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ゲーム制作において、ステージやエリア構成・敵・ギミック・アイテムの配置などを考え、データ化する作業を「レベルデザイン」と呼びます。
「レベルデザイン」は、単にグラフィックの配置を行うだけではありません。
「ゲームデザイナー」が「仕様書」で策定した基本ルールやコンセプトを元に、具体的なステージの設計やゲームの進行に関する様々な要素を考え、実現します。
プレイヤーが実際に体験するゲーム内の場面や状況を創り出す作業なので、ゲームのやりごたえや楽しさに直結する重要な要素です。
「レベルデザイン」を担当するのが「レベルデザイナー」です。
「プランナー」と呼ばれることもあります。
「レベルデザイナー」職の魅力は、プレイヤーが没入できる魅力的なゲーム空間を創り上げ、ゲームの難易度やプレイヤーの体験を調整できる点です。
クリエイティブな視点と、戦略的なアプローチの両方が求められます。
レベルデザインを行うには、優れた演出力と構成力が必要です。
ステージ構築では、アイテムやギミック、敵などを巧みに配置し、プレイヤーに楽しさや感動を体験させるための工夫が求められます。
ステージごとのコンセプトなども考慮し、作品の魅力を最大限に引き出すことが、レベルデザインの醍醐味です。
ゲームエンジンやツールでレベルデザインを行う際は、下記の理由からプログラミングの知識があると優位になります。
プログラミングは、デザイナーが表現したいアイデアを実現するための手段の一つです。一つの言語や技術に縛られず、知識を増やすことで新たな可能性を開く鍵になります。
「レベルデザイン」にはクリエイティブなアイデアが欠かせませんが、下記の基本原則を理解することで、より優れた作品を生み出しやすくなります。
「フロー」とは、ゲームプレイに没頭し、集中力が高まる状態のことを指します。
レベルデザインでは、難易度やイベント配置を上手く調整し、プレイヤーをフロー状態に誘導する設計を行うことが必要になります。
ゲームプレイにメリハリが生まれるよう、プレイヤー体験をコントロールしましょう。
レベルデザインは一貫性と多様性の両立が求められます。
作品のテーマやデザインの一貫性は保ちつつも、ゲーム内の異なるエリアやセクションでは新しいアイデアを導入し、プレイヤーに新たな刺激を提供できるようにします。
プレイヤーの成長に応じて適切な難易度を提供することも必要です。
ゲーム開始時は簡単なチャレンジから始められるようにし、進行とともに難易度を上げていくような、ゲーム内プログレッションの設計が重要です。
設計が巧みであれば、プレイヤーはモチベーションを持続・促進でき、体験に充実感を得られるでしょう。
テストプレイとフィードバックによる調整も不可欠です。
プレイヤーの反応を取り入れ、バランスを改善しましょう。
ゲーム業界でキャリアを築く上で、「レベルデザイン」は魅力的な専門分野の一つです。
ここでは、「レベルデザイナー」のキャリアパスとしておすすめの例を紹介します。
「レベルデザイナー」になるには、ゲームプランニングの経験が欠かせません。
作品全体のコンセプトや世界観、操作システムなど、ゲーム全体を見渡しながら制作する経験は、広範で深い知識を養うことにつながるので、結果的に「レベルデザイナー」としての力量も向上できます。
制作会社での実務経験がない場合でも、個人でゲームの企画や制作を試みることで、スキルの向上が期待できます。
近年、ゲーム開発エンジンの一般普及が進むと共に、ゲーム業界では開発エンジンの操作経験が求められる傾向が高まっています。
特に「Unreal Engine」や「Unity」などのゲームエンジンを使用した経験があると評価されやすくなります。
これらのゲームエンジンは無料で利用できるため、積極的に触れてみることがおすすめです。
『レベルデザイン徹底指南書』は、大久保磨氏が著したゲームのレベルデザインに関する専門書籍です。
2016年12月に翔泳社から出版されました。
優れたゲーム作品を具体例として取り上げ、良いレベルデザインを構築するための具体的手法やポイントを解説しています。
レベルデザインのより深い知識を得たい方は読んでみると良いでしょう。
ゲーム技術の進化に伴い、「レベルデザイン」も進化しています。
リアルタイムレイトレーシングや仮想現実(VR)などの高度な技術が普及する現在では、より没入感の高いレベルデザインを行うことが求められます。
将来的には、AIを活用してプレイヤーの行動にリアルタイムで対応するようなデザインが実現する可能性も考えられます。
また、インディーズゲームの市場が広がっている影響で、レベルデザインにおいても多様性や独創性が重視されるようになっています。
小規模な開発チームにより作られた作品が、新たなアイデアやアプローチを世に生み出すきっかけとなることも少なくありません。
今後も、より独自性の高い作品が評価されると考えられます。