- 週間ランキング
ウイスキーやワインづくりに使われた木樽でビールを熟成させてつくる「バレルエイジビール」。
もともとの木樽に入っていたお酒の風味がビールに移ることに加え、木樽に住み着いている自然酵母がビールを発酵させて、より複雑な香りと味わいが生まれます。どのビールを熟成させるのか、どの木樽を使うのか、どのくらい熟成させるのかによって、全く異なるバレルエイジビールができあがるのです。
木樽にはそれぞれ個性があり、全く同じ状況の木樽はありません。それだけに、バレルエイジビールがどんな味わいに仕上がるのか、事前に想像することが難しいといわれています。
今回、バレルエイジビールの商品化に挑戦したFar Yeast Brewing。これまでFar Yeast Brewingは、和の馨るエール「馨和 KAGUA」と、“東京Tokyo”をテーマにした「Far Yeast」、2つのブランドを展開してきました。そして今回、新たに加わったのが“イノベーティブなビール造りへの挑戦”をテーマにするブランド「Off Trail」です。
「Off Trail」は「舗装されていない道」のことを表し、舗装されていない道を突き進むように、イノベーティブ(革新的)なビールを造っていくとの想いが込められています。 バレルエイジビール「Ginspiration」は「赤ワイン樽で22ヶ月間熟成させたベルジャンエール」をベースに、ジンの香りづけに使われる「ジュニパーベリー」を漬け込んだビールです。 第1弾「Ginspirstion」は木樽熟成のため、1回きりの生産で数量限定の発売です。 プロジェクト責任者のリチャード・レグリスさんによると、「Off Trail」はバレルエイジビールやサワービール、冬にぴったりなビール、甲州ぶどうが育つ地域を表現したビールなど、いろいろなビールに挑戦していくそうです。「ビール」と「ジン」の融合
実は、最初からジンとビールの融合を考えていたわけではないのだとか。
先に赤ワイン樽で熟成させたビールがあり、このビールを使って新しいビールをつくれないかと考えたそうです。熟成していたビールを実際に飲んだブルワーさんが「この味わいならジュニパーベリーと合いそうだ」とジュニパーベリーの使用を決めたとのこと。複雑な変化を楽しむビール
ひと足お先に「Ginspiration」を飲んでみました。
冷たいうちは、ジュニパーベリーの香りは想像より穏やかで、赤ワインを思わせる少し酸味を伴った香りが印象的です。グレープフルーツの白いワタのような苦みがあり、キリッとした飲み口で、飲み込んだ後にアルコールの温かさを喉元で感じます。
温度が上がるにつれ、さまざまな香りや味わいが現れ、複雑に絡み合っていきました。
まず、ジュニパーベリーのハーバルでスパイシーな香りが現れはじめます。冷たいときに感じた酸味はやわらかくなり、酵母由来のスパイシーな香り、ホップの香りなどと混ざっていきます。
味わいにも変化が。口当たりはなめらかになり、味わいはふくよかになっていきます。口に残るわずかな渋みが、より複雑さを増してくれます。
木樽熟成ビールのおもしろさを感じられ、温度による変化が楽しめる一杯です。ぜひグラスで飲んでみて
香りを存分に楽しめるよう、ボウル部分に香りを閉じ込めることができるグラスで飲むのがおすすめ。例えば、赤ワインを飲む時のような大ぶりのグラスやチューリップグラスなどです。
冷たいうちから飲み始めると、温度があがるにつれ、香りや味わいの変化を楽しむことができます。ゴクゴクと飲み干すのではなく、少しずつ口にしながら時間をかけて楽しんでみてください。
食事との相性もよく、酢の物やサーモン、チーズ、餃子などが合うそうです。1回のみの限定生産
直営店「Far Yeast Tokyo Craft Beer&Bao(ファーイースト・トウキョウ・ビア&バオ)」やビアバーで提供されるほか、通販サイトで購入できます。通販サイトでは、シリアルナンバー入りのボトル1本(750ml)、コンセプトパンフレットとブランドステッカーが入った特別なセットが用意されているとのこと。(通販サイトでの販売は終了しています。2019/11/13時点)新ブランド「Off Trail」のこれから
イノベーティブなビールを造っていくとの想いが込められた「Off Trail」シリーズ。これからどんなビールをつくっていくのかワクワクしますね。まずは第1弾「Ginspirstion」をお試しください。限定発売なので気になった方はお早めに。
『Off Trail #1 Ginspiration』
〇賞味期限:ボトル詰めから2年