今回のワンダーJAPAN物件は熊本県阿蘇郡にある『旧国鉄宮原線 幸野川橋梁』。建造から70年以上が経つ美しいアーチ橋です。実に絵になる建造物であり、国の登録有形文化財にも指定されているんです。いいカメラを持って撮りに行きたくなるんですよね〜。



以下、文・写真|ワンダーJAPAN編集部


旧国鉄宮原線 幸野川橋梁(熊本県小国町)


▲北側から撮影したもの。日が暮れかけて逆光になっているが、シルエットになっても魅力的


幸野川橋梁は、のどかな田園地帯を地上から25mもの高さまでバネが弾むように駈け抜ける美しいアーチ橋だ。「旧国鉄宮原線(みやのはるせん)幸野川橋梁」として国の登録有形文化財(建造物)に指定されている。コンクリート造6連アーチ橋、橋長116m、昭和14年頃のもの。昭和14年(1939年)といえば、第二次世界大戦勃発の年。この橋も完成したものの、実際に列車が走るまでには戦後10年近くの時を要した。が、利用客は少なく、営業開始から25年ほどで廃止が決定してしまう。


▲幸野川橋梁の西側から東を眺めたところ。橋の上は意外とそっけない。この先の廃線跡は秋には紅葉のトンネルが続く遊歩道となっている


この橋梁は橋のどちらからも歩いて渡ることができる。足を乗せると石畳が浮く部分もあり、大丈夫かなと思うが、70年も立ち続けているだけあって堅牢なようだ。橋脚部分にある透かしがとてもかわいいデザインで見ていて飽きがこない。一日中さまざまな方向からさまざまな表情を撮影したいほど絵になる。


アクセス



  • 大分自動車道「日田」から車で1時間、「久重IC」から車で40分

  • 住所:熊本県阿蘇郡小国町大字北里字西村




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情報提供元: ミトク
記事名:「 廃線跡に残る美しい6連アーチ橋『旧国鉄宮原線 幸野川橋梁』は70歳を越えるワンダーな建造物だった