーカルグループとか、たくさん出てるじゃないですか。やっぱり自分みたいな体格がいい人とか、そんなに容姿が優れてなさそうな感じの人たちが出てくることってないですよね。そんな中で、なにかひとつ自分で新しいことをやりたいなって思ってオーディションに応募しました。
まあ正直、受けている間は“いい思い出づくり”みたいな感じだったんですけど、合格した時は本当にびっくりしました。あとからヒエさんに「オーディションの時の歌唱やダンスがすごくよかった」って言ってもらえてうれしかったですね。
ダンスは高校生の時から始めました。ダンス部に入る時に、やっぱり周りからは「えっ?」みたいな目で見られましたね。僕は全然平気だけど、ほかの人はそんなふうに見られるのは嫌なのかなとは思っていますが、僕がアイドルとしてがんばることで、ゆくゆくは誰もが何をやっても許されるような、自分でも挑戦できるんだと思ってもらえるように活動していきたいなと思っています。

前回の記事に掲載した合格メンバーの集合写真から抱いていたイメージと、ヒエさんからの前情報のすり込みから、会うまでは「オラオラ系」の若造を想像していたが、実際に会って話を聞いてみるとまったく逆の誠実な若者。体型のコンプレックスに真正面から向き合い、だからといって否定せずに現状を維持し、そうすることで同じように体型に引け目を感じている人たちにも夢と門戸を広げようとする姿に感動さえ覚えた。アイドルの間口を広げるべく活動する、ぐーにーさんの今後に注目だ。

代々木プロジェクト2期生。日向湊さん(左)は、街で見かけただけでもアイドルとわかる美貌の持ち主。ぐーにーさんとふたりで全国区になる日も近い。

情報提供元: 舌肥
記事名:「 「代々木をアイドルの聖地に!」② 日本一大きなアイドル誕生